瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

宮澤賢治の文庫本(19)

・角川文庫1631『セロ弾きのゴーシュ』(6)
 飯野和好のカバー表紙は、2015年7月16日付(01)に改訂新版の書影を貼付して置いたが、実はそれ以前にも同じ絵を使用したカバーが掛かっていた。
【改版三十九版】昭和三十二年十一月十五日初版発行・昭和四十二年四月五日十版発行・昭和六十三年九月三十日改版三十九版発行(281頁)定価379円*1
【改版四十七版】昭和三十二年十一月十五日初版発行・昭和四十二年四月五日十版発行・平成三年六月十日改版四十七版発行(281頁)定価417円*2
【改版四十八版】昭和三十二年十一月十五日初版発行・昭和四十二年四月五日十版発行・平成三年七月三十日改版四十八版発行(281頁)定価417円
【改版五十版】昭和三十二年十一月十五日初版発行・昭和四十二年四月五日十版発行・平成五年五月二十日改版五十版発行(281頁)定価417円
 すなわち、丸木俊のカバー(改版二十六版)とアニメ映画公開に伴って『セロ弾きのゴーシュグスコーブドリの伝記』と題されたカバー(改版五十三版・改版五十四版)の間に位置することになる。
 同じ飯野氏の改訂新版のカバーとの関係であるが、7月24日付「宮澤賢治『注文の多い料理店』(4)」に見た角川文庫924『注文の多い料理店』の改版四十五版・改版五十版と改訂新版のカバー表紙に同じ。本書についても改訂新版と比較しつつメモして置くこととする。
 なお、カバー表紙折返し及び裏表紙を見るに、改訂四十八版に掛かっているカバーは、改版五十版に掛かっているカバーよりも新しいものと判断される。そこでここでは改版五十版・改版四十八版の順に記述することにする。
 カバー背表紙、改版五十版は微かに肌色地、改版四十八版は白地で、ともに褪色しているものと思われる。最上部に「み|1-2」少し空けて秀英初号明朝で標題、中央やや下にやや小さく著者名*3、最下部にゴシック体で「角川文庫●430」●に白抜き「P」*4。改訂新版はやはり褪色して微かに黄色地、異同は最下部が「「角川文庫 520」と変わっていること。
 カバー表紙の改訂新版との異同は、改訂新版は地色が黄みがかったクリーム色で、緑色の細線の枠(14.2×9.7cm)の上部に木版のようにかすれた緑色で標題、横組みだけれども上下にズレており、漢字はゴシック体太字だが平仮名・片仮名は版画風になっている。絵は周囲を切らずに全て載せているおり、絵の上部にゴシック体白抜き横組みで著者名、下部にゴシック体白抜き横組みで小さく「角川文庫」。改版は灰色の太線(幅1.5mm)の枠(13.4×9.2cm)があって上部の鶸色地に横組みで、茶色の縦長の丸ゴシック体の標題、その下に紺色のゴシック体で著者名。その下には白枠(10.6×9.0cm)があり、飯野氏の絵が改訂新版よりも拡大されて、周囲を切って収めてある*5。背景は改訂新版では茶色っぽいのに対し、こちらは灰色っぽい。ゴシック体白抜き横組みの「角川文庫」は絵の右下に小さく入っている。
 カバー裏表紙、改版四十八版は2015年7月17日付(02)に見た改版五十三版・改版五十四版に同じ。中央にゴシック体縦組みの紹介文はあるが、改版五十版にはない。上部(バーコード2つ、ISBNコード・Cコードに定価表示)は一致*6
 改訂新版はバーコード1つめ「9784041040027」と右上1行め「ISBN4-04-104002-7」は一致、バーコード2つめは「1910193005203」、右上2行め「C0193 P520E 定価520円」定価の下にやや小さいゴシック体で「(本体505円)」と添える。中央のゴシック体縦組みの紹介文は改訂新版(再版)に同じ。
 カバー表紙折返し、改版五十版は全て横組みで、最上部にゴシック体で「セロ弾きのゴーシュ」とあって半行分空けて明朝体で、

 才能のない未熟な少年芸術家が、/必死になってセロを励んでいると、/夜ごと動物たちが訪れ、天啓のよう/に芸術に開眼するという感動的な童/話「セロ弾きのゴーシュ」以下11篇を/おさめた。「オッペルと象」「北守将軍/と三人兄弟の医者」「グスコーブドリ/の伝記」それぞれ詩であり、寓話で/あり、大人の読む童話である。

とあり、改版二十六版と同じ位置だが一回り大きい。最下部右寄せでゴシック体「カバー 飯野和好」とある*7
 改版四十八版、最上部右に顔写真と中央やや上の明朝体縦組みの著者紹介文は改版五十三版・改版五十四版に同じ。最下部右寄せでゴシック体で1行「カバーイラスト飯野和好」とある*8。改訂新版は改訂新版(再版)に同じ。
 カバー裏表紙折返しは横組み、改版五十版と改版四十八版は最上部にゴシック体で「角川文庫宮沢賢治作品集」とあって1行分空けて明朝体で5点「注文の多い料理店セロ弾きのゴーシュ銀河鉄道の夜宮沢賢治詩集/風 の 又 三 郎」とあり、最下部左に明朝体で小さく「カバー 暁美術印刷」とあるのは同じだが、改版四十八には右下隅にKBマークがあるのに対し、改版五十版にはKBマークがない*9。改訂新版は「角川文庫宮沢賢治作品集」とあって1行分空けて明朝体で9点「注文の多い料理店セロ弾きのゴーシュ銀河鉄道の夜宮沢賢治詩集/風 の 又 三 郎/まなづるとダアリヤ/イーハトーボ農学校の春/インドラの網/ビジテリアン大祭」とあり、最下部左に明朝体で小さく「カバー 暁印刷」、右下にKBマークがある。(以下続稿)

*1:10月3日追加。

*2:2017年1月31日追加。

*3:10月3日追記】改版三十九版は著者名の下にゴシック体でごく小さく「 緑/40-2」数字とハイフンは横並び。改版四十八版・改版五十版と並べているが、これの地色も裏表紙の白地と同じに見える。【2017年2月24日追記】改版四十七版の地色は白だが褪色しているらしい。

*4:10月3日追記】改版三十九版の数字は「390」。

*5:改訂新版の著者名が入っている辺りと「角川文庫」の入っている辺りは切れており、その分、主題となる人物やは拡大されている。

*6:10月3日追記】改版三十九版は最上部に1行「ISBN4-04-104002-7 C0193 P390E 定価390円」定価の下に「(本体379円)」と添える。以下は余白。【2017年2月24日追記】改版四十七版は改版五十三版・改版五十四版に同じ。

*7:10月3日追記】改版三十九版は、改版五十版の下部の余白になっているところには2013年3月5日付「角川文庫の「野性時代」の広告(1)」のが入っている他は、改版五十版に同じ。

*8:2017年2月24日追記】改版四十七版の顔写真と著者紹介文も同じだが、最下部右寄せにはゴシック体で「カバー 飯野和好」とある。

*9:切除されている訳でもなくほぼ完全に存していると思われるが、白くて何も刷られていない。【10月3日追記】改版三十九版は5点めが「改編風の又三郎」で、KBマークはある。他は同じ。【2017年2月24日追記】改版四十七版は改訂四十八版に同じ。