瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

常光徹『学校の怪談』(007)

講談社KK文庫『学校の怪談』(4)
 1月24日付(006)の続きで、奥付の前の情報源について示した頁を確認して置く。
 学校の怪談2』の「参考文献」には、次の10点が挙がる。

『現代民話考第一期』Ⅳ・Ⅴ 松谷みよ子 立風書房
『信州七不思議』 降幡利治 郷土出版社
『すみだむかしばなし』 墨田区区長室編・発行
『川越の伝説』 川越市教育委員会編・発行
遠野物語柳田国男 大和書房
『藤岡屋日記』第一巻 鈴木棠三・小池章太郎編 三一書房
『子供の民俗学飯島吉晴 新曜社
「ヤングの知っているこわい話」 米屋陽一・岩倉千春・高橋伸樹・針谷美智子・常光徹(「不思議な世界
  を考える会会報」17号〜23号
「若者たちのこわい話」 大島広志(「民話と文学の会会報」47号〜54号)
「金しばり」 常光徹(「世間話研究」2号)


 仮に太字で示したのが1冊めの『学校の怪談』と重複する。『日本の現代伝説』シリーズの典拠となった「不思議な世界を考える会会報」及び大島廣志「若者たちのこ・わ・い・話」が重なっているところは興味深い。飯島吉晴『子供の民俗学』にも学校の怪談の調査報告が載るが、他は学校とは関係のなさそうな文献ばかりである。
 そして「ありがとうございました」として、47名が(五十音順)で並ぶが、うち39名が女性らしい*1。そして最後に「その他話を参考にさせていただいた方々」とあるが、どういう方々なのであろうか。
 学校の怪談3』の「参考文献」には、次の10点が挙がる。1冊めの『学校の怪談』及び『学校の怪談2』には頁付がなかったが右下(小口側)に「166」と頁付がある。

『現代民話考』 松谷みよ子 立風書房
『太陽コレクション5』 平凡社
『日本妖怪変化史』 江間務 中央公論社
『不思議な世界を考える会会報』17号〜25号
  岩倉千春・岡野久美子・常光徹針谷美智子・水野道子・米屋陽一・渡辺節子
「若者たちのこわい話」 大島広志(『民話と文学の会会報』47号〜54号)
「怖い話」 洲藤明樹・納所とい子(『日本民話の会通信』97号)
「伝承文学教育の課題」 石井正巳(『筑波大学附属駒場中・高等学校研究報告』第28集)
「学校の不思議伝承資料集」 大越麻弥
「恐怖体験に関する資料」 上田渡
「うわさ」 鹿児島経済大学社会学部山下ゼミ


 前冊までと重複するものを太字で仮に示した。なお「洲藤明樹」はちくま文庫『現代民話考[7] 学校・笑いと怪談・学童疎開』の19〜325頁「第一章 笑いと怪談」の29〜269頁「怪談」の73〜78頁6行め「四 体育館やプールの怪」の1項め、73頁2行め〜74頁(17行め)「ボールがはねる」の5話中4話め、74頁5行めの書き出しは「*神奈川県大和市。K小学校に‥‥」で、最後、14行めに「話者・洲藤朋樹。回答者・納所とい子(東京都在住)。」と見える「洲藤朋樹」と同一人物と思われるが、どちらが正しいか分からない。なお、単行本『現代民話考[第二期]II 学校〈笑いと怪談/子供たちの銃後・学童疎開・学徒動員〉』の23〜224頁「第一章 怪談」の60頁12行め〜64頁1行め「四、体育館やプールの怪」の60頁13行め〜62頁1行め「一 ボールがはねる」は4話でこの話は載っていない。すなわち文庫版刊行に際して追加された話である。
 そして「ありがとうございました」は42名、うち32名が女性らしい。そして男性2名女性2名の計4名が『学校の怪談2』と重複する。最後は「その他はがきを送ってくださった方々」と添えてあり、これは以下『学校の怪談9』まで同じである。(以下続稿)

*1:男女の別は示されていないが、名前から判断した。当時はまだ区別しやすかったと思う。