瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

宇井無愁の上方落語研究(2)

角川選書11『日本人の笑い』(1)
 今手許にある、3版と六版を比較して見る。
 2017年12月31日付(1)に貼付した書影は3版に同じ。
 六版のカバーは黄色地の、杉浦康平(1932.9.8生)の装幀である。巻末に目録が4頁あるのは3版に同じだが、その六版の目録の最後(4頁め下段2行め)に挙がっている「86―日本の職人――――――吉田光邦」の書影を、参考までに上げて置こう。

 カバー表紙、右端には、カバー背表紙の子持枠(16.8×1.8)の左右両辺がわざとカバー表紙に(裏表紙にも)はみ出してある。右上、この子持枠に沿って明朝体でやや大きく「笑いに見る日本人の古代感覚」とあり、その左に浮世絵から「[寅]」と題する、竹の墨絵の描かれた衝立の前で、虎の真似をする奴を描いた部分を抜いてカットに使用している。中央左に子持枠(16.8×2.2cm)があり、上部右に、先に引いた右上の副題のような文字と同じ大きさの明朝体で著者名、左にゴシック体で大きく標題、下部に緑の羽を銜えて翼と脚を拡げた鳳凰とその下に明朝体で小さく「角川選書―11」とある。この子持枠の左側に小さく5行、漢字はゴシック体、仮名と句読点は明朝体で紹介文がある。

笑うべからざるときに笑う日本人の不可解な笑いは、ジャパニーズ・スマイルとして、今や世界的に有名となっている。
だが、この不気味な笑いを解くカギは、一体どこにあるのだろうか。
落語研究の第一人者である著者は、落語が説教に通じるという歴史的事実に着目して、日本人の民俗信仰に笑いの源流を求め、/現代人に表われる奇妙な笑いの謎が、日本人の深層心理の中に残る古代感覚に基因することを突きとめる。
ややもすれば難解になりがちな歴史的考察を一気に読了せしめる筆者の軽妙な筆致は、さすがというほかない。


 3版のカバーにはこのような紹介文はなく、カバー表紙には上(1.3cm)下(6.0cm)に帯状に茶色時に象形文字を抜いてあり、明朝体横組みで上部に「角川選書日本人の笑い宇井無愁」中央に茶色で象形文字のマーク、その下に「― 11 ―」とある。
 カバー背表紙、3版は上部の帯の間、上部に明朝体太字で大きく標題、1字分空けて縦長でやや大きく著者名、最下部に小さく「11」。下の帯の最下部、象形文字に紛れて「角川/選書」とある。六版は子持枠内の最上部に明朝体で著者名、中央やや上にゴシック体で大きく標題、最下部、カバー表紙と同じ緑*1鳳凰とその下に「角川選書―11」とあるようだが分類票貼付ではっきり見えない。
 六版のカバーには裏表紙や折返しにも文字が多いので次回に回す。3版は裏表紙の帯状に挟まれた部分(11.4cm)の最下部左寄りに「¥500   0310-7003011-0946(0)」とある。折返しには帯状が象形文字1行分食い込んでおり、他に文字はないようだがブックコートフィルムのために端が切除されているので断定は出来ない。裏表紙折返しの端、下から5.5cmのところにカラーマーク(0.35×1.2cm)が2つ、茶色とその上に(0.35cm空けて)黒。(以下続稿)

*1:但し褪色して縹色に見える。