昨日の続きで、「別冊家庭画報」の『こども怪談新聞 学校編』と『こども妖怪新聞』の、カバーについて。
今、私の手許にある『こども妖怪新聞』と『こども妖怪・怪談新聞』はカバー折返しが切除されている、そこで今回は『こども怪談新聞 学校編』のカバー折返しについて、メモして置くこととする。
カバー表紙折返し、丸ゴシック体横組みで「おすすめします」として上下2人の楕円形カラーの顔写真付きの推薦文、まづ題が赤い雲形にゴシック体白抜きで「子どもの想像力がはぐくんだ文化」とあってゴシック体で「国立歴史民俗博物館/助教授/常光 徹」左に顔写真、その下の推薦文は部分的に一回り大きい赤で強調している。
民話、早口言葉、なぞなぞなど子どもたち/を取り巻く口伝えの文化は多彩で、なかでも/怪談や不思議話は大変な人気です。/「お化け」「妖怪」「幽霊」といった話題は、/誰でも一度は通過する関心事でしょう。ただ/大人になると忘れてしまい、「非科学/的」などと一蹴してしまいがちです。しか/し、怪談を子どもたちから遠ざけるのでは/なく、折りにふれて話題にするなかから、/話を楽しむ感性や科学的な志向を養う/肥やしにしていくべきではないでしょうか。/子どもたちの想像力がはぐくんだ文化/として、学校の怪談を捉えるまなざしが大/切ではないでしょうか。
色々突っ込みたいところがある。――どうしても、矛盾しているんじゃあないのか、と思ってしまう。「大変な人気」ならば「口伝え」に任せて置けば良いではないか。どうして「子どもたちの想像力」に任せて置かず、商品として画一的なものを供給する必要があるのだろうか*1。正直私は止めて欲しいと思っている。――それに、現代の分別ある大人がこういうものを「非科学的」と否定するのは至極当然のことであって、大人が「遠ざける」も何も、子供同士で勝手に自由に盛り上がればそれで良いのである。何故大人がそこまで気を遣って話題にしてやらにゃあならんのか、と思うのだ。
次に「親子の会話が豊かに広がります」とある「東京外国語大学教授/教育心理学/田島 信元」の推薦文。
今の子どもには子どもどうしの。また教師/や親など大人との、徹底した討論が足りません。/学校の怪談は、子どもたちの間に討論の機会/を与えていると言えるでしょう。大人にも、/子どもとの対等な会話や討論を取り戻/してほしいと思います。親との対話によって、/子どもは自己開拓能力や自己コントロール/能力を身につけていくのです。そして初めて、/子どもは教科的な知識を要領よく吸収してい/けるのです。民話や怪談、童話には昔から残/酷な場面がありますが、こういったテーマを/親子でぜひ話し合いましょう。「こども怪談/新聞」で親子の対話を豊かに広げてください。
これも2012年1月4日付「福田洋著・石川保昌編『図説|現代殺人事件史』(4)」に指摘したのと同様の、根拠のない尚古思想に基づく、無理な理屈の推薦文のように、私には感ぜられるのである。
『こども妖怪新聞』にも、同様の推薦文があったのであろう。
カバー裏表紙折返し、ゴシック体横組みで、上部に赤い楕円に白抜きで「こども新聞シリーズ/ 大好評発売中 」とあって、シリーズの書影が3段左右2つずつ、下に太字で書名。
上段左「『こども宇宙・天文新聞』」
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最下部中央、やや小さく「定価:各 [本体1,200円]+税」。
恐らく『こども妖怪新聞』のカバー裏表紙折返しにも同様の目録があり、下右に『こども怪談新聞 学校編』の書影が示されていた、と思う。(以下続稿)