瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

松本清張『黒い手帖』(5)

 『松本清張全集34』の「エッセイより」に採録されている本書所収のエッセイについての確認の続き。
・25番め推理小説の発想」392〜428頁
 本書では「小説と素材」及び「創作ノート ㈠」「創作ノート ㈡」の3節であるが『全集』には「創作ノート ㈡」がなく、「創作ノート ㈠」が番号なしで収録されている。
 この章にはゴシック体の項見出しがあって、本書では項見出しの前を1行分空けていたが『全集』では詰まっている。
 1節め、392〜407頁「小説と素材」から項見出しの位置を示して置こう。
   小説のヒント(392頁上段3行め〜)
   動機の発見(393頁下段7行め〜)
   法律書からのヒント(395頁下段3行め〜)
   新聞記事からのヒント(396頁下段16行め〜)
   『点と線』のトリック(398頁下段3行め〜)
   『眼の壁』のヒント(399頁下段20行め〜)
   現代社会機構の追及(400頁下段21行め〜)
   失踪事件の謎(403頁上段3行め〜)
   日常生活の恐怖(405頁下段23行め〜407頁下段20行め)
 2節め「創作ノート」408〜428頁、
   私の創作ノート(408頁上段2行め〜)
 創作ノートの引用は2字下げでやや小さい。1日ごとに前後1行分ずつ空けているのは同じだが、1日め(408頁下段3行め〜)は前の行(2行め)と詰まる。
   ヒントの活かし方(423頁下段16行め〜)
   推理小説の文体(425頁下段20行め〜)
   これからの推理小説(427頁上段8行め〜428頁下段4行め)
 末尾(428頁下段5〜6行め)に下寄せで小さく「――江戸川乱歩松本清張編『推理小説作法』(34・4)/「創作ノート」の初出は宝石(34・1)」とある。

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 なお、中公文庫の初版(七版)と改版について、12月23日付(3)の続きで奥付以降も比較するべきなのだけれども、これはそれぞれ、同じ時期の別の「松本清張著(中公文庫)」と比較した方が良いと思うが今その準備が出来ていないので、来年以降に回す。
 今回は、まづ気になった箇所を1つだけ指摘して置く。
・改版91頁1行め、

 丸橋さんの話。五十三蔵の美しい友人。

とあるが、初版87頁5行めを見るに、

 丸橋さんの話。五十三歳の美しい友人。

となっている。『全集34』421頁上段18行めも同じ。――スキャナで読み取った際の誤認識の校正漏れであろう。(以下続稿)