瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

芥川龍之介『杜子春』の文庫本(5)

新潮文庫1806『蜘蛛の糸杜子春』(5)
 2014年5月14日付(4)の続き。
 2014年3月27日付(1)に2015年11月5日に追加した②八十一刷は、南伸坊(1947.6.30生)装幀だったと記憶するのだが、今手許にある②八十一刷に掛かっているカバーは、南氏装幀ではなくOnuki DESIGNである。
 そこで南伸坊装幀の②七十三刷と比較しつつメモして置くことにした。南氏装幀のカバーについては2014年4月6日付(3)にメモして置いた。
 ところで、Onuki DESIGNのカバーの時期については、3月17日付「宮澤賢治の文庫本(11)」に、平成23年(2011)と云う見当を示したのだが、この②八十一刷(平成二十一年五月二十五日・定価286円)の翌年改版されている。すなわち③八十三刷改版(平成二十二年四月二十日・定価324円)で頁数も定価も変わっているから、やはり②八十一刷のカバーは③改版前、八十一刷増刷と同時でないとしても平成21年(2009)中に掛けられたものと思われるのである。
 カバーの表側は明るい灰色で裏は白。
 カバー表紙、小口から2.0cmで揃えて横組みの銀文字、上部に明朝体太字で「蜘蛛の糸杜子春/芥川 龍之介」中央やや上に「kumo no ito toshisyun/ryunosuke akutagawa 」下部に「shincho bunko」。
 カバー背表紙、「蜘蛛の糸杜子春  芥川龍之介  [あ 1 3]新潮文庫\286」上部の標題と著者名は明朝体太字で②七十三刷よりも一回り大きく、下部はゴシック体で角切長方形の枠も銀、最下部の定価は横並び。
 カバー裏表紙、左上を白く抜いて(4.0×3.5cm)バーコード2つ、②七十三刷に同じ。中央左「定価本体286円(税別)」少し空けて「ISBN978-4-10-102503-2C0193 \286E」とあってこれは②七十六刷・八十刷のカバーに同じ。これ以外に裏表紙に文字はなく、横線もない。
 カバー表紙折返しは芥川氏の略伝のみで写真はない。「‥‥。'25(大正/14)年頃より体調がすぐれず、「唯ぼ/んやりした不安」のなか、薬物自殺。/‥‥*1」となっている他は②七十三刷に同じ。これは2013年8月23日付「芥川龍之介『地獄變』の文庫本(1)」で見た、新潮文庫1805『地獄変・偸盗』②八十八刷・八十九刷・九十六刷・九十七刷・百刷及び③百二刷改版、2015年8月2日付「芥川龍之介「河童」(3)」で見た、新潮文庫1808『河童・或阿呆の一生』②八十八刷・九十刷・九十三刷に同じ。2015年7月20日付「芥川龍之介『羅生門』の文庫本(17)」に引いた、新潮文庫1804『羅生門・鼻』のOnuki DESIGNの③八十三刷(平成二十六年六月十日・定価370円)とは字配りが異なる。
 カバー裏表紙折返しの上部には②七十三刷のカバー裏表紙右上にあるのと同じ紹介文があり、最下部左寄りに「カバー印刷 錦明印刷/デザイン Onuki DESIGN」、右下隅に濃い灰色の角切三角形の「新潮文庫」マーク。(以下続稿)

*1:ルビ「ただ」。