瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

小池壮彦『怪談 FINAL EDITION』(15)

・第十七話孤独死(5)
 2月4日付(13)に、小池氏が「平成十六年の六月一日」に見たとする「読売新聞」の引用について、某区立図書館で「読売新聞縮刷版」No.550を書庫から出してもらって見たが、平成16年(2004)6月1日付の紙面には当該記事が見当たらなかったことを報告した。
 今日は昨日の記事の続きを挙げるつもりであった*1が、開架に所蔵する限りの新聞縮刷版を並べている某区立中央図書館に立ち寄る機会があったので改めて「読売新聞縮刷版」No.550を見た。――先日は日付だけ覚えて行ったので、まづ6月1日付朝刊の社会面、地域面の順に見て、それから1日付夕刊、2日付朝刊、夕刊……としばらく見ていったのだが、今度は日付順に見ても手間が掛かるだけだと判断して、前付【16】頁のうち【1】頁は「六月の時事日誌*2」、残りの【2】〜【16】頁が「平成16年6月記事索引*3」、恐らく社会面に出ているだろうと思って、【8】頁7段め(7段組)28行め〜【11】頁7段め41行め[ 社   会 ]*4、【9】頁1段め最後〜【10】頁7段め31行め「★災害・事故・犯罪」を見て行くと、【9】頁3段め〜4段めに跨って、

奇禍
 エスカレーター手すり/突然停止 次々転倒/12人搬送 掛川のホ/テル………………… 五五五1
 都会のアパート遺体203段め年間眠る 池袋…… 五五五2
 ビル外壁落下、通行人/重傷 青梅…………一三五五7
 エスカレーター手すり/に乗る 2歳男児が/転落死 西宮………一六〇三7

とある。各項2行め以下は2字下げ、頁の漢数字は半角。
 余り時間もなかったのだが、今度は掌を指すが如くあっさり見付かった。ちなみに「青梅」の事故は6月24日(水曜日)付、「西宮」の事故は6月28日(月曜日)付の(社会)面、ともに朝刊(39)頁(14版)に見えている。
 さて、早速555頁を見るに2004年(平成16年)6月10日(木曜日)付朝刊(縮刷版517〜556頁、(40)頁の本紙の他に別刷「ZIPZAP」557〜564頁)の(社会)面、(39)頁(14版)で「掛川」の事故は植田まさしコボちゃん」7864の右、そして「池袋」の記事はその右、紙面の中央やや右上寄りに存する。2〜8段め、記事の右上、2段めから5段め半ばまでが見出しで、明朝体縦組みで大きく「都会のアパート/遺体20年間眠る」とあり、その下にゴシック体横組みで「池袋の住宅地」と添えてある。見出しの下、5段め半ばから7段めまで、ゴシック体横組みで「20年前のものと思われる白骨遺体の見つかった木造アパート 」とのキャプションが下に添えられた写真。記事本文は59行もあるので筆写は諦めて複写を取る。
 小池氏が引用しているのは、まづ1段落めである。異同箇所を太字にして小池氏の引用の形を注記した。

 東京・池袋の住宅地にあ/る誰も住んでいない*5木造ア/パートを取り壊そうと立ち/入った業者が今月一日、男/性の白骨遺体を見つけた。/台所のテーブルには一九八/四年(昭和五十九年)二月【2段め】二十日付の新聞の朝刊が置/かれていた。警視庁池袋署/では、男性は病死したとみ/ているが、遺体は二十年間、/誰にも気づかれなかった。


 ところが、小池氏がもう1箇所引用する近所の人の証言が、全く違っているのである。(以下続稿)

*1:昨夜、間違って書きかけの状態で公開してしまい、すぐに削除した。

*2:上欄外には明朝体横組みで「平成16年6月時事日誌」

*3:各頁の上欄外に明朝体横組み。

*4:灰色の網掛け。

*5:小池氏の引用はここが「廃屋の」になっている。