・新潮文庫1746『海からの贈物』(3)
5月20日付(1)に、カバー裏表紙折返しについて、
③は「|新潮文庫 海外のノンフィクション|」として13点17冊、本書は入っていない。
と述べた。当時見ていた七十三刷と七十五刷のカバーが一致しているように見えたので、区別せずに記述したのだが、その後見た別の図書館の七十三刷のカバーと、新たに見た七十六刷のカバーと、初めに見た七十五刷のカバーを比較して見るに、異なっている。
いづれも定価400円なのだが、異同はこのカバー裏表紙折返しだけではなく、カバー裏表紙も、七十五刷と七十六刷はISBNコードが10桁であるのに対し、その後見た七十三刷は13桁で一回り小さい。そうするとこの七十三刷のカバーは、七十五刷や七十六刷よりも後に掛け替えられたことになる。
こうなると、どうにもややこしくてならぬので、とにかく数を見ておこうと馴染みの図書館を廻って見るに、本書は意外に多くの図書館に所蔵されていて、昭和まで遡る①が余り痛みもせずにそのまま棚に収まっている館がいくつもあることが分かった。――①や②については別に報告することとして、これまでに私は③を約10冊に眼にしたのだが、その掛かっているカバーを、カバー裏表紙折返しの「|新潮文庫 海外のノンフィクション|」及びカバー裏表紙のISBNコードや定価を基準に整理するに、次の5種になる。
【1】 定価400円 ISBNコード10桁 裏表紙折返し目録12点17冊
・七十三刷*1
【2】 定価400円 ISBNコード10桁 裏表紙折返し目録13点18冊
・七十五刷
・七十六刷
【3】 定価400円 ISBNコード10桁 裏表紙折返し目録13点16冊
・七十六刷
【4】 定価400円 ISBNコード13桁 裏表紙折返し目録10点12冊
・七十三刷
・七十七刷
【5】 定価430円 ISBNコード13桁 裏表紙折返し目録なし
・七十六刷
・七十七刷
実際、本体と同時に刷られたカバーが掛けられる訳ではないのだから、【1】【2】【3】の先後関係も確定しがたいが、一応掛かっている刷の順序に従って置く。仮に【1】から【5】としたが、今後、ズレる可能性があることを断って置く。
右上に角が丸い水色の三角形に白抜きで葡萄マークと「新潮文庫」とあるのは共通。上部に横線(6.0cm)2本の間(0.7cm)に明朝体太字で「新潮文庫 海外のノンフィクション」とあって、横線の下、左側(左から2.0cmで右揃え)にゴシック体で著者名、右側(左から2.4cmで左揃え)に明朝体で標題。著者名の間に/(改行)があるのは共著、標題の途中で改行しての2行めは右揃え。
なお【1】は12点17冊*2、【2】は13点18冊*3、すなわち【2】は【1】に1冊追加しているのみであるので、まづ【2】を示して置こう。
アパネイル/レディング 世界をだました男/カーソン 沈黙の春/カッスラー他 呪われた海底に迫れ(上・下)/カポーティ 冷血/グリック カオス―新しい科学をつくる/クロウ さよならバードランド/―あるジャズ・ミュージシャンの回想―/セーガン 人はなぜエセ科学に/騙されるのか(上・下)/チャップリン チャップリン自伝(上・下)/ドロズニン 聖書の暗号/ハリソン キス/フリーマントル ユーロマフィア(上・下)/マコート アンジェラの灰(上・下)/ランシング エンデュアランス号漂流
【1】には「ハリソン キス」がない。【3】は8点めが「チャップリン チャップリン自伝」と1冊になっており、11点めが「ボーデイン キッチン・コンフィデンシャル」に差し替えられている。(以下続稿)