瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(13)

・「不思議ナックルズ」VOL.12(6)
 一昨日からの続き。
 4節め、①初出誌の見出しは045頁段め14〜15行め「"都市伝説"になり損ねた/"怪人"        」で、②再録では068頁「ローカル伝説に終わったのは実在したが故…      」、ここはまとめです。前半部分を抜いて置きましょう。②再録068頁上段3行め〜中段16行め*1

 そして、ここが肝心な点なのだが、そ/の当時サリーちゃんに話しかけ、その/身の上を聞いたことのある人は誰もいな/かった。それ故にサリーちゃんの存在は/【上段】たちどころに/ローカルな伝説/と化した。
 翌88年に入る/と、3本足のサ/リーちゃんはそ/の姿を消してし/まう。最もよく/目撃されていた/中央林間駅前の/ロータリーはお/ろか、小田急線/の車内でも3本/足のサリーちゃ/んと遭遇したという話は聞かなくなって/しまった。


 後半は「第一次都市伝説ブーム」と絡めて、この怪人物が「都市伝説」になり損ねた理由を考察するのですが、改めて言及する機会もありましょうからここでは触れないで置きます。
 この人物と言葉を交わした人は、「デキゴトロジー」に登場した中央林間の売店のオバさん他、複数存在するはずですが、直接「身の上を聞いた」人は、確かにいないようです。――他にも注目すべき点があるのですが、それも追って問題にすることとしましょう。

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 さて、ギンティ小林新耳袋大逆転』に先行する雑誌の記事について眺めて置くのは一先づこれくらいにして、いよいよ『新耳袋大逆転』の記述の検討に入るのですが、――先に断って置くと、私はもちろんこの怪人物を見ておりません。知人に見た人がいてその貴重な目撃談を報告しよう、とかいう訳でもありません。所謂新資料のようなものは、どこを捻っても出しようがないのです。
 では、どういうつもりなのかというと、――小林氏の『新耳袋大逆転』の記述を読んで行くと、どうしても錯誤としか取れないところがあるのです。それも、どうでも良いようなレベルではなく、是非とも検討し直して、書き直してもらわないと、ちょっと納得出来ない部類の錯誤なのです。このままでは、今後この「都市伝説」を検討する際に禍根を残すことになりかねない。
 そう確信しているので、しばらく基礎的なところから確認しながらの検証作業を続けて行くこととします。(以下続稿)

*1:上段の行数が少なく、中段の14行めまでの字数が少ないのは、図版があるため。