瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

松葉杖・セーラー服・お面・鬘(17)

ギンティ小林新耳袋大逆転』(3)
 クリネックスティシューのCMについては追って再検討することにして、2月22日付(14)の続きで、怪人物についての回想の続きを見て行きましょう。
 単行本87頁6〜12行め・文庫版75頁5〜12行め、「翌日」になると「前日」には「クール」に「傍観していたツッパリ男子」まで「俺も見たよ!」と言って「夕方の地元の駅構内に出没した」この怪人物について「仮面の奥から見えた目が死人みてえなんだよ! ヤベえよ……」との「目撃談をまくし立て」るようになったのです。
 この部分は「不思議ナックルズ」にも小林氏の証言として見えています。例によって再録『恐怖の都市伝説ファイナル』から抜いて置きましょう。065頁上段14行め〜中段4行め、その外見についてまとめた箇所に、

‥‥/共通する要素はふたつあった。髪の毛と/目だ。肩まで伸びた髪は、実は作りの安/いカツラだったという。そしてマスクの/奥からは真っ黒な目玉が覗いていた。ガ/ラス玉のような、感情がいっさい読み取/れない目玉が外を眺めていたという。
「その目玉を見てしまった奴がいるんです。/死人のような目をしていたそうですよ」

とあります。ここの「マスク」は衛生用マスクではなくて仮面(お面)のことです。
 単行本87頁13行め・文庫版75頁13行め、「目撃者」が「増え」るにつれて「女の断片的な情報が集まってきた。」として、以下の4項目を列挙します。単行本87頁14〜18行め・文庫版75頁14〜18行め、

「パーティーグッズ売り場で売っている白い仮面を被っていた。仮面には頬紅や口紅が|塗られている」
「半透明になっているパーティーグッズ*1の仮面を被っているときもある。その仮面にも化粧をしてい/た」
「お面の隙間から見える肌がケロイドだった」
「お面を外した顔を見た……。肉がダランと垂れていた」


 お面については『恐怖の都市伝説ファイナル』の記述、065頁上段6〜13行め、

 サリーちゃん、もしくはアッコちゃん/のお面とは違う仮面をつけていたという/証言もある。「当時、パーティーグッズ/で売っていたような半透明の仮面に化粧/をしていた」「顔にぴったりとはまった/真っ白な仮面だった」「真っ白なお面に口/紅と頬紅をさしている」……
 マスクについては意見が分かれたが、/‥‥

と重なるようです。
 そして、単行本87頁19行め〜88頁1行め・文庫版76頁1〜2行め、

 足の数は目撃者によって「片脚で松葉杖をついていた」説と「足は二本あるけど、片|脚は*2義足で杖/をついている」説の二つが出た。


 ここのところは、『恐怖の都市伝説ファイナル』の記述、064頁下段16行め〜065頁上段1行め、

 ギンティ小林は「3本足って呼んでい/たのは、足が1本しかなくて杖を2本つ/いているって説と、足は2本あるけど1/本は義足で杖をついているからだって説/があったんです」と回想する。‥‥

に対応しています。(以下続稿)

*1:文庫版なし。

*2:文庫版「実は」を挿入。