瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

山中恒『なんだかへんて子』(06)

 15刷(新選創作どうわ10)と20刷(山中恒みんなの童話3)のカバーを比較して見る。
 但し折返しについては、私の見た新選創作どうわ10(15刷)では切除されており、比較の対象がないので今回はメモを省略する。いづれ折返しを保存した本を見て補いたいと思う。
 さて、新選創作どうわ10のカバー表紙はネットの画像検索で複数ヒットするが、山中恒みんなの童話3のカバー表紙は何故か全くヒットしない。
 カバー表紙・裏表紙は赤地。
 カバー表紙、新選創作どうわ10は上部左寄りに、1頁のカラー口絵と同じ標題が黒で縁取りした白で「なんだか  /  へんて子」と示され、標題の葉池はかすかに白い。中央、右を頭に横向きになった、黄色いセーターに茶色の長ズボンのへんて子が肩や足で空を切って(白い曲線3本ずつで示される)重力に無関係に壁を駆け登る場面で、左側の足許がかすかに茶色い。へんて子の下、大口を開け大股を開き両手をW型に拡げ手も開いた主人公の少年、半袖Tシャツは淡い青緑、長ズボンは淡い群青色。下部右寄りに横長のゴシック体白抜き横組みで「山 中 恒 長尾 みのる」とある。
 山中恒みんなの童話3のカバー表紙・裏表紙のイラストは、5月29日付(01)に指摘したように、偕成社文庫2082『なんだか へんて子』の現行カバーに若干縮小されて引き継がれている。最上部左に丸みを帯びた太字で白抜きで「ママは おちこぼれ」とあり、その下に黒で縁取りされた黄色で「なんだか」とあり、その右に続けて青で縁取りされた水色で「へんて子」とあって「ん」と「へ」の半文字分低い。副題のように入っている「ママは おちこぼれ」は新たに山中恒みんなの童話を編成するに際して加えたもので、同じシリーズに収録される他の作品にも同様の副題らしきものが追加されている。標題の下に黒の明朝体で「山中 恒 長尾みのる」とある。
 カバー裏表紙、新選創作どうわ10は上部右寄りに3行、右揃えで

新選創作どうわ 定価780円
<小学2・3・4年向>
ISBN4-03-517100-X C8393 \780E

とあり*1、中央に太った主人公の母が、袖まくりした濃い桃色のセーターに、腰に白いエプロンを付け、緑褐色のスカートを穿いて、裸足で右から左へ風を切って(4本の白い筋で示す)走る姿が描かれる。足は殆ど180度に開脚し、下にかすかに黒い影が差す。
 山中恒みんなの童話3は、左上に

山中恒みんなの童話3  定価780円
ISBN4-03-517100-X C8393 \780E
<小学3・4・5年向>

とあり*2、中央部やや右上(遠景)に両手で箒を持って身構える主人公の母親、桃色の半袖に緑色のスカート、中央部やや左下(近景)にへんて子が黄色に朱色の斑点の服を着て、白い丸みを帯びた襟に胸元には紐状のリボンらしきもの、袖は、半袖なのか長袖を捲ったのか、二の腕に丸くなっている。桃色のスカートを自ら両手でまくり上げて白いもわもわした下着を見せる。――2人とも、ぽてっとしていた新選創作どうわ10に比してほっそりしている。
 カバー背表紙は白地。新選創作どうわ10は、上部にカバー表紙に似せた黒で縁取りした標題「なんだか」は赤、「へんて子」は青緑、淡くなっているが褪色かも知れない。標題のすぐ下に明朝体で「山 中  恒」とある。最下部にカバー表紙の主人公の胸から上、二の腕から内をカットとして乗せその下にゴシック体横並びで「偕成社」とある。
 山中恒みんなの童話3は表紙左上と同じ丸みを帯びた太字の赤で、角書きのように「ママは  /おちこぼれ」とあり、次いで青で縁取りした水色*3で「なんだか」赤で縁取りした桃色で「へんて子」とある。そして黒のゴシック体で「山中 恒」、新たに書き下ろされたと思しきへんて子の全身像、山吹色のセーターにくすんだ紺色のズボン、その下にゴシック体横並びで「偕成社」この文字は新選創作どうわ10よりも薄い。――以上が上から下まで殆ど隙間なしに並ぶ。(以下続稿)

*1:8月16日追記】カバーの掛かっていない11刷を見た。表紙と背表紙はカバーに同じ。裏表紙のイラストも同じだが文字は右上に「新選創作どうわ」のみ。

*2:8月16日追記】カバーの掛かっていない18刷を見た。表紙と背表紙はカバーに同じ。裏表紙のイラストも同じだが文字は「山中恒みんなの童話3」のみ。

*3:5月29日付(01)に指摘したように褪色する前は緑で縁取りした薄い緑色だったらしい。