瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

稲川淳二「生き人形」(4)

 それでは『怪奇事件はなぜ起こるのか』に再録されなかった、『日本“怪奇”伝説』にのみ掲載されている図版について確認して置きましょう。
 074頁下、左側に顔写真があって肩に掛かる程度の黒髪で額は秀でており、黒縁眼鏡を掛け、目を細め歯並びの良い歯を覗かせて笑う、少し傾げたふっくらとした顔。右に「あやつり人形師アパート火事で焼死」の新聞記事があって文字もはっきり読めます。新聞記事の下にゴシック体横組みで「異才の人形師・前野博と前野の死亡を伝える新聞記事/(毎日新聞・88年6月1日)」とあります。記事は「一日午前七時ごろ、‥‥」に始まりますから、朝刊ではなく夕刊でしょう。
 076頁下、右にパンフレットを開いた写真があって、中綴じのホチキスが折れ目に2箇所見えるので丁度中央の見開きです。左開きで、左頁には上段「人形操作」3人、中段と下段「人形操作及び出演」7人、上段左が小池氏の取材を受けた小林次郎、下段右が前野博(1933〜1988.6.1)。右頁は下段の1人めまでが「出演者」8人、下段中央「振付」1人、下段右「日舞振付」1人。上段右に稲川良彦、上段中の石丸有里子(1961.3.17生)も小池氏の取材を受けています。他に、ざっと検索してみて生年月日が分かったのは、上段左の杉山佳寿子(1947.4.9生)、中段中左の大上こうじ(1957.7.1生)、下段左の渡部猛(1936.3.21〜2010.12.13)です。左に小さく、表紙に「呪夢千年」とある台本類2冊の写真。その下にゴシック体横組みで、

小林が所有していた呪夢千年の台本やパンフレット。
パンフレットの出演者ページには、若き日の稲川淳二/(当時は稲川良彦。右側上段)/も名を連ねている

とあります。
 083頁左上、左側にゴシック体縦組みで「呪夢千年の稽古風景。写真左にいるのが前野」とのキャプションのある写真で、若い男と2人で少女人形を操っています。
 084頁右下、左側下にゴシック体横組み右揃えで、

死の直前まで前野は、人形師として精力的に活動していた。写真は結果的に最後の仕事になってしまったSFXハイビジョン映画西遊記の現場風景

とのキャプションのある写真で、何人か写っているが左端の立って左手に台本を手に右手に持ったマイクで指示を送っている、帽子に眼鏡、ウィンドブレーカーの男性が前野氏でしょう。
 この、前野氏の没後、昭和63年(1988)7月2日に公開された、内田健太郎監督『ハイビジョン・SFX 西遊記』はレーザーディスクで発売されていますが未見。
・パンフレット

・チラシ
映画チラシ 「ハイビジョンSFX?西遊記」監督 内田健太郎

映画チラシ 「ハイビジョンSFX?西遊記」監督 内田健太郎

 ほしの氏のブログ「墓穴を掘って何を埋める?」の2006/10/15「「西遊記・変幻魔界火炎山の巻」かがみおさむ 角川文庫 角川書店」に拠るとノベライズ本(角川文庫)も刊行されていました。(以下続稿)