瑣事加減

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赤いマント(176)

・延吉実『司馬遼太郎とその時代 戦後篇(2003年9月20日第1刷発行・定価2400円・青弓社・306頁・四六判上製本

司馬遼太郎とその時代 戦後篇

司馬遼太郎とその時代 戦後篇

 折に触れて、私のやっていることと同じことを、私よりも前(もしくは後)にやった人がいないか、色々な語を入れて検索しているのだけれども、先月「山中恒 赤マント」で検索するに、この本がヒットしたのでした。
 次の本の続篇です。
・延吉実『司馬遼太郎とその時代 戦中篇(2002年2月16日第1版第1刷発行・定価2400円・青弓社・313頁・四六判上製本
司馬遼太郎とその時代 戦中篇

司馬遼太郎とその時代 戦中篇

 著者の延吉氏については、奥付の上部に明朝体横組みで、やや大きく「延吉 実(のぶよし・みのる)」と題して、以下の紹介があります。

本名・藤田佳信。
1950年、京都市生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。関西/大学大学院博士課程修了(専攻・英米文学、比較文学
藍野学院短期大学助教授、関西大学非常勤講師。日本スタイ/ンベック協会会員
著書に、長篇小説*1『王宮の閨房』|『愛と慰め』(ともに*2青弓/社)、共著書に、『英米文学を学ぶ|よろこび』『知の諸相』(大*3/阪教育図書)、『スタインベ|ックを読みなおす』(開文社出版)、/共訳書に、スタインベッ|ク『ロシア紀行』(「スタインベック/全集」〔日本翻訳出版文|化賞〕第14巻所収、大阪教育図書)*4


 これは『戦中篇』の紹介に、最後の段落の異同箇所を灰色太字で示し、註に『戦後篇』の本文を示しました。「|」は『戦後篇』の改行位置。藤田氏は現在、京都府立医科大学 医学部看護学科特任教授です。
 私は司馬遼太郎(1923.8.7~1996.2.12)の小説は、2011年1月1日付「森鴎外『雁』の年齢など」に述べたような理由で、殆ど読んだことがありません。『翔ぶが如く』は文春文庫(旧版)が父の書棚にあったので、実家にいた頃に、暇な折などに拾い読みをして粗方読んでしまったと思うのですが、通して読んでいません。拾い読みしたせいか、新聞小説らしく同じような説明が何度も繰り返される箇所も、余り気にならず、むしろ長期連載では当然のことではないか、と思ったものでした。

翔ぶが如く (1) (文春文庫)

翔ぶが如く (1) (文春文庫)

翔ぶが如く (2) (文春文庫)

翔ぶが如く (2) (文春文庫)

翔ぶが如く (3) (文春文庫)

翔ぶが如く (3) (文春文庫)

翔ぶが如く (4) (文春文庫)

翔ぶが如く (4) (文春文庫)

翔ぶが如く (5) (文春文庫)

翔ぶが如く (5) (文春文庫)

翔ぶが如く (6) (文春文庫)

翔ぶが如く (6) (文春文庫)

翔ぶが如く (7) (文春文庫)

翔ぶが如く (7) (文春文庫)

翔ぶが如く (8) (文春文庫)

翔ぶが如く (8) (文春文庫)

翔ぶが如く (9) (文春文庫)

翔ぶが如く (9) (文春文庫)

翔ぶが如く (10) (文春文庫)

翔ぶが如く (10) (文春文庫)

 大河ドラマ翔ぶが如く」の放映は平成2年(1990)で私の高校卒業の頃から浪人時代、昨年の「西郷どん」を見ていて、――例の掛け声とともに木刀を振り下ろす示現流の稽古の場面や、西郷(西田敏行)が島津斉彬に初めて会ったとき、加山雄三の顔がどーんとアップになったところ、西郷を流刑地から呼び戻さざるを得なくなって、忌々しさに銀煙管に歯形を付けてしまう島津久光高橋英樹)、寺田屋騒動で肌脱ぎの大山格之助蟹江敬三)が血塗れになるところ、岩倉具視小林稔侍)と大久保(鹿賀丈史)の密談、そして西南戦争、――と色々思い出したところからして、どうやら受験生なのに欠かさず見たもののようです。私は世界史受験(!)なので日本史の勉強と云う口実にはならないので、思えば呑気な浪人生でした。 「翔ぶが如く」を見ていた頃は、別に何とも思っていなかったのですが、その後私は、尊皇攘夷の狂った連中が明治維新の立役者だなんて何て悪い冗談だと思うようになって、長州も薩摩も水戸も嫌で、国学も好きではないのですが、最近は仏教も余り好きではなくなって来ました。それとはともかく、昨年の大河ドラマは西郷のペテンをどう描くのかと思ったら、まるで運動会のように城山での最期を潑剌と描いていたので、仰天しました。 司馬氏の原作のTVドラマでは「坂の上の雲」も見ましたが、原作を読もうとは思いませんでした。(以下続稿)

*1:『戦後篇』は「、『司馬遼太郎とその時代――戦中篇』」。

*2:『戦後篇』は「いずれも」。

*3:『戦後篇』は版元名の前に「ともに」あり。

*4:『戦後篇』はここに「ほか」あり。