瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(06)

・「不思議ナックルズ」VOL.12(2)
 昨日の続き。
 さて、この記事の執筆者ですが、初出誌042頁左下に「【取材・文】こども商事【イメージ・イラスト】烟巻和美」、再録には062頁左上に「取材・文●こども商事 イラスト●烟巻和美」とあります。本文を読んでみると小林氏は取材に協力する人物として登場しますので、別に登場する「筆者」が田野辺氏のようです。「こども商事」で検索すると、洋泉社で「映画秘宝」を田野辺氏とともに創刊した町山智浩(1962.7.5生)のブログ「映画評論家町山智浩アメリカ日記」の2005-01-01「スポンジ・ボブのこども商事」という記事に「‥‥。見てると、どうしても映画秘宝の現編集長、田野辺尚人くんと、ギンティ小林のコンビ「こども商事」を思い出して困った。」との一文がありました。
 本文は4つの節に分かれています。
 初出誌は4段組で043頁1段め1〜3行め「突如姿を現し、忽然と姿を消した"怪人"「3本足のサリーちゃん」とは何者か」との節見出しがあります。再録では062〜063頁下段と064頁下段6行めまでが「バブル期に突如現れたセーラー服の怪人」 」の節で内容は(多分)同じです。再録から冒頭の段落を抜いて見ましょう。062頁3〜12行め、

 今から22年前、神奈川県北西部に衝/撃と恐怖を撒き散らし、その後、忽然と/姿を消した「怪人」が存在した。バブル全/盛の1987年秋に姿を現し、少なくと/も半年近くの間、小田急江ノ島線の中/央林間駅周辺から東京・町田近辺にい/たるまで目撃例が報告された。ライター/のギンティ小林は、その著書『新耳袋殴/り込み』(洋泉社)のまえがきで当時を振/り返っている。


 初出誌では「20年前」になっていました。しかし前回断ったようにゆっくり点検する余裕がなかったので本文の細かい比較対照はしていません。見出しとその前後をざっと眺めたまでです。――ちなみに「神奈川県北西部」とは、丹沢山地だと思うのですが「県央」と言い換えるのもローカルな呼称で、かつ、県央のごく一部なのです。
 それはともかく、062頁13行めから063頁6行めまで14行にわたって、2月7日付(2)に引いた、単行本『新耳袋殴り込み』1頁3〜8行めの段落の、最初と最後の一文を省略して「中学3年生の頃、‥‥」から「‥‥逃げた」までを引用しています。次いで、063頁7〜13行め、

 これはただの与太話ではない。実は同/様の出来事が、『週刊朝日』1987年/10月23日号に掲載されている。街の噂話/を紹介する「デキゴトロジー」欄に「トイ/レの中でくしけずるひみつのアッコちゃ/んは女子高生? それとも…」と題した/記事になったのだ。いわく……

として、063頁14行めから064頁中段11行めまで、記事の要約を示し、さらに064頁右上には「『週刊朝日』1987年10月23日号より」のキャプションを付して、「週刊朝日」当該号の39頁を、かろうじて文字が判読出来る程度の大きさに縮小して、図版として収録しています。同じ頁が初出誌では043頁1〜2段めの左側、文字も十分判読出来る大きさで掲載してありますが「39」の頁付は見えません。キャプションは図版の右側上段(1段め)に、

週刊朝日』(87年10月23日号)で報じられた/3本足のサリーちゃんに関する目撃情報。文中には/《「ひみつのアッコちゃん」のお面をつけ、/そのお面から二つの目だけがギロギロと動いていた》/との目撃談が紹介されている

とあります*1。(以下続稿)

*1:上揃え。二重鍵括弧と二重山括弧は半角。