瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

樋口尚文編著『「昭和」の子役』(1)

樋口尚文編著『「昭和」の子役 もうひとつの日本映画史二〇一七年八月一五日初版第一刷発行・定価2,800円・国書刊行会・381頁・四六判上製本
 本書には刊行前の8月8日付「松本清張『砂の器』(6)」に言及し、書影も貼付した。――目下検討中の『ドカベン』出演者について材料が得られないかと思って借りてみたのだが、273〜376頁「第二部 子役列伝 「昭和」の子役クロニクル」に挙がる127名には入っていなかった。しかしながら、Wikipediaのカテゴリ「日本の子役」には現在「1,968 ページが含まれて」いるのだけれども、その中には『ドカベン』の中でも目立っていて他にも東映作品にかなり出演しているらしい「遠藤薫」が含まれていないくらいだから「小松陽太郎」など他の連中が入っていないのも当然である。そういう人たちを網羅した紙の『子役人名辞典』を作ったところで需要があるとも思えないから、誰か篤志家が「昭和子役総覧」みたいなWebページを作ってくれるのを待つしかなさそうだ。
 写真*1を鮮明に印刷するためか、本文用紙はマットコート紙で、かなりの厚みがある。
 17〜271頁「第一部 インタビュー 伝説の子役とその時代」には6人のインタビューが載るが、これについてはそもそも本書を知るきっかけとなった映画『砂の器』についての記述を検討する際に、紹介することとする。
 奥付の発行日よりも発売日が2週間遅れていることからも察せられるように、刊行まで時間的な余裕がなかったらしく、校正漏れが散見される。通読出来ていないが、ぱらぱら覗いて見て気付いたところを少し挙げて置く。
・301頁7〜8行め「‥‥。二〇〇一年のNHKテレビ小説『ホンマモン』、〇三年の毎日放送『ショコラch』、/〇六年のNHKテレビ小説『芋たこなんきん』などにも出演歴がある。」*2
 もちろん『ホンマモン』と云う「ホリエモン」もどきの題に仰天して引っ掛かった(正しくは『ほんまもん』)のだが、「NHKテレビ小説」と云うのも同じNHKに「銀河テレビ小説」があった訳だし、他局(TBS系列)だが「ポーラテレビ小説」もあった訳だから、きちんと「連続テレビ小説」として欲しい。それから『ショコラch』は、TBS系列で平日13:30〜14:00に放映されていた「ドラマ30」枠の毎日放送MBS)制作の連続45回(2003年5月26日〜7月25日)のTVドラマ『ショコラ CHOCOLAT』の副題(原語題?)を削除し損ねて変な按配に残ってしまったもののようである。
・337頁6行め、「/‥‥、俳優活動では本名の池畑慎之助を名乗ることが多い。」とあるが、ピーターの本名は「池畑慎之介」である。(以下続稿)

*1:多い訳ではないが、貴重なものではあろう。

*2:読点の前の二重鍵括弧閉じは半角、7行め末の読点はぶら下げ。