瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

恠異百物語(1)

 別に不思議な世界を考える会の『怪異百物語』に対抗する訳ではないが、私も同じ題で小説(?)を書いたことがある。
 大学時代、私は手品サークルや邦楽サークルなど、複数のサークルに入って見たのだが、技藝の修練を要するサークルは飽きっぽい私には向いておらず、結局、1年を過ぎる頃には2015年6月8日付「大島弓子『グーグーだって猫である』(3)」及び2013年2月21日付「七人坊主(38)」に断片的なことを書いた、普段は別に何もしなくても良い文藝サークルしか続かなかったのである。で、年何回か刊行する同人誌に、たまに小説らしきものを書いていた。しかし作風が変なので、合評会をやってもまともに評されることはなかったのである。
 「PARAS」VOL.9(1994年11月・110頁)15〜21頁。特に章分けはしていないが、1行空けで5つに分かれている。まづ、冒頭を示して置く。

 恠異百物語

          白日無談人 人則害生
          昏夜無説鬼 鬼則怪至
             ――柳宗元『龍城録』


 みなさま、こんばんは、
 さて、本日は「怪異百物語」と云うことで、みなさ/まにお集まり下すった訳でございます、総勢二十五人/でございますから、四つずつお話しを願いとう存じま/す、宜しゅうございましょうか、
 百物語と申しますのは、江戸時代の初めに起こった/らしゅうございます、『オトギバウコ』と云う本に百/物語の法式について述べた箇所がございます、
 今日は新月でございます、この青い紙を貼ったアン/ドンには灯心が百本入っております、みなさまが一つ/話し終えられますと一つ、抜き取ります、今はだいぶ/ん明るくはございますけれども、灯心を抜いて行きま【15上】すと暗くなりますし青みがまさります、こうしてシマ/イにまっくらになりますと、怪しいことが起こると云/われておるのでございます、
 それでは宜しくお願いします、


 この語り手は百物語の会の司会兼話者という役回りで、100話書こうと思えば書けなくはないけれども、そんなに書いても仕方がないので、以下は司会が自分の順番が回って来たときに話した「四つ」だけ書いて、後はオチである。大学卒業の半年前にこんなものを書いていたのだと思うと、我ながら馬鹿々々しくなってくる。
 で、喋った内容を書いた寸法だから、実際に朗読しながら、文章を拵えて行ったのである。気が向いたらYouTubeに投稿しようかと思っている。(以下続稿)