瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

村松梢風『殘菊物語』(1)

 溝口健二監督『殘菊物語』については、原作の村松梢風の小説とともに記事にするつもりで、映画も3回ほど通して見、小説も角川文庫版で通読したのであったが、なかなか比較して相違を確かめ、双方を突き合わせて考察すると云う作業をする余裕がなく、そのままになっていた。
 そこで、2012年8月24日に作成した『残菊物語』を収録する叢書についてのメモを、整わない箇所に最低限手を入れたのみで挙げて置こう。

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『大衆文学大系16 大佛次郎 村松梢風 集』
昭和四十七年七月二十日第一刷・定価二八〇〇円・講談社・797頁
講談社『大衆文学大系』は全30巻(1971〜1973)別巻1(1980)、A5判上製本
扉、口絵はモノクロのアート紙で表が大佛氏、裏が村松氏、1〜2頁(頁付なし)「目次」、
3頁(頁付なし)中扉「大佛次郎集」、5〜518頁「赤穂浪士」1頁2段組1段28行、1行28字。519頁(頁付なし)中扉「村松梢風集」、
521〜637頁「人間飢饉」
638〜698頁「綾衣絵巻」
699〜715頁「残菊物語」
716〜730頁「呂昇物語」
731〜754頁上「大奥太平記」「徳川十三代将軍家定の、悲惨なる生涯の記録」
754頁下〜776頁「将棋指し太郎松」
尾崎秀樹「解説」777〜782頁、「大佛次郎」777頁上段3行め〜779頁下段19行め、「村松梢風」779頁下段20行め〜782頁上段(下段余白)。
尾崎秀樹「解題」783〜784頁上段(中下段余白)、1頁3段組、1段28行、1行18字。
 784頁上段3行めから残り。

残菊物語」 昭和十二年九月の「サン/デー毎日」増刊号に掲載。十月には巌谷/槇一の脚色(四幕八場)で明治座におい/て上演。新派の代表的演目となった。菊/之助(章太郎)、お徳(八重子)、五世菊/五郎(緑郎)であった。またその二年後/には松竹下加茂で溝口健二により映画化/された。その折りの配役は、章太郎の菊/之助に森赫子のお徳であった。
大奥太平記」 昭和十年九月「中央公/論」。
呂昇物語」 昭和十三年四月「週刊朝/日」増刊号。
将棋指し太郎松」 昭和十三年七月/「講談倶楽部」増刊号。
「残菊物語」「大奥太平記」「呂昇物語」/「将棋指し太郎松」は、昭和十三年十二/月に「残菊物語」の表題で一冊にまとめ/られ、中央公論社から刊行された。ほか/にこの本には「新編襤褸錦」「安政秘聞/録」「山田長政」「観音お吉」がふくまれ/ている。装幀小村雪岱。四二八頁。定価/二円であった。


尾崎秀樹編「大佛次郎年譜」785〜791頁
島崎博編「村松梢風年譜」792〜797頁
797頁上段昭和二十九年(一九五四)条に「……、六月「続残菊物語」を「小説新潮」に、……発表。……」とあり。

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 以上である。恐らく借りて帰って、返却間際にこれだけメモを取ったのである。しかし、大きくて重い。今となっては借りて持ち帰る訳にもなかなか行かぬので、このメモはこのまま投稿することにした。(以下続稿)