瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

山岸凉子『自選作品集』(07)

文春文庫ビジュアル版(7)
 前回の続きで、同じ『タイムスリップ』に収録される短篇「コスモス」をMF文庫版と比較して見た。
「コスモス」
  文春文庫『タイムスリップ 自選作品集49〜89頁
  MF文庫『パイド・パイパー』53〜93頁
・1頁め(頁付なし) 文春文庫49頁 MF文庫53頁
 初出時はカラー印刷であったと思われる扉絵で、左を向いた女性の顔を、顔の正面から描く。登場しない人物である。文春文庫には余白がなく人物のアップになって色も濃い。左下に楷書体太字縦組みで大きく「コスモス」とある。MF文庫は上と左に、初出時に文字が入っていたであろう余白があり、左上部に楷書体太字横組みで「コスモス」とある。
・2頁め(頁付なし)文春文庫50頁 MF文庫54頁
 右下にカット。文春文庫は90頁3コマめの電話台とその脇で正座して受話器を取るママの後ろ姿を縮小して載せる。MF文庫は81頁3コマめの枯れた梢のカットを枠(6.4×1.7cm)ごと同寸法で載せる。
・3〜8頁め 文春文庫51〜56頁 MF文庫55〜60頁
 基本線は文春文庫(13.0×8.7cm)MF文庫(13.3×8.9cm)とMF文庫は若干大きい。その分、下の余白を減らしてある。貴頁付はともに下部小口側にあるが、文春文庫の奇数頁には「51 コスモス」の如く題が示される。
・9頁め(頁付なし)文春文庫57頁 MF文庫61頁
 4・5コマめは下にはみ出して切れている。MF文庫では4コマめの皿の下の指が切れ、スカートは5コマめに僅かに見えるのみであるが、文春文庫では細かく襞のあるスカートであることが分かる。
・10〜15頁め 文春文庫58〜63頁 MF文庫62〜67頁
・16頁め 文春文庫64頁 MF文庫68頁
 1コマめが左に直線の枠があるのみで上下右ははみ出して切れている。
・17〜29頁め 文春文庫65〜77頁 MF文庫69〜81頁
・30頁め 文春文庫78頁 MF文庫82頁(頁付なし)
 4コマめ、左下の双郭の説明枠が基本線からはみ出ている。右に主人公の少年・山本裕太の見ているママの目が描かれたコマ中コマがはみ出して切れている。また下やや右に主人公の少年の身体がはみ出して、胸から下が切れている。
・31〜40頁め 文春文庫79〜88頁 MF文庫83〜92頁
・41頁め 文春文庫89頁 MF文庫93頁(頁付なし)
 文春文庫「89 コスモス・おわり」とある。MF文庫は頁付がなく楷書体でやや大きく「コスモス/おわり」とある。(以下続稿)