瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

吉行淳之介『恐怖対談』(1)

 吉行淳之介(1924.4.13〜1994.7.26)の小説は、殆ど読んだことがない。有名作家の作品は他の人に任せて置けば良いと思っていたのと、題材にされている娼婦に興味も親しみも覚えないからである。落語の廓噺も好きではない。勉強のために聞いたので、大して面白いとは思えなかった。
 しかし吉行氏の名前は知っていて、小学校の低学年の頃、当時住んでいた静岡県で、地方営業所勤務で休日は余裕があった父が、家族サービスとして毎日曜日に県内各地をドライブして回ったのだが、浜岡原子力発電所を見学した際*1、父と母の間でねむの木学園がこの辺に、みたいな話が出ていて、今、地図で見るとそんなに近くもないのだが、そこで宮城まり子(1927.3.21生)の名前が出て*2、そのとき吉行淳之介の名前も出たように思うのである。
 それから40年、父が好んでいた山藤章二の似顔絵で見たり、遠藤周作北杜夫のエッセイなどに登場するのを読んだり、『好色一代男』や『好色五人女』の現代語訳を読んで、松田修との対談で森銑三を批判していることに好感を覚えたり、小説を読もうと云う気は全く起こらなかったが、それなりに接する機会があった。
 しかしそれよりも、連続テレビ小説あぐり』の影響が大きいかも知れない。
清水有生脚本『あぐり平成9年(1997)4月7日~10月4日放映

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 私は学会発表を1度やっただけの、まだ呑気な修士課程の院生だったので、周囲のやはり呑気な人々とこのドラマの話題で盛り上がっていた記憶がある。
 それはともかくとして、今回、対談の名手だったらしい吉行氏の、12年続いた対談から幾つか材料を拾うことになって、ついでに一通り眺めて置こうと云う気分になった。
『恐怖対談』
①単行本(四六判並製本
恐怖対談 (1977年)

恐怖対談 (1977年)

・昭和52年12月15日印刷・昭和52年12月20日発行(231頁)定価七八〇円*3
・昭和53年2月15日2刷 定価七八〇円
新潮文庫2676
恐怖対談 (新潮文庫 よ 4-10)

恐怖対談 (新潮文庫 よ 4-10)

恐怖対談 (1980年) (新潮文庫)

恐怖対談 (1980年) (新潮文庫)

・昭和五十五年十二月二十五日発行(270頁)
・昭和五十六年一月二十五日二刷 定価280円*4
・昭和五十六年十一月十日四刷 定価280円*5
・昭和五十九年一月二十日七刷 定価320円*6
『恐怖・恐怖対談』
①単行本(四六判並製本
恐怖・恐怖対談 (1980年)

恐怖・恐怖対談 (1980年)

・昭和55年5月15日印刷・昭和55年5月20日発行(229頁)定価八三〇円*7
新潮文庫3019
恐怖・恐怖対談 (新潮文庫)

恐怖・恐怖対談 (新潮文庫)

・昭和五十八年五月十五日印刷・昭和五十八年五月二十五日発行(291頁)定価320円*8
『恐・恐・恐怖対談』
①単行本(四六判並製本
恐・恐・恐怖対談 (1982年)

恐・恐・恐怖対談 (1982年)

・昭和57年2月15日印刷・昭和57年2月20日発行(225頁)定価八三〇円*9
新潮文庫3690
恐・恐・恐怖対談 (新潮文庫)

恐・恐・恐怖対談 (新潮文庫)

・昭和六十一年九月十五日印刷・昭和六十一年九月二十五日発行(288頁)定価360円*10
『特別恐怖対談』
①単行本(四六判並製本
・昭和60年9月15日印刷・昭和60年9月20日発行(213頁)定価九〇〇円
新潮文庫3960
特別恐怖対談 (新潮文庫)

特別恐怖対談 (新潮文庫)

・昭和六十二年十一月十五日印刷・昭和六十二年十一月二十五日発行(245頁)定価320円
 差当り最初の『恐怖対談』と、最後の『特別恐怖対談』の、単行本と文庫版を手許に揃えて見た。(以下続稿)

*1:当時の父は2014年4月19日付「芥川龍之介「人を殺したかしら?」(1)」に述べたように、科学と未来を信じていたから、原子力発電にも大賛成であった。

*2:私は藝能人としての宮城氏は全く見ていない。

*3:8月8日追加。印刷日と定価を追加した。

*4:8月7日追記新潮文庫の番号は二刷では「2470」となっていたが、7月24日付「吉行淳之介『贋食物誌』(1)」に述べたように『贋食物誌』の番号とダブっており、『恐怖対談』の番号が誤りと思われる。今日、四刷と七刷を確認するに「2676」となっていたので、「2470」としていた番号をこれに改めた。

*5:8月7日追加。

*6:8月7日追加。

*7:7月20日追加。

*8:8月7日追加。番号「3019」も追加。

*9:7月20日追加。

*10:8月7日追加。番号「3690」も追加。