瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

八王子城(13)

・だーくプロ 編著『多摩の怪談ぞくぞくガイド』(1)*1
 3月23日付(12)の続きで、3月28日付「だーくプロ 編著『多摩の怪談ぞくぞくガイド』(4)」にて予告した、同書巻頭の「八王子城」の節について検討して見よう。
 9頁は右にリード文とスポット名、地名と最下部に「〜ぞくぞく度〜」として目次の章題及び章の扉にあるのと同じ人魂のマークで、最低のスポットは1つなのだが八王子城は最高の人魂5つの評価(?)を得ている。
 9頁左から本文で2段組、まず3行取りで古印体の見出し「一三〇〇名の死者の無念がこもる山」があり、上段には残り4行、下段には7行。1行18字。上段には、

「突然、流れ落ちる滝の水が真っ赤な血の色に染まった」「滝の水に、白い着物をまとった女性が黒髪をなびかせながら、現れたり消えたりする」

とあり、前者は3月14日付(08)に引いた『戦国の終わりを告げた城』に見えていた。但し『戦国の終わりを告げた城』で後者に近い記述を探すと3月10日付(04)に引いた「白装束の幽霊が御主殿の滝の下に出た」くらいなので、これは別に典拠があるのだろう。下段には、

 八王子城跡では、こんな怪奇現象を見たという人が続出している。
 四百年以上の前、この城が攻め落とされたときに、一三〇〇名余りが殺された。土や水、草や木にしみ込んだ多くの死者たちの無念の思いが、時を超え。幽鬼となって現代によみがえるのだろうか。*2

とあって、ここまでが導入である。
 10頁上段には古印体の見出し「警備員が見た足のある幽霊」があって本文11行、下段は下にゴシック体横組みでキャプションのある写真が2つ、左は「史蹟 八王子城」の石柱を撮したもので「八王子城跡の怪異現象はリアルだ」、右は3月26日付「だーくプロ 編著『多摩の怪談ぞくぞくガイド』(2)」でも触れたように改訂版カバー表紙折返しに使用された写真で「かつては深かったというご主殿の滝」。11頁は上下段とも14行。
 これはもちろん3月13日付(07)に引いた『戦国の終わりを告げた城』に出ている目撃談に拠っているのだが、同書では十分に説明していなかったことがこの本には詳しく述べてあるのである。(以下続稿)

*1:4月17日追記】この見出しを追加。

*2:ルビ「かいきげんしょうぞくしゅつゆうき」。