アゴタ・クリストフ/堀茂樹 訳『ふたりの証拠』(2)
これまでに見た単行本の諸版、初版・17版・22版について比較して見た。比較の要領は、昨日比較した、三部作の第1作『悪童日記』の単行本に同じ。
カバーは全て一致。
本体、本文にも手直しがあるかも知れないが、そこまで検討出来ていない。
確認出来た異同はやはり奥付である。まづ発行日の2行が、当然のことながらそれぞれの版で異なり、5月28日付(1)の諸版一覧に示したものとなっている。
17版と22版は、発行日以外は一致している*1。
異同は『悪童日記』と同じく、まづ電話番号と振替番号で、初版は「電話 東京(3252)3111(大代表)/振替 東京・6-47799」で『悪童日記』初版・13版・14版に同じ。17版・22版は「電話 03−3252−3111(大代表)/振替 00160−3−47799」となっていて『悪童日記』24版に同じ。
もう1点、最下部に、17版・22版には「落丁・乱丁本は小社制作部宛お送り下さい。/送料小社負担にてお取りかえいたします。」と、5月31日付「Agota Kristof “Le Grand Cahier” (3)」に注意した2行が『悪童日記』14版・24版に同じく追加されているが、初版には『悪童日記』初版・13版と同じく入っていなかった。
すなわち、それぞれの本に固有の情報(書名・発行日・ISBNコード)を除いて、奥付の形式や訳者・発行者・版元・印刷所・製本所などは『悪童日記』と『ふたりの証拠』で一致している*2。
奥付の裏に、昨日も注意したように目録「ハヤカワ・ノヴェルズ〈コンテンポラリーライターズ〉」が1頁ある。
○初版・5版*3 海辺の家族/私の夜はあなたの昼より美しい/盗み/愛の選択/ある少年の物語/美しい部屋は空っぽ*4
○17版・22版 ここではないどこかへ(上・下)/夢見た旅/アクシデンタル・ツーリスト/家族の写真(上・下)/愛している/見つかっちゃった*5
昨日の『悪童日記』と同様、今後見た版についてもここに追加して行くこととする。(以下続稿)