・青柳瑞穂 訳『モーパッサン短編集』(2)
12月2日付(1)の続き。
当初、全3冊をそれぞれ1冊か2冊見て始めたのだが、その後、各地の図書館で借り集めて見ると、改版の様相が複雑怪奇であることが分かってきた。まづ(一)について、①四十刷、②四十一刷改版・四十二刷、③四十三刷改版を手許に揃えることが出来たので、異同を確認して見よう。
・新潮文庫1946 (一)
カバー表紙・表紙折返し・裏表紙折返しは一致。折返しについては(二)(三)とも共通するので別にまとめて記述する予定である。
カバー背表紙は山吹色地で、明朝体で上部に標題、中央やや下に著者名、著者名は同じ位置にあって長さ(2.8cm)も同じ。標題は①は横長の活字で「集」とその下の横並びの「(一)」の間も詰まる。②③は横長ではなく*1横並びの「(一)」との間も半角分空けてある。著者名の上に①は3字分(約1.5cm)②③は1字分(約0.5cm)余裕がある。下部、①②は角丸長方形(2.0×0.5cm)に白く抜いて「モ 1 6」とあってすぐ下にゴシック体で「新潮文庫」少し空けて横並びで①「¥552」、②「¥590」に太い下線が*2あったが、③は角丸長方形(1.7×0.5cm)が狭くなって時間も「モ 1 6」と詰まるが、その分「新潮文庫」の上下に1字分の余裕がある。最下部は横並び「630」。
カバー裏表紙、右上の紹介文は組み直されているが②も①にほぼ同じ。③も8行めまでは②に同じである。
つましく暮す一家の希望は、一旗あ/げて郷里に帰ってくるはずの父の弟、*3/"ジュール叔父"*4だった。が、ある年/の家族旅行中見かけた牡蠣*5むきの老/人こそ……。裏切られてしまった唯/一の希望を一種のユーモアをまじえ/て描いた『ジュール叔父』他、*6作者の/郷里ノルマンディー*7の漁夫と小市民、*8/
以下、③はやや改訂がなされている。①②の9〜11行め、
百姓たちの生活の中にあらわれる人/間心理の内面を、作者特有の観察を/通してえぐり出す短編集。
とあったが、③の9〜11行めは、
農夫たちの生活の中にあらわれる人/間心理の内面を、作者特有の鋭い観/察を通してえぐり出す傑作短編集。
となっている。
左上、バーコード1つめ「9784102014066」は一致、2つめ、①四十刷「1920197005529」以下は下4桁が異なり②四十一刷改版・②四十二刷「5901」③四十三刷改版「6304」。3行分空けて横線の上、①四十刷「定価:本体552円(税別)」以下数字が②四十一刷改版・②四十二刷「590」③四十三刷改版「630」と異なる。
中央の横線の下、右に葡萄マークがあるのは同じ、左にISBNコード/Cコード等の2行があって、①四十刷には「ISBN4-10-201406-3/C0197 ¥552E」とあり、②四十一刷改版は2行めの右が「¥590E」になっている。②四十二刷は一回り小さく「ISBN978-4-10-201406-6/C0197 ¥590E」となり、③四十三刷改版は2行め右が「¥630E」に変わっている。(以下続稿)
【2019年2月21日追記】半角の「¥」が「\」と文字化けしてしまうので、仮に全角「¥」に改めた。