・新潮文庫1481『風の又三郎』(2)
昨日の続きで本体について。
1頁(頁付なし)扉。
3〜4頁(頁付なし)「目 次」、3頁は9行で見出しの他に8作品、4頁は4行で3作品、4行めは下寄せでやや小さく「解 説 巽 聖 歌」とあって頁数はない。
5頁(頁付なし)中扉「風 の 又 三 郎」。
7頁から本文。2015年8月27日付(07)に示した新潮文庫4191『新編 風の又三郎』とは、収録作品が全く異なる。昨日引いたカバー裏表紙右上の紹介文に「表題作」の他に挙がっていた「注文の多い料理店」は、2015年8月24日付「宮澤賢治『注文の多い料理店』(1)」で見たように、生前刊行の童話集『注文の多い料理店』を中心にして、新たに新潮文庫4193『注文の多い料理店』として纏められている。「セロ弾きのゴーシュ」は2015年8月30日付(10)で見たように新潮文庫4192『新編 銀河鉄道の夜』に収録されている。
この編成替えについては「新編」各冊に「年譜」に次いで「〈編集部注〉」として見開きの一覧表に「新潮文庫の宮沢賢治作品は、編集変えをいたしました。旧編と新編の異同は左の通りです。」と纏められている。これを参考に、本書収録作品と「新編」での落着き先を見て置こう。
注文の多い料理店*1 | 7〜19頁(13行め) | →新潮文庫4193 |
どんぐりと山猫 | 20〜32頁(9行め) | →新潮文庫4193 |
オッペルと象 | 33〜44頁(10行め) | →新潮文庫4192 |
祭の晩 | 45〜52頁(6行め) | →新潮文庫4191 |
風の又三郎 | 53〜114頁(5行め) | →新潮文庫4191 |
貝の火 | 115〜145頁(12行め) | →新潮文庫4191 |
なめとこ山の熊 | 146〜160頁(9行め) | →新潮文庫4193*2 |
カイロ団長 | 161〜179頁(16行め) | →新潮文庫4192 |
北守将軍と三人兄弟の医者 | 180〜201頁(10行め) | →新潮文庫4192 |
鹿踊のはじまり | 202〜216頁(13行め) | →新潮文庫4193 |
セロ弾きのゴーシュ*3 | 217〜242頁(2行め) | →新潮文庫4192 |
1頁16行、1行43字。題は4行取り5字下げ。
243頁、まず3行取り5字下げで大きく「解 説」とあり、次いで2字半下げでやや大きく「宮沢賢治の生涯と思想」とあり、1行分空けて2字半下げで「1、賢治への開眼」とあって(この頁の残り10行は本文)245頁8行めまで。巽聖歌(1905.2.12〜1973.4.24)が宮沢賢治を知った事情が述べてある。
1行分空けて3字下げ「2、少年時代」からが宮沢氏の伝記で、盛岡高等農林学校入学まで、247頁(15行め)まで。248頁はまず1行分空けて3字下げ「3、青年賢治の理想と苦闘」は252頁15行めまで。252頁7〜15行めは巽氏による短評。16行めに下寄せでやや大きく「巽 聖 歌 」とある。
1頁空白があってその裏に「新潮文庫 日本の作品」の目録、3段組で上段17点18冊、水上勉から武者小路実篤まで、中段17点17冊は武者小路実篤から森鴎外まで、下段17点17冊は森鴎外から柳田国男まで。本書は上段9点め、続いて「銀河鉄道の夜 宮 沢 賢 治/宮沢賢治詩集 草野心平編」とある。
次に匡郭(11.4×7.8cm)上部(0.9cm)を横線で仕切って「新潮文庫最新刊」、その下に9点11冊、縦組みで著者名、標題、1行20字で2行の紹介文、定価が並ぶ。
奥付、上部に上の横線(6.7cm)の太い「工」字型があって、左に空いたスペースに「新潮」印、右に空いたスペースに横組みで上部に標題*4、下部に「定 価240円」、縦線(2.5cm)は上下の横線との間が若干空く。この型の下すぐに横組みで「新潮文庫 草92A」とある。その下は縦組みで、右に小さく「昭和三十六年 七 月二十五日 発 行/昭和五十六年 四 月二十五日 三十八刷」、2行分空けて「著 者」*5、「発行者」、「発行所」郵便番号3桁、「電話〈業務部(〇三)(二六六)五一一一/編集部(〇三)(二六六)五四二一〉」、「振替東京四―八〇八番」、1行分空けて「乱丁・落丁本は、ご面倒ですが小社通信係宛ご送付/ください。送料小社負担にてお取替えいたします。」とある。これらの下に太い横線があり、その下は横組み中央寄せで「○ 印刷・株式会社三秀舎 製本・加藤製本株式会社/© Seiroku Miyazawa 1961 Printed in Japan」○の中は「金」。(以下続稿)