瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

『豊島図書館郷土シリーズ』(4)

 一昨日からの続きで『豊島風土記』の初刷と四刷の比較。
 豊島区教育委員会教育長の「はじめに」は、1月7日付(1)及び2月28日付(2)に指摘したように初刷と四刷では同じものでなく、位置も異なっている。但し構成・内容はほぼ同じで、ともに前半では郷土を知り、愛すべきことを訴えて、そして後半で本書の成り立ちについて述べる。ここでは後半を抜いて置こう。初刷の1頁め13行め〜2頁め8行め、

 このような趣旨から、豊島図書館におきまして、郷土資料収集活動のひとつとして、長崎、高/田、巣鴨駒込、池袋を中心として、地元古老の方々にお集りいただき「豊島の昔を記録する/会」を過去三年間にわたって続けてまいりました。今回、このお話の内容を織り込んだ『豊島風【1頁め】土記』の出版をみるに至りました。多数の皆様の待望の声が久しかっただけに、よろこびはひと/しおであります。
 執筆をお願いいたしました先生方は、郷土史研究家の後藤富郎氏、仲田喜三郎氏、堀切康司/氏、伊藤栄洪氏であり、表紙画および本文さし絵を宮尾しげを氏に、題字を後藤富郎氏にお願い/いたしました。また写真の掲載、年表の作成にあたっては、豊島新聞社および豊島高等学校から/積極的なご援助をいただきました。関係者皆様方の心からなるご尽力に対して、深く感謝いたし/ますと同時に、区民の皆様とともに、こうした試みをたやすことなく続けてまいる所存ですの/で、より一層のご協力をお願い申し上げるしだいであります。


 以下2行分空けて、9行めに日付、10行めに肩書き、11行めに氏名。
 四刷の「はじめに」は奥付と同じく写真植字で他の頁とは印象が異なる。1頁めに題も含め14行あり、2頁め1〜6行め、

 豊島図書館では、郷土の歴史のあらましを知っていただくため、地元の古老のお話しを盛り込ん/だ『豊島風土記』を昭和四十六年十一月に出版、続いて翌四十七年五月には一般愛好家の要望に応/えて第二版を重ねて参りましたが、その後も区民を始めとする全国の図書館、郷土史料館、学術関/係者からのご熱心な要望が絶えず、ここに第三版、引き続き第四版を贈ることになりました。
 この本が、深い味わいをもつ郷土の理解に役だち、特に今日の都会で生活する人々に、豊かな実/りをもたらすよう願ってやみません。


 以下2行分空けて、7行めに日付*1、8〜9行めに肩書き、9行めに氏名。
 四刷では初刷にあった「豊島の昔を記録する会」の名称が見えない。執筆者は奥付に見えているからここに繰り返す必要はないが、豊島新聞社と豊島高等学校の「協力」の内容が挿入した写真や巻末の「豊島区史年表(抄)」作成にあったことは、初刷の「はじめに」を見ないと分からない。(以下続稿)

*1:3月4日追記】この日付と、4行めに「、引き続き第四版」を挿入した他は、三刷と同文であろうと思われる。