瑣事加減

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山岸凉子『自選作品集』(06)

文春文庫ビジュアル版(6)
 『タイムスリップ』の表題作は、2015年5月23日付「山岸凉子『ゆうれい談』(1)」に取り上げたMF文庫『ゆうれい談』にも収録されている。そこで両者を比較して見た。
「タイムスリップ」
  文春文庫『タイムスリップ 自選作品集225〜265頁
  MF文庫『ゆうれい談』191〜230頁
・1頁め(頁付なし) 文春文庫225頁 MF文庫191頁
 同じイラストだがかなり質感が違う。MF文庫の方が立体的に見えるが、全体に暗い。文春文庫の方が千が綺麗に出ている。上部に横組み白抜きで標題を入れるのは同じだが、文春文庫は楷書体で「タイム・スリップ」とありMF文庫は「タイムスリップ」と少々歪んだやや小さい楷書体で入れる。
 ちなみに文春文庫のカバー表紙とカバー背表紙に「タイムスリップ」、カバー表紙折返しの紹介文に2箇所、1行めと6行めに「タイムスリップ」、1頁(頁付なし)扉には「タイムスリップ」、3頁(頁付なし)「目次」7行めにも「タイムスリップ」、264頁(MF文庫版229頁)5齣めにも「タイムスリップ」、265頁の最下部左にも「265 タイムスリップ・おわり」、その裏(頁付なし)の「初出誌一覧」7行めにも「タイムスリップ………COMICアレ! BRUTUS臨時増刊 1993年11月20日号」、その次の奥付にも「タイムスリップ」、5頁ある目録の最後「[文春文庫 最新刊]」13点17冊のうち7点め(下段1点め)にも「タイムスリップ」とあって、「タイム・スリップ」と「・」を打っているのは225頁の扉絵のみである。
 MF文庫には他にも、カバー裏表紙の紹介文6行めに「タイムスリップ」、2頁(頁付なし)「目次」下段6行めに「タイムスリップ」、奥付最上部にゴシック体で小さく入っている「(初出誌)」6行めにも「タイムスリップ 1993年COMICアレ!11月号」とあって*1、全て「タイムスリップ」である。
 なお、扉絵は文春文庫のカバー表紙と同じで書影は2015年5月19日付(1)に貼付した。MF文庫の1頁(頁付なし)扉にもアート紙にカラーで印刷されているが、色合いが異なる。
・扉裏(頁付なし)文春文庫226
 右下に右前肢を口に当てた狐が木の葉を前に「ケ〜ン」と鳴いている(吹出しナシ)カットがある。これは34頁め5コマめ下右にコマからはみ出していたものである。
・2頁め(頁付なし)文春文庫227頁 MF文庫192頁
 MF文庫は2頁めが扉の裏、偶数頁に位置しているが、文春文庫は奇数頁である。見開き頁がないので可能になった処理だが、かなり印象が違う。コマが基本線をはみ出して(切れて)いる場合、下部小口側の頁付が入っていないが頁の奇数・偶数が異なるので文春文庫・MF文庫の片方にあってもう一方にはない場合が少なくない。また、文春文庫には奇数頁に頁付がある場合「229 タイムスリップ」の如く標題を楷書体で添えるが、MF文庫は算用数字のみである。
・3頁め 文春文庫228頁 MF文庫193頁(頁付なし)
・4〜5頁め 文春文庫229〜230頁 MF文庫194〜195頁
・6頁め 文春文庫231頁(頁付なし) MF文庫196頁
・7頁め 文春文庫232頁 MF文庫197頁
・8頁め 文春文庫233頁 MF文庫198頁(頁付なし)
・9頁め(頁付なし)文春文庫234頁 MF文庫199頁
・10頁め 文春文庫235頁(頁付なし)MF文庫200頁
・11〜13頁め 文春文庫236〜238頁 MF文庫201〜203頁
・14頁め(頁付なし) 文春文庫239頁 MF文庫204頁
・15頁め 文春文庫240頁 MF文庫205頁(頁付なし)
・16〜18頁め(頁付なし)文春文庫241〜243頁 MF文庫205〜208頁
・19〜20頁め 文春文庫244〜245頁 MF文庫209〜210頁
・21頁め 文春文庫246頁 MF文庫211頁(頁付なし)
・22〜23頁め(頁付なし)文春文庫247〜248頁 MF文庫212〜213頁
・24頁め 文春文庫249頁(頁付なし) MF文庫214頁
・25〜26頁め(頁付なし)文春文庫249〜250頁 MF文庫215〜216頁
・27〜28頁め 文春文庫252〜253頁 MF文庫217〜218
・29頁め(頁付なし)文春文庫254頁 MF文庫219頁
・30頁め 文春文庫255頁 MF文庫220頁
・31頁め 文春文庫256頁 MF文庫221頁(頁付なし)
・32〜33頁め 文春文庫257〜258頁 MF文庫222〜223頁
・34頁め 文春文庫259頁 MF文庫224頁(頁付なし)
 5コマめ下辺の右にはみ出している狐は、文春文庫にのみある、扉裏のカットに使用されており、そこでは全身が載っていたのだが、ここでは、文春文庫は左前肢と左後肢の先が切れ、MF文庫は左前肢と左後肢は付け根が見える程度まで切れている。
・35〜40頁め 文春文庫260〜265頁 MF文庫225〜230頁
 MF文庫230頁下辺の下、ノド側にやや横長の明朝体太字で「ゆうれい談/おわり」とある。(以下続稿)

*1:MF文庫『ゆうれい談』の(初出誌)は、既に1月11日付「山岸凉子『ゆうれい談』(3)」に紹介した。