瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

「木曾の旅人」と「蓮華温泉の怪話」拾遺(125)

 この春、ブログでコツコツやっているだけでは、なかなか認知してもらえないらしいことを思い知ったので、4月から告知用に Twitter を始めたのだが、Twitter の仕組みや Tweet 閲覧者の行動が分かって来るに連れて、やはり殆ど効果がないことを実感している。誘導して見てもらおうと思っているのだが、Google analytics のデータと照らし合わせても、なかなかそこまでは持って行けていない。まぁ「蓮華温泉」が長過ぎるのも事実だけれども。しかし、今日、久し振りに「蓮華温泉」以外の記事について Tweet したのだけれども、(3)が一番重要なのに#を付けなかったらスルーされている。昨日の記事も#なしで Tweet したらほぼ無反応だ。いや、今日 Tweet した分は、記事を上げた4年前には全く注意されなかった訳だから、一応 Tweet した意義はあった訳だけれども、‥‥とにかく、こうして学んで行くしかないのであろう。

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 TOブックスの『‥‥の怖い話』シリーズは、これまでに「芸能界」が10点(再編集のTO文庫版が7点)、北海道や各県、東北などの地方別のものが28点(うち2点はTO文庫版あり)が出ているようだ。私も何冊か図書館で手に取ってざっと眺めたことがある。しかしながら、事件の起こった日時・場所、そして死亡者や話者、さらに潤色された箇所を知りたいと思ってしまう私には、どうも最近のこの手の本は使いづらい印象があって、これまでは書架巡りに倦んだ際の気分転換に手にするくらいで、借りて読んだことはなかった。
丸山政也・一銀海生『長野の怖い話 亡霊たちは善光寺に現る

長野の怖い話 亡霊たちは善光寺に現る

長野の怖い話 亡霊たちは善光寺に現る

・2018年9月1日 第1刷発行・定価1200円・TOブックス・236頁・B6判並製本
 本書については、Amazon 詳細ページに投稿されている2件のカスタマーレビューのうち新しい方、2019年5月13日にHN「夜光虫」が投稿したレビューに、「怖い話」より「ご当地の歴史」に重点が置かれていると喝破されているように、他の『‥‥の怖い話』シリーズとは大分色合いが違う。もう1件、2018年11月12日の朝間健のレビューはこの点について「‥‥。まず、前書きに丸山さんが編集方針を明確に書き、巻末には参考文献が列挙されている。本シリーズでは他にないこのきちんとした仕事ぶりからも、丸山さんの真剣な意気込みが伝わってくる。内容の半分は昔の伝説、言い伝えなどだが、それが現代の怪談とうまく混ぜ合わされているので、時代を超えた怪異の水脈が感じられてくる。‥‥」と的確に評している。
 朝間氏が述べているように、2~7頁、丸山政也「まえがき」にもこの点について、「類書との差別化」と云うことでこのような方針を立てたことが説明されている。これは、他の『‥‥の怖い話』シリーズに対する批判*1でもあるようにも、思われる。
 そういう訳で、232~236頁、一銀海生「おわりに」に続いて、以下頁付なしで237頁に当たる頁は真っ黒(「まえがき」と「おわりに」は黒地に白抜きで本文)、その裏の見開きにゴシック体で小さく、他の『‥‥の怖い話』シリーズにはない「参考文献・出典・初出・引用」が列挙されている。
 初めの3点は丸山氏の著書、4点めから当ブログでも最近取り上げた本が並んでいる。

『杉村顕道怪談全集 彩雨亭鬼談』杉村顕道著 荒蝦夷
『信州の口碑と傳説』杉村顕著 信濃郷土史刊行会*2
『山怪実話大全 岳人奇談傑作選』東雅夫編 山と渓谷社
『山の怪奇・百物語』山村民俗の会編 エンタプライズ刊


 この4点めを見て「蓮華温泉の怪話」を取り上げているであろうと察しを付けたのだが、それで直ちに8~11頁(頁付なし)「目次」を見るに、既に9月16日付(119)にも触れたのだけれども、9頁13行めに「二十二 招かれざる客 北安曇郡」があり下部まで「………」で繋いで「091」とある。他に「目次」に候補になりそうな題もないので、頁を繰って91~100頁を見るに、間違いなく「蓮華温泉の怪話」の再話なのであった。
 しかし、それ以上に私が驚いたのは「参考文献・出典・初出・引用」の続きである。8・9点め、

『日本怪談実話(全)』田中貢太郎著 河出書房新社
『日本怪奇物語』平野威馬雄著 日本文芸社

に続いて10~15点め、地元長野の出版社・一草舎の出版物が6点並んでいる。(以下続稿)

*1:他書の Amazon 詳細ページに寄せられたカスタマーレビューに、ネットで検索したら出て来るような話ばかりだ、との批判があった。

*2:信濃郷土誌刊行会」が正しい。