瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

Théophile Gautierの文庫本(1)

 20年くらい前、幻想小説を好んで読んだ時期があって、Théophile Gautier(1811.8.30〜1872.10.23)の小説もその頃意識に上ったのだけれども、結局読まなかった。しかし、最近田辺貞之助『江東昔ばなし』を検討して見て、田辺氏晩年の訳業を手にする気になったのである。
岩波文庫32-574-1『死霊の恋・ポンペイ夜話 他三篇ゴーチエ作/田辺貞之助
・1982年2月16日 第1刷発行©(210頁)定価300円

1984年5月16日 第4刷発行 定価300円
・1987年10月6日 第8刷発行 定価350円
・1987年11月10日 第9刷発行 定価350円*1
・1989年11月15日 第12刷発行 定価350円*2
・2011年9月16日 第18刷発行 定価600円
 第1刷の帯の紹介文には、

フランス文学の魔術師とよばれたゴーチエの,愛と美と夢に彩られたあでやかなファンタジーの世界へと読者をいざなう短篇集.

とあったが、カバーの紹介文はこれを膨らませている。

フランス文学の魔術師テオフィル・ゴーチエ(1811−72)の傑作短篇5篇を選び収める。ヨーロッパでもっとも傑れた吸血鬼小説の一つと賞される「死霊の恋」,青年のよせる烈しい思慕に古代ポンペイの麗人が甦える「ポンペイ夜話」など,いずれも愛と美と夢に彩られたあでやかな幻想の世界へと読者をいざなう。


 カバー表紙は一致。
 カバー背表紙、第4刷は桃色の帯状部分の下部に「300」、第8刷は「350」、第18刷には数字がない*3
 カバー裏表紙、中央に「岩波」の壺印、文字は横組みで、第4刷は左下隅に「定価300円」のみ、第8刷は同じ位置に「定価350円」とあり、その上に1行「ISBN4-00 325741-3 C0197 \350E」とある*4。第18刷は左上にバーコード2つ、1つめは「9784003257418」2つめは「1920197006007」、右上に「ISBN4-00-325741-3C0197 \600E」少し空けて3行め「定価(本体600円+税)」。
 カバー裏表紙折返し、第4刷・第8刷は「広辞苑 第三版 新村 出 編 〈菊判・二六八八頁 定価 五八〇〇円/<机上版> B5判 定価一〇〇〇〇円〉」の広告で一致*5。第18刷は「定価2730円」の岩波文庫編集部 編『世界名言集』の広告。
 カバー表紙折返し、第4刷は12.8×3.4cmの肌色地に「岩波文庫84/ことし新しくカバーを付けた六二点八四冊。/つぶぞろいの本格派です。/読書の妙味をたっぷりとお味わいください。/――どんな読後感をおもちでしょう?」とあって、左下に小さく「文庫判ブックカバー贈呈/下のマークを10枚揃えて封書でお送りください/宛先=岩波書店営業部 ブックカバー係」とある。左下隅は肌色地で「岩波」の壺印があるが、私の見た本はブックコートフィルムを掛けるために一部が切除されており、壺印の下に文字があったかどうかは不明。
 第8刷は「●創刊60年記念出版岩波文庫総目録〈岩波文庫編集部編B5判上製 定価一八〇〇円〉」の広告で、左にゴシック体で縦組み3行の紹介文があるが、明朝体で小さく定価と紹介文の間に「('87年7月16日刊)」とある。左下の「文庫判ブックカバー贈呈」の文と壺印の位置は第4刷に同じ。壺印の下に「R 574-1」とある*6
 第18刷は「図書」の広告で「年間購読料=1000円(税・送料込)」。(以下続稿)

*1:4月26日追加。

*2:5月14日追加。

*3:5月24日追記】第12刷は「360」に太い下線。

*4:5月24日追記】第12刷は左上隅に「ISBN4-00-325741-3 C0197 P360E定価360円(本体350円)」とある。

*5:5月24日追記】第12刷は「完訳千一夜物語全13巻」と「完訳三国志全8巻」の広告。

*6:4月26日追記】第9刷のカバーは恐らく第8刷のカバーに一致。私の見た本はブックコートフィルムを掛けるために折返しがごく一部切除されており、壺印の下の文字の有無が確認出来ないが、他は一致している。【5月24日追記】第12刷は「B5判上製 定価一八〇〇円」の1行から定価が削除され、下寄せで「「(B5判上製)」となっている他、「('87年7月16日刊)」がなくなっているが他は同じ。左下の「文庫判ブックカバー贈呈」の文と壺印の位置も第9刷に同じで、壺印の下に文字がないことも確認出来る。