映画の中で、市民フィルハーモニーが山田耕筰(1886.6.9〜1965.12.29)指揮するオーケストラと合同演奏会を開く場面、チャイコフスキーのピアノ協奏曲が演奏されるのだが、ピアノを吹替なしでプロのピアニストが担当している。
・室井摩耶子『わがままだって、いいじゃない。 92歳のピアニスト「今日」を生きる』 2013年4月6日 初版第1刷発行・定価1,400円・小学館・195頁・四六判並製本
わがままだって、いいじゃない。―92歳のピアニスト「今日」を生きる
- 作者: 室井摩耶子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/04/01
- メディア: 単行本
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- 作者: 室井摩耶子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2017/04/06
- メディア: 文庫
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そこでまづ文庫版を図書館で見付けて、本作に関する記述があることを確かめ、さらに巻末、186〜188頁「文庫版あとがき」に次いで、白紙が1頁あって、奥付の前の頁、下部中央に明朝体縦組みで小さく、
―――――――本書のプロフィール―――――――
本書は、二〇一三年四月に単行本として小学館から
刊行された『わがままだって、いいじゃない。―92
歳のピアニスト「今日」を生きる―』を改題し、加
筆改稿して文庫化したものです。
構成/竹中はるみ
と由来が説明されているので、単行本も借りて見た。
詳細な比較は別にすることにして、差当り本作に関する記述を見て置こう。
単行本85〜115頁・文庫版79〜109「第4章/これが最後の演奏会。/ピアノをやめようと/思ったこともあるわ。」には15節、単行本98頁6行め〜99頁(14行め)・文庫版92〜93頁、8節め「一度だけ、自分自身が映画に出たこともあります。/映画『ここに泉あり』では岸惠子の敵役だったんですよ。」(「目 次」では、単行本12頁上段2行め・文庫版10頁下段15行め「○映画『ここに泉あり』では岸惠子の敵役」)がそれである。なお、「出たこともあります」となっているのは、直前の7節め、単行本96頁9行め〜98頁5行め・文庫版90頁3行め〜91頁(13行め)「黒澤明監督の映画に私の“手”が初出演。/原節子さんの白魚のような手の吹き替え役でした。」(「目 次」では、単行本12頁上段1行め・文庫版10頁下段14行め「○黒澤明監督の映画に私の"手"が初出演」)に、自宅のある成城に写真化学研究所(PCL)があった関係で映画音楽の演奏もよく依頼され、黒澤明(1910.3.23〜1998.9.6)監督とも度々組んでいたが、昭和21年(1946)10月29日公開『わが青春に悔なし』では演奏だけでなく、アップになるシーンで「手」だけ「初出演」した、と云う回想があったからである*1。(以下続稿)
*1:映画出演の回想はこの2節。