瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

宮澤賢治『注文の多い料理店』(4)

・角川文庫924(3)
 昨日の続き。
飯野和好のカバー(2)
【改版四十五版】昭和三十一年五月二十日初版発行・昭和四十四年三月三十日十四版発行・平成元年六月十日改版四十五版発行(201頁)定価340円
【改版五十版】昭和三十一年五月二十日初版発行・昭和四十四年三月三十日十四版発行・平成二年六月二十日改版五十版発行(201頁)定価301円
【改版五十五版】昭和三十一年五月二十日初版発行・昭和四十四年三月三十日十四版発行・平成四年六月十日改版五十五版発行(201頁)定価340円*1
【改版五十八版】昭和三十一年五月二十日初版発行・昭和四十四年三月三十日十四版発行・平成五年六月二十日改版五十八版発行(201頁)定価340円*2
 飯野氏のカバーは改訂新版が出る以前から掛かっていた。同じ絵が使用されているがレイアウトが異なる。今のところ上記2冊を見ている(後日見たものをここにリストとして追加して行く予定なので今後増えるはずだけれども、投稿当初は追加日を注記しない2冊のみであった)。
 しかしながら私の見た2冊は、定価表示から察せられるように、改版五十版に掛かっているカバーの方が古く、改版四十五版に掛かっているカバーが新しい。返本されたものをカバーを掛け替えて再出荷することがあったらしいのだが、この辺りの事情はまだよく調べていない。
 とにかく本体に合わせて改版四十五版→改版五十版の順で紹介すると却って混乱すると思われるので、本体とは順序を変えて紹介して行くことにする。
 カバー表紙は同じ。改訂新版との異同は、改訂新版は地色が黄みがかったクリーム色で、赤い細線の枠(14.2×9.7cm)の上部に木版のようにかすれた赤茶色で標題、横組みだけれども上下にズレており、漢字はゴシック体太字だが平仮名は版画風になっている。絵は周囲を切らずに全て載せているおり、絵の上部にゴシック体白抜き横組みで著者名、下部にゴシック体白抜き横組みで小さく「角川文庫」。改版は太い赤線(幅1.5mm)の枠(13.4×9.2cm)があって上部の鶸色地に横組みで、茶色の縦長の丸ゴシック体の標題、その下に紺色のゴシック体で著者名。その下には白枠(10.6×9.0cm)があり、飯野氏の絵が改訂新版よりも拡大されて、周囲を切って収めてある*3。ゴシック体白抜き横組みの「角川文庫」は絵の右下に小さく入っている。
 カバー背表紙、地色は黄みがかったクリーム色で、最上部にゴシック体でやや小さく「み|1-1 」とあって秀英初号明朝で大きく標題、中央やや下に著者名、最下部にゴシック体でやや小さく「角川文庫」●にゴシック体白抜き「P」があってすぐ下に改版五十版「310」改版四十五版「350*4
 カバー裏表紙折返しは一致。横組みで、上部に「角川文庫宮沢賢治作品集」1行分空けて「注文の多い料理店セロ弾きのゴーシュ銀河鉄道の夜宮沢賢治詩集/風 の 又 三 郎」とある。最下部左に明朝体で小さく「カバー 暁美術印刷」、右下にKBマーク*5
 カバー表紙折返し、改版五十版の上部の横組みの紹介文は、次回紹介する予定の、飯野氏のカバーに改装される前の丸木俊のカバーにあったとものと同文だが、一回り大きな活字で組み直されている。下部の広告は2013年3月5日付「角川文庫の「野性時代」の広告(1)」の、最下部右寄せでゴシック体「カバー 飯野和好*6
 改版四十五版、上部右に顔写真がありその下に縦組みの紹介文、これは2015年7月18日付「宮澤賢治の文庫本(03)」に紹介した角川文庫1631『セロ弾きのゴーシュ』改版五十四版と一致。最下部右寄せ、改版四十五版と同じ位置にゴシック体「カバー 飯野和好」とある*7。これは今手許にある「角川文庫宮沢賢治作品集」では、角川文庫1631『セロ弾きのゴーシュ』改版四十八版、角川文庫1735『銀河鉄道の夜』改版六十七版・改版七十五版・改版七十八版*8とも一致する。
 カバー裏表紙は白地で、改版五十版は丸木氏のカバーと同様に最上部に1行、ISBNコードとCコードに続いて「 P310E 定価310円」とあり、定価のすぐ下に「(本体301円)」と添えてある。改版四十五版は左上にバーコード2つ、1つめ「9784041040010」は改訂新版に同じ、2つめ「1910193003506」。右上の1行めISBNコード10桁も同じ位置で、2行め「C0193 P350E 定価350円」定価の下に「(本体340円)」と添えてある*9。中央にゴシック体縦組みの紹介文があるのは改訂新版に同じだが、文章は改訂新版に際して改めたもので部分的に合致するのみである。改版四十五版では丸木氏のカバー及び改版五十版のカバー表紙折返し上部にあったものを、最後を体言止めに改めて使用している。

すでに新しい古典として定着し、/賢治自身がもっとも自信に満ち/て編集した童話集初版本の復刻/版であり、文庫本で可能な限り、/当時の挿絵等を復元した。表題/作の他、「どんぐりと山猫」「狼森/と笊森、盗森」「烏の北斗七星」「水/仙月の四日」「山男の四月」「かし/わばやしの夜」「月夜のでんしん/ばしら」「鹿踊りのはじまり」を/収録。


 読点はぶら下げ。(以下続稿)

*1:2017年2月24日追加。

*2:2017年11月12日追加。

*3:改訂新版の著者名が入っている辺りは切れており、「角川文庫」の入っているあたりも半ば切れている。その分、主題となる人物や建物は改訂新版よりも拡大されている。

*4:2017年2月24日追記】改版五十五版も同じ。【2017年11月12日追記】改版五十八版も同じ。

*5:2017年2月24日追記】改版五十五版も同じ。【2017年11月12日追記】改版五十五版も同じ。

*6:2017年2月24日追記】改版五十五版も同じ。

*7:2017年11月12日追記】改版五十八版も同じ。

*8:私の見たこの3冊のカバーは完全に一致する。

*9:2017年2月24日追記】改版五十五版も同じ、紹介文はカバー表紙折返しにあるので以下は余白になっている。【2017年11月12日追記】改版五十八版は改版四十五版に同じ。