瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

加太こうじ『紙芝居昭和史』(7)

 図版について。
 既に述べたように、章題の下に単行本・岩波現代文庫版にはカットがあるが、旺文社文庫版は省略されている。
 同じ図版であることは「=」で繋げることで示した。岩波現代文庫版は単行本の図版をそのまま流用しているので、単行本の直後に( )で括って示した。旺文社文庫版は同じ図版でも大きさが違うなど完全に一致していないことが多いので、異同を「※」で注記した。
 キャプションは図版の下に横組みで入っているが、旺文社文庫版は若干右に縦組みで入っている。
 加太氏が本書のために新たに描いたと思しきものを「イラスト」としたが、困ったのは紙芝居を紹介したところである。現物の「写真」なのか加太氏が回想して「イラスト」に描いたものなのか。彩色画らしくて周囲が方形に切れているものを一応、紙芝居の「写真」であると判断した。疑問のある方は原本に就いて見られたい。それから漫画等の写真版でない線画凸版によるものは「図版」とした。
 順序は本文のどこに挿入されているかで定めた。
 
・イラスト「写し絵」(図の上部に「寄席の写し絵」)単行本14頁上(=岩波現代文庫版4頁上)→描直し、旺文社文庫版15頁、キャプションなし、上部に「寄席の写し絵」
・イラスト「紙人形の芝居――のちに立絵という」単行本17頁上(=「紙人形の芝居.のちに立絵という」岩波現代文庫版7頁上)→描直し、旺文社文庫版17頁、キャプションなし  ※ 旺文社文庫版のイラストは加太こうじ『下町の民俗学』(昭和五十五年八月三十一日第一刷発行・定価1200円・PHP研究所・233頁・四六判上製本)21頁左下に縮小転載、キャプション「立絵紙芝居(著者画)」。
・イラスト「立絵の演技者」単行本19頁左上(=岩波現代文庫版10頁右上)
・写真「立絵を演じる鈴木勝丸(昭和48年,NHKテレビ出演)」旺文社文庫版21頁上
・写真「おしよせる不況の波(鐘紡争議・昭和5年)」旺文社文庫版24頁上
・イラスト「紙芝居がきた」単行本24頁上(=岩波現代文庫版15頁上)
・写真「当時の加太こうじがいた借家――昭和46年撮影」単行本27頁上(=「当時の加太こうじがいた借家(昭和46年撮影)」岩波現代文庫版19頁上)=「当時加太こうじがいた借家(昭和46年撮影)」旺文社文庫版27頁上  ※ 旺文社文庫版は左右が若干広く下が少し切れている。
・イラスト(キャプションなし、電灯の下で絵を描く少年)単行本30頁上(=岩波現代文庫版21頁上)
・イラスト黒バットを倒す黄金バット」単行本35頁上(=岩波現代文庫版28頁上)  ※『下町の民俗学』24頁右下には、写真「黄金バット」が載る。ナゾーの手下が黄金バットに蹴飛ばされる場面。
・写真「戦後の鈴木一郎」単行本36頁右上(=岩波現代文庫版29頁左上)
・写真「東京の裏町,紙芝居風景(昭和8年頃)」旺文社文庫版41頁上
・写真満州事変」旺文社文庫版49頁上
・写真鈴木勝丸」単行本49頁左上(=岩波現代文庫版44頁右上)
・写真「レコードとして売り出された紙芝居」単行本51頁上(=岩波現代文庫版46頁上)=「レコード紙芝居『祖国を護れ』(島廼家〈鈴木〉勝丸口演)」旺文社文庫版51頁上
・写真「映画『バグダッドの盗賊』――モンゴールの王子」単行本54頁上(=「映画『バグダッドの盗賊』 モンゴールの王子」岩波現代文庫版49頁上)
・写真「四本煙突の見える風景」単行本57頁上(=岩波現代文庫版52頁上)=「東電火力発電所のお化け煙突」旺文社文庫版57頁上  ※ 旺文社文庫版は右が広い。
・イラスト「『ダブロット』」単行本59頁上(=岩波現代文庫版55頁上)=「紙芝居『ダブロット』」旺文社文庫版59頁上、キャプション縦組み
・写真「パーロホンレコード『黄金バット――怪タンク編』に添付さ/れた小型紙芝居の一枚。(原作鈴木一郎、解説林南風とあり、/絵は永松武雄のオリジナル――昭和7年」縦組み、旺文社文庫版65頁上
・イラスト「紙芝居の絵原稿」単行本65頁上(=岩波現代文庫版61頁上)
・写真永松武雄」単行本69頁左上(=岩波現代文庫版67頁左上)
・写真伊藤大輔脚本監督『新版大岡政談』大河内の左膳と伏見直江のお藤」単行本72頁上(=岩波現代文庫版69頁)
・写真大河内伝次郎扮するところの丹下左膳旺文社文庫版73頁上、キャプション縦組み
・写真「南喜一」単行本77頁左上(=岩波現代文庫版75頁左上)
・写真「松井光義」単行本82頁右上(=岩波現代文庫版80頁右上)
・写真「『少年タイガー』」単行本84頁上(=岩波現代文庫版83頁上)
・写真「紙芝居『ハカバキタロー』」旺文社文庫版85頁上、キャプション縦組み
・写真「『ハカバキタロー』」単行本86頁上(=岩波現代文庫版85頁上)
・写真「『ガムちゃん』」単行本89頁上(=岩波現代文庫版89頁上)  ※単行本及び岩波現代文庫版のカラー口絵の「ガムちゃん」の2つめに同じ。
・写真「昭和初期銀座の女性風俗(“モガ”)」旺文社文庫版89頁上
・写真「晩年の大塚辰次郎」単行本94頁右上(=岩波現代文庫版95頁左上)
・イラスト「『天誅蜘蛛』」単行本97頁上(=岩波現代文庫版98頁上)=「紙芝居『天誅蜘蛛』」旺文社文庫版97頁上、キャプション縦組み
・写真「当時の加太こうじ」単行本101頁左上(=岩波現代文庫版103頁左上)=「加太こうじ二十歳」旺文社文庫版101頁上  ※ 単行本(=岩波現代文庫版)は顔の部分のみを切り取る
・イラスト「『猫娘』」単行本110頁上(=岩波現代文庫版113頁上)
・イラスト三河島,画劇会社付近(現荒川区荒川)」単行本118頁上(=「三河島,画劇会社付近(現荒川区荒川)」岩波現代文庫版122頁上)=「京成町屋近く画劇会社付近」旺文社文庫版117頁上  ※ 旺文社文庫版は上下左右がやや広い。
・写真「画劇会社の人たち――前列左端山川惣治,右端鈴木勝丸,二人目松井光義,中央上伊藤正美」単行本124頁上(=「画劇会社の人たち.前列左端山川惣治,右端鈴木勝丸,二人目松井/光義,中央上伊藤正美」岩波現代文庫版128頁上)=「画劇会社の人たち(前列左端山川惣治,右端鈴/木勝丸,二人目松井光義,中央上伊藤正美)」旺文社文庫版121頁上  ※ 旺文社文庫版は上と左右が広く下は切れている。
・イラスト「喫茶店“ミチル”のある風景」旺文社文庫版123頁上
・写真「岡冨栄像(田中潮・絵)」単行本132頁右上(=岩波現代文庫版138頁右上)  ※ 岩波現代文庫版は括弧半角。
・写真「紙芝居を使って宣撫工作する岡冨栄(左上)」単行本137頁上(=岩波現代文庫版143頁上)=「紙芝居を使って宣撫工作する岡冨栄」旺文社文庫版131頁上  ※ 旺文社文庫版は上が僅かに切れているが左右と下は広い。
・写真日中戦争」単行本142頁上(=岩波現代文庫版149頁上)
・写真山川惣治」単行本146頁右上(=岩波現代文庫版153頁左上)
・写真「昭和14,5年の加太こうじ」単行本149頁左上(=岩波現代文庫版157頁左上)
・イラスト「『赤マント』」単行本152頁上(=岩波現代文庫版159頁上)=「紙芝居『赤マント』」旺文社文庫版149頁上  ※ 旺文社文庫版は上下が切れる。
・写真「大鹿照雄」単行本158頁右上(=岩波現代文庫版167頁左上)
・写真「童画家クラブの新年会――中央,永松(撮影・山川惣治)」単行本164頁上(=「童画家クラブの新年会.中央,永松(撮影・山川惣治)」岩波現代文庫版174頁上)=「童画家クラブの新年会(中央,永松――撮影・山川惣治)」旺文社文庫版161頁上  ※ 旺文社文庫版では上下左右が広い。単行本・岩波現代文庫版では右端の1人が収まっていない。
・写真「銀座通りで――高橋鈴江と加太」単行本169頁上(=「銀座通りで.高橋鈴江と加太」岩波現代文庫版180頁上)=「銀座通りで(高橋鈴江と加太)」旺文社文庫版159頁上  ※ 旺文社文庫版は上と右が広く、左と下が狭い。また収録の順序も前後する。
・写真「相馬泰三」単行本172頁右上(=岩波現代文庫版184頁右上)=旺文社文庫版171頁左上  ※ 旺文社文庫版は上下左右が広い。
・写真「画劇会社の人々――前列左から山川惣治の父,竹内寛行,大河内健次郎,春山宇太郎,右端,平木政夫,後列左から竹泉平三九,一人おいて隅本白柳,一段さがって小貫武雄」単行本175頁上(=「画劇会社の人々.前列左から山川惣治の父,竹内寛行,大河内健次/郎,春山宇太郎,右端,平木政夫,後列左から竹泉平三九,一人お/いて隅本白柳,一段さがって小貫武雄」岩波現代文庫版187頁上)=「画劇会社の人びと(前列左から山川惣治の父竹内寛行,大/河内健次郎,春山宇太郎,右端平木政夫,後列左から竹泉/平三九,一人おいて隅本白柳,一段さがって小貫武雄)」旺文社文庫版173頁上  ※ 旺文社文庫版は上下左右に広い。単行本・岩波現代文庫版では左に立っている2人が収まっていない。山川惣治(1908.2.28〜1992.12.17)の父が竹内寛行(1907〜1995)であるかのようになっているが単行本・岩波現代文庫版のように切るべき。
・写真満州のとある街角にて」旺文社文庫版175頁上
・写真「昭和20年2月,横浜グランド・ホテル前にて(左から相馬/千恵子,一人おいて山根寿子,加太,右端,桑野道子)」旺文社文庫版179頁上
・写真東京大空襲」単行本184頁上(=岩波現代文庫版198頁上)
・写真「空襲の後(昭和20年5月・東京)」旺文社文庫版183頁上
・写真終戦――昭和20年8月15日)」旺文社文庫版184頁上
・写真「戦後の紙芝居――葛飾組合,浅井清治」単行本188頁上(=「戦後の紙芝居.葛飾組合,浅井清治」岩波現代文庫版202頁上)=「戦後の紙芝居スタイル(葛飾組合,浅井清治)」旺文社文庫版291頁上  ※ 旺文社文庫版は「付録」に挿入、上下左右が広い。
・写真ヤミ市(昭和21年・浅草中見世通り)」旺文社文庫版187頁上
・写真「雑誌『紙芝居』 日本紙芝居協会発行」単行本190頁上(=岩波現代文庫版205頁上)
・写真「雑誌『紙芝居』(日本紙芝居協会発行)」旺文社文庫版189頁上  ※ 単行本・岩波現代文庫版は3冊、旺文社文庫版は1冊増やして並び替えて4冊を写す。
・写真「新日本画劇社主,雄谷信乃武と雄谷滋」単行本195頁(=岩波現代文庫版210頁)
・写真「G  H  Q」旺文社文庫版197頁上
・写真「『少年タイガー』」単行本200頁右上(=岩波現代文庫版215頁左上)
・写真「民主紙芝居集団――中央,稲庭けい子,前列右,斎藤正行」単行本204頁(=「民主紙芝居集団.中央,稲庭けい子,前列右,斎藤正行」岩波現代文庫版220頁上)=「民主紙芝居集団(中央稲庭けい子,前列右斎藤正行)」旺文社文庫版201頁上  ※ 旺文社文庫版は左右が広い。上下も僅かに広い。
・図版山川惣治『少年王者』」旺文社文庫版207頁上、キャプション縦組み
・イラスト「『黄金バット』四態」単行本210頁上(=岩波現代文庫版227頁上)  ※ 画中に縦書きで説明を記入、右から「終戦直後/笑う/仏像の/ような/顔」「昭和五年から十年頃/までの/最初のスタイル」「昭和四十年代/テレビのスタイル」「雜誌『少年画報』/などの戦後のスタイル」。
・写真イラスト「『黄金バット』四態/a昭和5〜10年頃の最初のスタイル/b終戦直後、笑う仏像のような顔/c戦後、雑誌発表の永松によるスタイル/d昭和40年代、テレビのスタイル」旺文社文庫版209頁  ※ アルファベットは○で囲う。aは写真、bとdはイラストで単行本・岩波現代文庫版より簡略。cは写真で「冒険活劇文庫」の表紙。
・写真手塚治虫」単行本212頁右上(=岩波現代文庫版229頁左上)
・図版手塚治虫新宝島』」旺文社文庫版211頁上、キャプション縦組み
・写真伊藤和子」単行本216頁右上(=岩波現代文庫版234頁右上)=旺文社文庫版217頁上  ※ 岩波現代文庫版は左目尻に穴が出来てそこから蜘蛛の巣状に罅割れているが、単行本は無傷である。岩波現代文庫版製版時の破損であろうか。もし再版の機会があるならこれは差し替えるべきである。旺文社文庫版は上下左右に広い。なお、旺文社文庫版との比較で単行本・岩波現代文庫版では右目の瞳を▼の形に描き入れていることが分かる。
・写真月の家円鏡」単行本223頁左上(=岩波現代文庫版242頁右上)
・写真「"共同(カタコウ)三羽烏"(右から志水正義,一人おいて/小寺国松,森正夫)帽子をかぶっているのは小山良雄」旺文社文庫版225頁上
・写真「小寺国松」単行本225頁左上(=岩波現代文庫版244頁右上)
・写真「昭和24年、皇居前メーデ/ーに参加した加太こうじ旺文社文庫版227頁、キャプション縦組み
・写真「昭和24年皇居前メーデー」単行本228頁上(=岩波現代文庫版248頁)
・図版武内つなよし赤胴鈴之助』」旺文社文庫版237頁左上
・図版「『赤胴鈴之助』」単行本237頁左上(=岩波現代文庫版258頁右上)
・写真「映画『太陽のない街』撮影所見学――左上ベレー帽,白土三平,/右上端,加太,中央,原保美」単行本241頁上(=「映画『太陽のない街』撮影所見学.左上ベレー帽,白土三平,/右上端,加太,中央,原保美」岩波現代文庫版263頁上)=「映画『太陽のない街』撮影所見学(左上ベレ/ー帽白土三平,右上端加太,中央原保美)」旺文社文庫版243頁上  ※ 単行本のキャプション二重鍵括弧半角。旺文社文庫版は上下左右が広く、左に前列1名、右に前列1名、中列1名、後列2名が単行本・岩波現代文庫版では切れて収まっていないことが分かる。従って旺文社文庫版では加太氏は「右上端」ではない。
・写真「正木 純(一夫)」単行本246頁右上(=岩波現代文庫版269頁左上)
・写真「練尾萬寿治」単行本248頁右上(=岩波現代文庫版270頁右上)
・写真宇野浩二」単行本250頁右上(=岩波現代文庫版273頁上中)
・写真広津和郎」単行本250頁左上(=岩波現代文庫版273頁左上)
・写真松田春翠」単行本254頁右上(=岩波現代文庫版277頁左上)
・写真水木しげる」単行本257頁左上(=岩波現代文庫版282頁右上)
・図版水木しげる墓場鬼太郎』」旺文社文庫版259頁上、キャプション縦組み
・写真「水木の鬼太郎」単行本259頁左上(=岩波現代文庫版283頁左上)
・写真鶴見俊輔」単行本261頁左上(=岩波現代文庫版285頁左上)
・写真白土三平」単行本263頁左上(=岩波現代文庫版287頁左上)
・図版白土三平忍者武芸帳』」旺文社文庫版265頁上
・図版小島剛夕『おぼろ殺法』」旺文社文庫版267頁上
・写真小島剛夕」単行本268頁右上(=岩波現代文庫版293頁左上)
・写真「『ライオンマン』」単行本271頁上(=岩波現代文庫版297頁上)
・写真「最後の紙芝居・森下正夫(昭和48年頃)」旺文社文庫版271頁上
・写真「最近の松井光義」単行本273頁左上(=岩波現代文庫版299頁左上)
・写真「『ひとくわぼり』」単行本275頁上(=岩波現代文庫版302頁上)  ※ 岩波現代文庫版は随分ぼやけている。4枚を並べて示す。
・写真上野英信原作,加太こうじ脚色画『ひとくわぼり』」旺文社文庫版275頁上  ※ 単行本・岩波現代文庫版の左上の1枚。
・写真「紙芝居の絵を描く加太こうじ昭和35年春)」旺文社文庫版279頁  ※ 「マンガ ゴクウ」の「7」。
・イラスト(無題、4齣)旺文社文庫版293頁左
・イラスト(無題 上下)旺文社文庫版296頁
・写真「引抜きの実際例」旺文社文庫版299頁  ※ 図版は「黄金バット」の1場面、説明文abc(アルファベットは○で囲う)あり。

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 今回投稿分は2014年2月28日から4月8日に掛けて準備したものを、殆ど手を入れずに使用した。もっと内容について記述するべきかとも思うが、差当り対応関係を示すだけでも意味があるであろう。*1(以下続稿)

*1:【2019年11月7日追記】衍字「は」を見せ消ちにした。