瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

ビートたけし『たけしくん、ハイ!』(5)

・『シナリオ・たけしくん、ハイ! 』(5) 口絵写真③
 口絵写真について、昨日の続きで『シナリオ・続・たけしくん、ハイ!の2頁めから。
 2頁めは上下段とも左寄りに大きな資料の写真があり、右に台本の写真を被せる。すなわち上段右側に台本の表紙、キャプションは下の右寄りに「オリジナルの台本。これが/3冊で15回の放送分。」とある。台本の表紙には明朝体縦組みで、右端に小さく2行「放 送 昭和61年7月20日(月)〜7月25日(金) 21時40分〜22時00分/再放送 昭和61年7月22日(火)〜7月28日(月) 13時05分〜13時25分」とあり、中央に大きく標題「[続]たけしくんハイ 」があり「続」は□で囲った手書き風。その右上に「銀河テレビ小説」と添え、同じく左下に「第一回〜第五回/    (連続十五回)」とあってこの台本が3冊めであることが分かる。左下に「NHKTV放送台本」とある。
 この台本の書影の下から左に「カメラの位置や役者の動きを書き込んだ台本。右下の写真がその全体」と下にキャプションを添えた台本の一部の写真。右頁(部分)に鉛筆で手書きの登場人物の配置図。卓袱台等を○で囲んだ登場人物の頭文字が囲む。時計回りに、竹・三・源・定・英・秀・菊・真の順。すなわち、西野竹次郎、三上、松原源治・定子夫妻、西野英一郎・秀二郎兄弟、西野菊、西野真利子。うち(秀)は室外から着席位置まで続く矢印があって、入って来ることになっている。「<」で向きを指定したカメラ「A」と「C」が室外にある。「B」は表紙の写真の下になって見えないのであろう。上の余白にも鉛筆で「アドリブ」と記入。適当に雑談をしているところに竹次郎の次男(たけしの次兄)の秀二郎が帰ってくる、そんな場面である。左頁(部分)には和文タイプの縦組みで、

菊   ほんとに、どこにいっちゃったのかしらねえ、
    たけしは。

とある。同じ台詞は110〜120頁「9」(第九回)、シーンに番号が打たれていないが15番め、114頁下段12行め「●西野家・茶の間」のシーンに見える。見出しは2行取り。本文(13行め〜115頁上段4行め)を抜いて置こう。ト書きは2字下げ、台詞の2行め以下は1字下げ。

  真利子の全快祝いである。
  源治、定子、三上が来ている。
  卓袱台に赤飯。
  竹次郎と英一郎は源治達と一盃やっている。
菊  「ほんとに、どこに行っちゃったのかしらね/え、たけしは。」
  秀二郎も帰って来る。【114】
竹次郎「たけし、いたか?」
秀二郎「広っぱにもどこにもいないんだ。」
真利子「どこ行っちゃったんだろう。」
菊  「肝心な時にいないんだから、あの子は。」


 2頁め下「セットの設計図。左に見えるのがたけしの家である。」キャプションは上。方眼紙に書かれている。その右側にある頁を開いた台本の写真が斜めに被さる。これは98〜109頁「8」(第八回)の24番め、107頁下段11行め「●同・ナースステーション」で、本文は108頁上段18行めまでだが、この見開きの左頁には108頁上段14行めまでが収まっている。横線で仕切ったやや狭い上段がト書きで広い下段に台詞、余白に書き込み。なお、右頁の冒頭、上段に「を追う。」と読める1行があるが、これは23番めのシーン、107頁上段〜下段10行め「●同・病室」の最後の行「  たけしもあとを追う。」の後半。「同」は真利子の入院先の「東大病院」。
 3頁め上「たけしの淡い恋の相手弘子との記念写真。昨年に比べて小磯君がいかにも成長した様子がわかる。」後藤久美子は浴衣姿。
 3頁め下段、右上「大介のヘアースタイルに御注目。」キャプション下。左「スタッフの着るTシャツに注意。」大介は虎刈り、スタッフのTシャツは背中に親子でペンキを塗るイラスト、右上に横書きでタイトル、下に「GINGA」云々とある。
 4頁め上「西野一家を訪れて竹次郎たちと話がはずむ原作者の北野武。この時ばかりは皆さん、ニコニコ顔である。」。
 4頁め下「胆のう炎で入院した母の真利子を/心配そうに見やるたけし。」。
 5頁め上「電話が入った日、子どもたちを押しのけてはしゃいでいる竹次郎。もしかすると竹次郎が一番の子供なのかもしれない。」
 5頁め下「またまた母に叱られているたけし。/また、いたずらをしたんだ。」
 6頁め上「勉強ができてかわいい弘子のことが気になって仕方のないたけし。もう授業などそっちのけだ。」
 6頁め下「病弱な弘子を家まで送り、コチコチ/になって座るたけし。」
 7頁め上「たけしが大介といっしょに舟で行方不明になった夜、心配と不安でいたたまれない様子の大人たち。」
 7頁め下「ありゃあ、またもや立たされてしまった/たけし。さすがに恥しい。」
 8頁め上「ダメなオヤジだけれど大好きなオヤジ。そのオヤジの後を継いでペンキ屋になろうと思うたけし。」
 8頁め下「西野一家の食事風景。梅干しの/ツボが中央に見えている。」
 私の印象に残っているシーンは口絵には採られていない、竹次郎が授業参観に行くに際して酒を飲んでしまい、酔っ払って教室に現れて、たけしが恥じ入るところである。――今だったら校門は入り込めても校舎内への侵入(!)は阻止されているところなのだけれども。(以下続稿)