瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

筒井康隆『時をかける少女』(09)

・角川文庫3637(4)
 五十一版を見た。まずカバーについて、2月2日付(5)に示した六十二版のカバーのメモとも比較しつつ、記述して見る。
 カバー表紙、左上に青緑色の長方形に「時をかける少女 /   筒井康隆」標題は縦長の明朝体の斜体で薄い橙色、著者名はゴシック体白抜き。右下にゴシック体白抜き横組みで小さく「角川文庫」とある。桜の花や花弁(イラスト)の散る中に身体を捻って立つ童顔の少女は、原田知世であるが映画の一場面ではなく別箇に撮影したものらしい。確か、映画ではこんな服は着ていなかった。
 さて、本書のカバーについてはflow2005のブログ「筒井康隆氏についての… 」に帯とともに紹介されている。2006-11-06「『時かけ』ミニミニ特集 角川文庫その2」によると、このカバー表紙「原田知世と桜(写真/長濱治)」は主題歌ジャケットと同柄で、恐らく二十九版(昭和五十八年四月三十日二十九版発行)から掛けられ(裏表紙も同柄)、三十版(昭和五十八年五月三十日三十版発行)にて、裏表紙が原田氏のブレザー姿の写真になる。私の見た五十一版は裏表紙は白地で上部に「ISBN4-04-130510-1 C0193 \300E 定価300円」とあるのみである。これは2007-05-04「久々「時かけ」ミニ特集 『時をかける少女』(角川文庫 その3)」に拠ると、四十三版(昭和五十九年四月十日四十三版発行)にのみ「渦巻きと階段と原田知世(デザイン/市川信勝)」の「角川文庫イメージ・フォトコンテスト カバー」が掛けられ、その後、この裏表紙が白の「原田知世と桜(写真/長濱治)」になったようだ。この記事の最後にある「またもうひとりの「時をかける少女」が現れることになります。」と云うのが、2015年4月6日付(1)に貼付した、内田有紀のカバーなのであるが、まだflow2005氏は「もうひとり」については記事にしていない。
 カバー背表紙は珈琲色地で、文字は白抜き、上部に明朝体で標題、中央やや下に一回り小さい明朝体で著者名、下部にゴシック体で「角川文庫 緑 三〇五10300」とある。
 カバー表紙折返しの上部に明朝体横組みの紹介文があって、標題はゴシック体でやや大きい。

時をかける少女
 物置同然になった無人のはずの理科/実験室に誰かいる  ガチャーンとガ/ラスの割れる音が響いた。和子がうす/暗い部屋の中を見回わすと、試験管が/床に落ちて割れていた。中から液体が/こぼれ白い湯気のような甘い匂いが漂/い、急に和子の嗅覚を襲った。彼女は/そのまま、軽い貧血を起こして気を失/った。*1
 だが、意識が回復すると、不思議な/事件がたて続けに起こった。どうも、/あの匂いをかいだことがきっかけで、/彼女に特殊能力がそなわったらしい。*2
 少女が不思議な空想の世界を体験す/る会心の表題作、ほか2篇収録。*3


 これは六十二版のカバー裏表紙中央の紹介文(ゴシック体縦組み)に一致する。
 下部の広告は2013年9月13日付「角川文庫の「月刊カドカワ」の広告(1)」の、最下部右寄りにゴシック体横組みで「写真 長濱 治」とある。
 カバー裏表紙折返しは白地に横組みで、上部に「角川文庫筒井康隆作品集」1行めは若干小さい。以下明朝体で「幻 想 の 未 来/アフリカの爆弾/にぎやかな未来/わが良き狼(ウルフ)/ホンキイ・トンク/筒 井 順 慶/革命のふたつの夜/脱走と追跡のサンバ/日本列島七曲り/時をかける少女/緑 魔 の 町/筒井康隆全童話/ミラーマンの時間/農協 月へ行く/腹立半分日記/シナリオ時をかける少女/ウィークエンド・シャッフル」と17点。最下部左寄りに明朝体でごく小さく「カバー 暁美術印刷」、右下にKBマーク。(以下続稿)

*1:ルビ「にお・きゅうかく」。

*2:「あの匂い」に傍点「ヽ」。

*3:「体験」に傍点「ヽ」。