瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

Guy de Maupassant の文庫本(3)

・青柳瑞穂 訳『モーパッサン短編集』(2)
 12月2日付(1)の続き。
 当初、全3冊をそれぞれ1冊か2冊見て始めたのだが、その後、各地の図書館で借り集めて見ると、改版の様相が複雑怪奇であることが分かってきた。まづ(一)について、①四十刷、②四十一刷改版・四十二刷③四十三刷改版を手許に揃えることが出来たので、異同を確認して見よう。
新潮文庫1946 (一)
 カバー表紙・表紙折返し・裏表紙折返しは一致。折返しについては(二)(三)とも共通するので別にまとめて記述する予定である。
 カバー背表紙は山吹色地で、明朝体で上部に標題、中央やや下に著者名、著者名は同じ位置にあって長さ(2.8cm)も同じ。標題は①は横長の活字で「集」とその下の横並びの「(一)」の間も詰まる。②③は横長ではなく*1横並びの「(一)」との間も半角分空けてある。著者名の上に①は3字分(約1.5cm)②③は1字分(約0.5cm)余裕がある。下部、①②は角丸長方形(2.0×0.5cm)に白く抜いて「モ 1 6」とあってすぐ下にゴシック体で「新潮文庫」少し空けて横並びで①「¥552」、②「¥590」に太い下線が*2あったが、③は角丸長方形(1.7×0.5cm)が狭くなって時間も「モ 1 6」と詰まるが、その分「新潮文庫」の上下に1字分の余裕がある。最下部は横並び「630」。
 カバー裏表紙、右上の紹介文は組み直されているが②も①にほぼ同じ。③も8行めまでは②に同じである。

つましく暮す一家の希望は、一旗あ/げて郷里に帰ってくるはずの父の弟、*3/"ジュール叔父"*4だった。が、ある年/の家族旅行中見かけた牡蠣*5むきの老/人こそ……。裏切られてしまった唯/一の希望を一種のユーモアをまじえ/て描いた『ジュール叔父』他、*6作者の/郷里ノルマンディー*7の漁夫と小市民、*8


 以下、③はやや改訂がなされている。①②の9〜11行め、

百姓たちの生活の中にあらわれる人/間心理の内面を、作者特有の観察を/通してえぐり出す短編集。

とあったが、③の9〜11行めは、

農夫たちの生活の中にあらわれる人/間心理の内面を、作者特有の鋭い観/察を通してえぐり出す傑作短編集。

となっている。
 左上、バーコード1つめ「9784102014066」は一致、2つめ、①四十刷「1920197005529」以下は下4桁が異なり②四十一刷改版・②四十二刷「5901」③四十三刷改版「6304」。3行分空けて横線の上、①四十刷「定価:本体552円(税別)」以下数字が②四十一刷改版・②四十二刷「590」③四十三刷改版「630」と異なる。
 中央の横線の下、右に葡萄マークがあるのは同じ、左にISBNコード/Cコード等の2行があって、①四十刷には「ISBN4-10-201406-3/C0197 ¥552E」とあり、②四十一刷改版は2行めの右が「¥590E」になっている。②四十二刷は一回り小さく「ISBN978-4-10-201406-6/C0197 ¥590E」となり、③四十三刷改版は2行め右が「¥630E」に変わっている。(以下続稿)
2019年2月21日追記】半角の「¥」が「\」と文字化けしてしまうので、仮に全角「¥」に改めた。

*1:標題の著者名「モーパッサン」で比較すると①2.6cm、②③3.0cmである。

*2:2018年1月16日追記】灰色太字にしたところは当初「②「¥590」と」としていたのを訂正。

*3:読点はぶら下げ。

*4:二重引用符閉じは下に付く。

*5:ルビ「かき」。

*6:二重鍵括弧は半角。読点は①は全角、②③は半角。

*7:②③「ノルマンディ」。

*8:①はこの読点ぶら下げ。