瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

『大鏡』の文庫本(4)

岩波文庫30-104-1(4)
 4月27日付(3)の続き。 
 黄帯(幅6.0cm)の付いた第25刷を見たので、第22刷と比較してみた。
 本体表紙の、帯に隠れていない部分は第22刷に一致。
 帯の折返しには何も刷られていない。表紙側の上部にはゴシック体横組みで、

文徳天皇から後一条天皇に至る 1 4 代 1 7 6年間の事蹟を,簡勁な筆致で描き上げた歴史文学の傑作.最古の完本たる東松本を採用.

とあり、左下に円形の種を蒔く人のマーク、右下に右揃えで「104-大  鏡/  定価500円」とある。
 背にはゴシック体縦組みで「岩波文庫 一〇四- ☆☆☆☆☆ 500」漢数字は横長で大きく算用数字は横並び。☆は上が尖ったホームベース状に配列されている。
 裏表紙側には太線(8.7cm)が2本あって、上の太線は左端から0.9cmのところから2.6cm切れて「岩波文庫の最新刊」、下の太線は右端から1.0cmのところから1.7cm切れて「1988年7月」とある。この2本の太線の間(4.7cm)に横組みで4点の紹介。左側3.5cmほどにゴシック体でやや大きく標題が均等割付で入り、その上に分類番号、下に作者・訳者が左寄せで入る。右側4.5cmに明朝体3行の紹介文、3行めの右端にゴシック体で定価。
 1点めは「緑 24-6藤 村 文 明 論 集十川信介」で紹介文は「パリを始め海外諸都市の印象を語り,そ/れに照らして江戸と明治を連続性で把え/内発的近代の可能性を提言.  550 円」、2点めは「赤 582-1十 二 の 恋 の 物 語――マリー・ド・フランスのレー――月村辰雄訳」で紹介文は「宿命の糸に結ばれ,いちずに恋の成就を/求める男女たち.中世フランスの女性詩/人が語る恋と冒険の物語.   500 円」、3点め「赤 535-2フランス田園伝説集ジョルジュ・サンド著/篠田知和基訳 」で紹介文は「狼使い・いたずら子鬼・森の妖火など,/農民の間に伝わる口碑・伝説を集成した/作家サンドの貴重な一書.   400 円」、4点めは「赤 38-1唐 宋 伝 奇 集 (上)今村与志雄訳」で紹介文は「官僚を嘲笑している主人公が夢で役人と/なり得意と失意をたっぷり味わう「南柯/の一夢」ほか11篇.(全2冊) 500 円」。
 これは本体の最後に附される「岩波文庫の最新刊」の「1988.6.」と「1988.7.」の、後者の書目と一致している。すなわち新刊4点と「既刊書より」として2点の合計6点が紹介されており、縦組みで、上部に明朝体で大きく標題(及び小さく副題)、その下に3行、明朝体の紹介文と著者編者訳者、分類番号に定価を示す。
 1点めは「藤村文明論集」で紹介文等は「十川信介 パリを始め海外諸都市の印象を語り、それに照らして|江戸と明治を連続性で把え内発的近代の可能性を提言する。江戸文|化論の先駆。              [緑二四-六] 五五〇円」、2点めは「十二の恋の物語/―マリー・ド・フランスのレー―」で紹介文等は「月村辰雄訳 宿命の糸に結ばれ、いちずに恋の成就を求める男女た|ち。中世フランスの女性詩人マリーが語るブルターニュに伝わる恋|と冒険の物語。            [赤五八二-一] 五〇〇円」、3点めは「フランス田園伝説集」で紹介文等は「ジョルジュ・サンド篠田知和基訳 民間伝承のすぐれた採集者|でもあったサンドが、狼使い・いたずら子鬼といった、農民の間に|伝わる口碑・伝説を集成した書。    [赤五三五-二] 四〇〇円」、4点め「唐宋伝奇集()」括弧に巻は横並び。紹介文等は「今村与志雄訳 官僚を嘲笑している主人公が夢で役人となり栄達の|限りをつくして得意と失意をたっぷり味わう「南柯の一夢」ほか十|一篇。(全二冊)             [赤三八-一] 五〇〇円」。「既刊書より」は三好行雄編『漱石文明論集』とジョルジュ・サンド作/宮崎嶺雄訳『愛の妖精(〈プチット・/ファデット〉)』の2点。
 帯の紹介文は、目録の紹介文の要約ではない。この辺りの問題は『フランス田園伝説集』を刊行当時購入して読んだので、そのカバー表紙の紹介文とも比較しつつ確認することとしたい。
 本体は332頁まで(たぶん)一致。奥付の異同は、それぞれの発行日、第22刷「定価450円」が第25刷「定価500円」となっていること、最下部右の「Printed in Japan」の下に「ISBN4-00-301041-8」が追加されていることである。(以下続稿)