瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

Agota Kristof “Le Grand Cahier” (5)

アゴタ・クリストフ/堀茂樹 訳『悪童日記』(5)
 文庫版の初刷と十三刷のカバーの比較、5月31日付(3)の続き。但し6月3日付(4)に見たように、十三刷のカバーは3年後の改装である*1
 カバー背表紙の標題が緑色地に明朝体白抜きであることは既に述べた。初刷は青緑に見えるがこれは褪色で、カバー表紙側の続きやカバー表紙左下の緑地が普通の緑色である。
 カバー背表紙の異同は、最下部のごく小さいゴシック体横並び横組み「早川書房」の上に「620/+税」と初刷にはあったが十三刷は数字が「660」になっている*2
 カバー裏表紙は白地に全て横組みで、中央やや上に横線(9.0cm)があるのは同じ、横線の上、左側にバーコード2つ、1つめ「9784151200021」は一致、2つめは初刷「1920197006203」十三刷「1920197006601」、その下は初刷は余白だが十三刷には小さく「ISBN978-4-15-120002-1/C0197 \660E」とある。右側にはゴシック体の紹介文、初刷には、

戦争が激しさを増し、双子の「ぼ/くら」は、小さな町に住むおばあ/ちゃんのもとへ疎開した。その日/から、ぼくらの過酷な日々が始ま/った。人間の醜さや哀しさ、世の/不条理――非情な現実を目にするたびに、ぼくらはそれを克明に日/記にしるす。戦争が暗い影を落と/すなか、ぼくらはしたたかに生き/抜いていく。人間の真実をえぐる/圧倒的筆力で読書界に感動の嵐を巻き起こした、ハンガリー生まれの女性亡命作家の衝撃の処女作。

とあったが、十三刷は次のように、若干書き換えられている。
 初刷で仮に太字で示して置いた箇所は、十三刷で書き換えられたり削除されたりしているところで、十三刷での加筆を仮に太字で、初刷にあるが位置を変えている箇所を仮に灰色太字で示して置いた。。

戦争が激しさを増し、双子の「ぼ/くら」は、小さな町に住むおばあ/ちゃんのもとへ疎開した。その日/から、ぼくらの過酷な日々が始ま/った。人間の醜さや哀しさ、世の/不条理――日々出会う非情な現実/を、ぼくらは独自のルールにしたがって日記にしるす。戦争が暗い/影を落とすなか、ぼくらは二人で/したたかに生き抜いていく――倒的筆力で描き出された人間の真実をえぐる物語。いまなお世界衝撃を与えつづける類稀な傑作*3


 横線の下、左側に初刷は行間に余裕を持った3行に、3行めは明朝体で「ISBN978-4-15-120002-9C0197 \620E/定価(本体620円+税)」とあったが、十三刷は「定価(本体660円+税)」のみで数字はオールドスタイルになっている。右端に「TOKYOHAYAKAWABOOKS」のロゴは一致*4。(以下続稿)

*1:6月22日追記】十八刷と二十刷のカバーも、この十三刷のカバーに一致。

*2:6月22日追記】十一刷も「660」。

*3:ルビ「たぐいまれ」。

*4:6月22日追記】十一刷のカバー裏表紙、右側(紹介文等)は初刷に同じ、左側は柏原氏の表紙のカバー(十三刷・十八刷・二十刷)に同じ。