昨日の続き。なお、当初、改訂二十四版を比較の対象としていたが改訂新版を見たので差し替えた。
【改訂新版】平成八年六月二十五日改訂新版発行(234頁)定価420円
昨日の分についても改訂二十四版を改訂新版に差し替えた。
・角川文庫924(5)
本文は改版四十五版1頁18行・1行42字、改版初版1頁15行・1行35字、改訂新版1頁16行・1行38字。
ここで改版四十五版151〜185頁・改版初版188〜235頁・改訂新版176〜220頁「解 説」について先に見て置く。最初の頁の1行め、1字下げで大きく3行取り「解 説」、2行めは3字下げでやや大きく「兄、宮沢賢治の生涯」振仮名は改版四十五版「あに・みやざわけんじ・しようがい」改版初版「しようがい」とあるが改訂新版にはない。3行めは下詰め2行取りで「宮 沢 清 六 」とある。
節の見出しは最初の段落の頭に、ゴシック体1字下げで示し、1字分空けて明朝体で本文。挿入図版の下に明朝体横組みで小さくキャプション。ここでは節及び挿入図版の位置を整理して置く。
幼少のころ*1 改版四十五版151頁4行め・改版初版188頁4行め・改訂新版176頁4行め
・「賢治(6歳ごろ)とトシ」改版四十五版152頁右上(11行×25字分)・改版初版190頁(9行×21字分)・改訂新版177頁左上(11行×23字分)
中学・高等農林学校時代*2 改版四十五版153頁5行め・改版初版190頁14行め・改訂新版178頁10行め
・「盛岡中学1年当時(前列左,賢治)」改版四十五版153頁下(23字分)・改版初版191頁下(19字分)・改訂新版179頁下(20字分)
・「盛岡高農入学当時(大正4年)」改版四十五版154頁右上(9行×23字分)・改版初版192頁右上(7行×18字分)・改訂新版180頁右上(8行×20字分)
童話と詩と*3 改版四十五版155頁11行め・改版初版193頁14行め・改訂新版181頁5行め
・「花巻農学校教員当時/(大正10〜15年ごろ)」改版四十五版156頁右上(9行×26字分)・改版初版195頁左上(7行×21字分)・改訂新版182頁(8行×23字分)
農村活動とその死*4 改版四十五版157頁16行め・改版初版196頁12行め・改訂新版183頁9行め
・「独居自炊した羅須地人協会」改版四十五版157頁下(21字分)・改版初版196頁下(19字分)・改訂新版184頁下(21字分)
・「父母あての遺書」改版四十五版158頁上(22字分)・改版初版198頁上(19字分)・改訂新版185頁上(20字分)
・「最後の手帳」改版四十五版159頁上(22字分)・改版初版199頁上(18字分)・改訂新版186頁上(19字分)
この、作者の弟の文章は改版四十五版160頁(16行め)・改版初版200頁(13行め)・改訂新版187頁(5行め)まで。
次に、改版四十五版161頁・改版初版201頁・改訂新版188頁、2行分空白があって1行め「新しい古典復刻の弁」振仮名は改版四十五版にのみ「こてんふつこく・べん」*5。なお「解説」に於ける振仮名の多寡であるが、改版四十五版は本文も8割方の漢字に振仮名があるが、改版初版は3割方に減らし、改訂新版は若干増やしている*6。2行めは下詰め「小 倉 豊 文 」さらに1行空白。
この角川文庫版『注文の多い料理店』の最大の特色は、扉や各作品の扉、挿絵を作者生前刊行の初版本から縮小してそのまま収録していることにあるのだが、小倉豊文(1899〜1996.6.10)は、改版四十五版170頁6行め・改版初版214頁2行め・改訂新版198頁14〜15行めに「編\者たる私」とあるように、このような編集を主導したその意図について述べてある。改行位置は改版四十五版「/」改版初版「|」改訂新版「\」にて示した。
改版四十五版163頁4〜7行め・改版初版203頁15行め〜204頁4行め・改訂新版190頁8〜12行め、
童話集『注文の多い料理店』復刻についての私の念願はかなり以前からのも|のであ\った。そ/の第一の理由は、前述した完結・未完結の三種の全集その他の|選集において、\詩集『春と修羅』/の内容は作者編纂のままの形で何回となく公|表されているにかかわ\らず、これと双璧をなす童/話集『注文の多い料理店』は|一回もその事なく、今日に至\っているからである。‥‥*7
第二・第三の理由は省略する。――この「今日」が何時かと云うに、末尾(改版四十五版180頁8行め・改版初版228頁7行め・改訂新版210頁9〜10行め)に「(一九五\四・八・六)」とある。この時点で準備が出来ていたかのように読めるのだが「昭和三十一年五月二十日初版発行」まで1年と9ヶ月半もある。尤も「八・六」であるのは別の理由があるのかも知れない。
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‥‥、賢|治研究の文献資料中\の最も貴重なものとして、そ/の完全な復刻がぜひ必要であ|ることには異論がないであ\ろう。なぜなれば、現在この書の初版/本はきわめて|少なく、新しい稀覯本になってし\まっていて、研究者が入手することがほとん|ど/不可能だからである。‥‥*8
と云う事情もあった。
そこで、具体的にどのような方針を立てて取り組んだかについての説明になる。(以下続稿)
*1:改版四十五版ルビ「ようしよう」。
*3:改版四十五版ルビ「どうわ・し」。
*4:改版四十五版ルビ「のうそんかつどう・し」。
*5:【8月28日追記】改訂新版は2行取り3字下げ。
*6:厳密に勘定した訳ではなく、飽くまでも見当である。【8月28日追記】その後、引用箇所について確認して行った限りでは、改訂新版で新たに附されたルビもあるものの、大抵は改版初版よりもルビを減らしている。
*7:ルビ、改版四十五版「どうわしゆう・ちゆうもん・りようりてん・ふつこく・わたくし・ねんがん・いぜん/だいいち・りゆう・ぜんじゆつ・かんけつ・みかんけつ・しゆ・ぜんしゆう・た・せんしゆう・ししゆう・しゆら/ないよう・さくしやへんさん・こうひよう・そうへき・どう/わしゆう・ちゆうもん・りようりてん・こと・こんにち・いた」改版初版「しゆ・そうへき」改訂新版「そうへき」。
*8:ルビ、改版四十五版「けんじけんきゆう・ぶんけんしりよう・もつと・きちよう/かんぜん・ふつこく・ひつよう・いろん・げんざい・しよはん/きこうぼん・けんきゆうしや/ふかのう」改版初版・改訂新版「ぶんけん・きこうぼん」。