瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

織田作之助『夫婦善哉』の文庫本(7)

新潮文庫10589『夫婦善哉 決定版』(5)
 昨日の続きで、新潮文庫6557『夫婦善哉』四十八刷改版とこの『決定版』の、目録と奥付について。
 目録は四十八刷改版は7月3日付(2)に見たように6頁、決定版は13頁、ともに最後の3頁は「新潮文庫最新刊」。四十八刷改版の3頁めまでの18点で、1頁め2点め「伊藤左千夫 野菊の墓」と5点め「尾崎紅葉 金色夜叉」が、決定版にも同じ位置に出ているから、決定版も四十八刷改版を引き継いでいるらしいのだが、他に重なるものは多くはない。1頁め5点め「梶井基次郎 檸(れもん)檬」が2頁め1点めに、2頁め2点め「菊池 寛著 藤十郎の恋・/恩讐の彼方に」が同じ位置に、4点め「国木田独歩 武蔵野」が2頁め3点めに、3頁め6点め「町田 康著 夫婦茶碗」が8頁め5点め、以上6点である。決定版の方の細目は今後の増刷と比較することがあればそのときに述べることとする。
 奥付のレイアウトは同じ。異同は上部の横線(6.7cm)2本の間(0.8cm)の標題が、四十八刷改版「夫 婦 善 哉*1」であったのが「夫婦善哉 決定版*2」に変わっていること、縦組み部分は発行日が全く異なっているのみ、下部の横組み部分の横線(6.7cm)2本の間(0.8cm)の1行め右、四十八刷改版「製本・加藤製本株式会社」が決定版「製本・憲専堂製本株式会社」に変わっていることと、最下部のISBNコードがそれぞれ、7月23日付(4)に見たカバー裏表紙と同じであること。
 カバー背表紙の「[お 2 1]」と奥付上部、右側の作者別分類番号「お−2−1」は一致しており、内容を決定版にそのまま引き継いだ新潮文庫6557は絶版になったことが分かる。(以下続稿)

*1:ルビ「め お と   ぜん  ざい」。

*2:ルビ「めおとぜんざい けっていばん」。