瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

宮澤賢治の文庫本(22)

 2016年9月2日付(21)に続いて(22)と(23)も、2016年9月2日から3日に掛けて準備していたのだが、何故か投稿しないでそのままにしていた。理由をもう思い出せないのだが、出来上がっているので全く手を加えずに投稿して置く。すなわち、過去の記事へのリンクで年が入っていないのは今年ではなく2016年である。

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・角川文庫5414『風の又三郎』(1)
 7月17日付(12)に、当初『改編 風の又三郎』と題していた、168頁の角川文庫7381『風の又三郎』を取り上げた。その際「改編」と云うからにはそれ以前の版があったはずだがその情報がないことを指摘したが、それを見た。
【四版】昭和五十八年十一月二十五日初版発行・昭和六十年六月三十日四版発行・定価380円・309頁
 ここでまづ気になったのは「初版発行」の日付である。7月30日付(17)にも取り上げた、角川文庫7381『風の又三郎』改訂十八版に「昭和五十一年十一月二十日初版発行」とあることを指摘したのだが、8月29日付「宮澤賢治『注文の多い料理店』(10)」にて検討した、(昭五八・一・一五 改稿)とある奥田弘 編「主要参考文献/――主として童話を中心に――」を見るに、その当時までに刊行されていた文庫本の「解説」が並べてあるらしいのだが、その中について角川文庫『風の又三郎』が見当たらないのである。してみると、昭和51年(1976)11月20日初版と云うのは誤りで、この昭和58年(1983)11月25日初版が角川文庫『風の又三郎』の初版なのではないか。
 カバー表紙は藤城清治(1924.4.17生)の影絵で、上部に横書きで、まず横幅一杯に黄緑色で標題、「三郎」の下に白で著者名「宮沢賢治」、最下部中央にゴシック体横組みで小さく白抜きで「角川文庫」。
 カバー表紙折返し、横組みで最上部に「風の又三郎」半行分空けて紹介文、

 小さな山村に転校生として現われ、/子どもたちの心に不思議な印象を残し/たまま、嵐の日に、突然消え去ってし/まった少年「風の又三郎
 生計を得るために、熊を殺さざるを/えない猟師と熊の交流を描く「なめと/こやまの熊」
 とりしまるはずの警察署長が禁を犯/して捕えられ、“こんどは地獄で毒もみ/をしよう”という異色作「毒もみの好/きな所長さん」他十三篇を収める。
 リアルな表現で虚構の美しい芸術世/界を創り出した代表的傑作作品集。


 下部の広告は2013年9月13日付「角川文庫の「月刊カドカワ」の広告(1)」の、最下部右寄りにゴシック体横組みで「カバー 藤城清治」とある。
 カバー背表紙は淡い青緑色地で上部に明朝体で標題、中央やや下に明朝体でやや小さく著者名、下部に「角川文庫 緑 四〇 6 ―  380」とある。
 カバー裏表紙、白地で最下部に「ISBN4-04-104006-X C0193 \380E 定価380円」とある。
 カバー裏表紙折返し、白地に横組みで上部に「角川文庫宮沢賢治作品集」1行空けて「注文の多い料理店セロ弾きのゴーシュ銀河鉄道の夜宮沢賢治詩集/風の又三郎/蛙のゴム靴/ポラーノの広場」とある。参考までに角川文庫5415『蛙のゴム靴』の書影を貼付して置こう。

 最下部、左に小さく「カバー 暁美術印刷」右にKBマーク。(以下続稿)