瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

サラ・ブックス「フタミ恐怖シリーズ」(2)

 昨日の続きで平野威馬雄『幽霊を見た 海外篇』14版(二見書房)のカバー表紙折返しについて。
 最上部に赤線(3.2cm)に挟まれた間(0.5cm)に赤の細い丸ゴシック体で「フタミ恐怖シリーズ」とあって、以下、横組みで黒のゴシック体で書名、その下に明朝体の水色で紹介文。

恐怖の心霊写真集
霊魂は果たして存在するのか?人類永遠のナゾに挑戦の第1弾
続・恐怖の心霊写真集
読者から送られてきたカラー写真を中岡式鑑定法で分析・解明
新・恐怖の心霊写真集
霊魂がカメラで写されることのカニズムがついに解明   
実証・恐怖の心霊写真集
印画紙に焼き付けられた霊体は何を語りかけているのか?  
地縛霊・恐怖の心霊写真集
現世に想いを残す亡者の姿がカメラにとらえられた     
幽霊を見た(日本篇)
日本中の怪談を豊富な実例で集大成した幽霊ばなしの決定版
幽霊を見た(海外篇)
世界中の怪談の中から恐ろしい話ばかり103話を集めて公開 
お化けの住所録
日本各地のお化けの話と、お化けの出る場所をつきとめた  
日本怪奇名所案内
日本中の怪奇の話とその場所を地図入りで地域別に案内する。
世界怪奇名所案内
現代科学では解明できない世界最後のミステリー地帯に肉薄
実写 日本恐怖100名所
謎と怪奇にみちた100の恐怖地帯を心霊学の権威が徹底取材  
恐怖の四次元館
謎と怪奇につつまれた四次元の落し穴は確実に存在している
実証日本の幽霊屋敷
北海道から九州沖繩まで自縛霊漂う戦慄の家々を徹底取材  
死後の世界を見た
人間の死後はどうなっているのか!?この永遠のテーマに挑む
    design ――――森下年昭


 教育上宜しくない本がずらりと並んでおります。
 私は、怪異談を聞き書きするようになってしばらくして、自分が怪異についてどのように捉えているのか明確に意識するようになったと思うので、中学の頃まではそんながちがちの合理主義者ではなくて、学級文庫などにこの手の本が置いてあれば手にするくらいのことはしたのです*1。『恐怖の心霊写真集』はあまり熱心に見た記憶がありませんけれども、例えば「四次元」と云えば人体消失、みたいな刷込みもされております(笑)。しかし、買ったことはありません。兄は「ムー」を定期購読していたのですが、兄とは余り親しくなかったので家にあったはずの「ムー」も殆ど読んだことがありません*2。兄の部屋に入ったことがないので兄がこの手の本をどのくらい持っていたのかも分かりません。――しかし「解明」を謳っていますが、その理屈の中で辻褄が合っている(と云うか合わせている)だけのことを「解明」と云って良いのでしょうか。それから『実証日本の幽霊屋敷』の「自縛霊」は「地縛霊」が正しいのですが、……いや、地縛霊ってのがそもそも正しいんかい、と突っ込んで置きましょう。(以下続稿)

*1:この頃の私の怪異への対処については2012年7月5日付「コックリさん(1)」に述べたことがあります。

*2:私の父は2014年4月19日付「芥川龍之介「人を殺したかしら?」(1)」に書いたような人で、兄が「ムー」を購読していることを苦々しく思っていて、兄の成績が下がったときなのか、これ以上「ムー」を買わせないと言って揉めていたことを覚えています。しかし子供部屋が別々になって以来、私はあまり兄に関わらなかったので、結局どうなったのかは覚えていません。