瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

稲川淳二「生き人形」(5)

 それでは本文を比較して見たいのですが、諸版について書名を一々出すのも煩いので①初出誌「不思議ナックルズ」Vol.6、②『日本“怪奇”伝説』、③『怪奇事件はなぜ起こるのか』と番号で示すことにします。私はまだ①を見ていませんので、②と③の比較ということになります。
 前置き。②072頁1〜7行め→③092頁4〜10行め*1
 本文の異同は以下の2箇所。
②072頁4行め「18年前」→③092頁6行め「20年前」。
 ②も③と刊年は同じだから「20年前」のはずで「18年前」というのは①の刊年からの時間になります。すなわち②の本文は①初出誌そのままである可能性が高いと思われます。
②072頁5行め「 88年6月1日午前7時半ごろ、」→③092頁8行め「 1988年6月1日午前7時半頃、」
 以下、章分けがなされており②は明朝体で1〜2行、③はゴシック体太字で1行の見出しがあります。本文は②が1頁17行、1行43字。③が1頁14行、1行45字。
②072頁8行め〜073頁(16行め)「「生き人形」が/"最凶"怪談と成り得た要因」
③093頁1行め〜094頁9行め「■怪異を呑んで増幅し続ける怪談生き人形」」
②074頁1行め〜075頁11行め「人形の魔性に魅せられた異才の人形師・前野博」
③094頁10行め〜096頁10行め「■少女人形に魔性を芽生えさせた異能の人形師
②075頁12行め〜078頁9行め「「稲川さんも話していたと思いますけど/人形の顔はどんどん変わりましたね」」
③096頁11行め〜099頁10行め「■「霊なのかどうかわからないけど、人形の顔は変わりましたね」」
②078頁10行め〜080頁12行め「「生き人形」の原典・人形劇「呪夢千年」の全貌」
③099頁11行め〜101頁10行め「■関係者の証言で明らかになった伝説の人形劇呪夢千年』」
②080頁13行め〜082頁7行め「怪談と現実のギャップ/「前野さんは人形を道具として扱う感じでした」」
③101頁11行め〜104頁10行め「■“少年人形”遣いが語る前野博の実像
②082頁8行め〜085頁4行め「行方不明になった「人形作家」と/消えた少女人形の行方」
③104頁11行め〜107頁13行め「■人形制作者が語る怪異の真相と戦後日本演劇の軌跡
 こうして②と③の見出しを並べて見ると、大体の内容は察せられそうです。
 以下、細かい異同を拾って見ましょう。(以下続稿)

*1:092頁1〜3行めには、「目次」005頁11行めでは1行に収まっていた題が「真説・生き人形/――異才の人形師・/前野博の原風景」のように3行で示されています。2行めは中央揃え、3行めは下詰め。