『松本清張全集34』の「エッセイより」に採録されている本書所収のエッセイについての確認の続き。
・25番め「推理小説の発想」392〜428頁
本書では「小説と素材」及び「創作ノート ㈠」「創作ノート ㈡」の3節であるが『全集』には「創作ノート ㈡」がなく、「創作ノート ㈠」が番号なしで収録されている。
この章にはゴシック体の項見出しがあって、本書では項見出しの前を1行分空けていたが『全集』では詰まっている。
1節め、392〜407頁「小説と素材」から項見出しの位置を示して置こう。
小説のヒント(392頁上段3行め〜)
動機の発見(393頁下段7行め〜)
法律書からのヒント(395頁下段3行め〜)
新聞記事からのヒント(396頁下段16行め〜)
『点と線』のトリック(398頁下段3行め〜)
『眼の壁』のヒント(399頁下段20行め〜)
現代社会機構の追及(400頁下段21行め〜)
失踪事件の謎(403頁上段3行め〜)
日常生活の恐怖(405頁下段23行め〜407頁下段20行め)
2節め「創作ノート」408〜428頁、
私の創作ノート(408頁上段2行め〜)
創作ノートの引用は2字下げでやや小さい。1日ごとに前後1行分ずつ空けているのは同じだが、1日め(408頁下段3行め〜)は前の行(2行め)と詰まる。
ヒントの活かし方(423頁下段16行め〜)
推理小説の文体(425頁下段20行め〜)
これからの推理小説(427頁上段8行め〜428頁下段4行め)
末尾(428頁下段5〜6行め)に下寄せで小さく「――江戸川乱歩・松本清張編『推理小説作法』(34・4)/「創作ノート」の初出は宝石(34・1)」とある。
* * * * * * * * * *
なお、中公文庫の初版(七版)と改版について、12月23日付(3)の続きで奥付以降も比較するべきなのだけれども、これはそれぞれ、同じ時期の別の「松本清張著(中公文庫)」と比較した方が良いと思うが今その準備が出来ていないので、来年以降に回す。
今回は、まづ気になった箇所を1つだけ指摘して置く。
・改版91頁1行め、
丸橋さんの話。五十三蔵の美しい友人。
とあるが、初版87頁5行めを見るに、
丸橋さんの話。五十三歳の美しい友人。
となっている。『全集34』421頁上段18行めも同じ。――スキャナで読み取った際の誤認識の校正漏れであろう。(以下続稿)