瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

Prosper Mérimée “Carmen”(2)

岩波文庫32-534-3『カルメン』(2)
 5月7日付(1)の続きで、本体について、今、手許にある本によりメモして置く。
 1頁(頁付なし)扉は、第51刷と第58刷の間で組み直されたらしく、第51刷の匡郭(10.5×6.5cm)の右上隅・右下隅・左上隅に隙間があったのが、第58刷(10.5×6.5cm)では繋がっている。第58刷・第71刷・第75刷・第81刷・第83刷は一致。
 奥付、第51刷と第58刷、太い横線(7.0cm)2本の間、第51刷(4.3cm)第58刷(4.7cm)で幅が違うが、発行日の3行めの右に第51刷「¥ 100」とあったのを、第58刷は4行めとして大きく「定価200円」と入れた分だけ拡がったのである。発行日の3行も組み直されており、もちろん3行めが違っているが、他に異同は「発行者」が第51刷「岩波雄二郎」第58刷「緑川 亨」、そして1本めの横線の上、左詰めで第51刷「 カルメン ☆」とあったのが第58刷「 カ ル メ ン」となっていること、2本めの横線の下、第58刷には右詰めで「Printed in Japan」が追加されていること*1
 第58刷と第71刷の異同は、まづ1本めの横線の上に、第71刷は左詰めでやや大きく「 カルメン メリメ作」作者名の下から「定価はカバーに表示してあります」とあることで、1本めの横線の下、3行の発行日も第58刷は左詰めであったが第71刷は作者名・定価云々と同じ位置からになっている。2行めの改版発行日の末尾にあった「©」が第71刷にはない。続く「訳 者」*2「発行者」の姓名*3も同じ位置からで、第58刷では右半分を使っていたのが「杉 捷夫/安江良介」と字間が詰まっている。続く1行もやはり2字下げで「発行所 株式会社 岩波書店」とあり、「株式会社」は第58刷では割書だった。郵便番号(3桁)と住所は第58刷は版元名の上にあったが第71刷は下で郵便番号は5桁。第58刷では「電話」番号は版元名のすぐ下に右詰で1つだけ添えてあり、その下に「振替」番号があったが、第71刷では「電 話」は訳者以下に準じる扱いで番号は3つ。2本めの横線の上、第58刷には右詰で「印刷・法令印刷 製本・桂川製本 」とあったが、第71刷は「電 話」と同じ位置(2字下げ)から「印刷・法令印刷 カバー・精興社 製本・桂川製本」とある。2本めの横線の下、第58刷は左詰めで「 落丁本・乱丁本はお取替いたします」とあったが、第71刷は中央左にカバー裏表紙と同じISBNコード、中央右に「Printed in Japan」とある。
 第71刷・第75刷の異同はそれぞれの発行日のみ。2本の太線の間は4.8cm。
 第71刷と第83刷の異同は、1本めの横線の上の2行めがなくなっていること、郵便番号が7桁になっていること、「電 話」の1行め右、第71刷では「営業部」だった番号が「販売部」になっていること、2行めの「文庫編集部」の番号の下に第83刷ではHPアドレスが1行追加されていること。
 第81刷と第83刷の異同はそれぞれの発行日と「発行者」が「大塚信一」から「山口昭男」に代わっていること。2本の太線の間は5.0cm。
 第92刷では発行日が第1刷と第33刷改版・第87刷改版と第92刷の4行となっている他、第83刷との異同は「電 話 」の文字がなくなっていること、「印刷 製本・法令印刷 カバー・精興社」となっていること*4
 その裏の「読書子に寄す」の匡郭、第51刷は四隅とも切れている。第58刷・第71刷・第75刷・第81刷・第83刷・第92刷は一致しており、左上が繋がっている*5
 目録、第51刷「E1」と「E2」の2頁で1頁め上段1行めに「《フランス文学》」2頁め中段13行め「《南北欧文学 他》」とある。
 第58刷、1頁めは「'85,5現在在庫 D-2」匡郭外小口側下寄せ「★印の書目には、文庫版のほかに活字の大きい特装版〔四六判、上製・カバー〕もあります」括弧は半角。2頁め「岩波文庫の最新刊」の「1985.8.」。
 第64刷「岩波文庫の最新刊」の「1989.8.」と「1989.9.」*6
 第71刷「岩波文庫の最新刊」の「1993.6.」と「1996.7.」。
 第75刷「岩波文庫の最新刊」の「1995.6.」と「1995.7.」。
 第81刷「岩波文庫の最新刊」の「2000.8.」と「2000.9.」。
 第83刷「岩波文庫の最新刊」の「2003.11.」と「2003.12.」。
 第90刷「2009,5.現在在庫 D-1(〜3、G-1、H-1、I-1〜3)」と「岩波文庫の最新刊」の「2010.6.」と「2010.7.」*7
 第92刷「2012,2.現在在庫 D-1(〜4、H-1、I-1〜3)」と「岩波文庫の最新刊」の「2012.9.」と「2012.10.」。(以下続稿)

*1:6月18日追記】第64刷を第58刷と比較するに、横線とその間隔は同じ。異同は発行日の3行め、その右に「定価210円」が来てその下にやや小さく「(本体204円)」と添えていること、「Printed in Japan」の下にやはり右詰めでISBNコードを追加していること。

*2:ルビ「すぎ としお」。

*3:第58刷では訳者名と版元名が奥付で最も大きく、発行者名がこれに次いでいたが、第71刷では訳者名が最も大きく、発行者名・版元名がこれに次ぐ。

*4:5月27日追記】第90刷の奥付のレイアウトは第92刷と同じ、異同は発行日の4行め、2本めの太線の上が第71刷・第75刷・第81刷・第83刷と同じく「印刷・法令印刷 カバー・精興社 製本・桂川製本」となっていること。

*5:5月27日追記】第90刷も同じ。

*6:6月18日追加。

*7:5月27日追加。