瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

日本の民話1『信濃の民話』(1)

 未来社版『日本の民話』シリーズは、かつては大抵の図書館のNDC「388」の棚にずらりと並んでいた。しかし今や、書庫に仕舞われたり、台車の付いた階段を登らないと届かないような高所の棚に並べられたり、50順にバラバラに配架されたり、すっかり影が薄くなってしまった。
 さて、このシリーズは2011年10月24日付「浅沼良次編『八丈島の民話』(1)」及び2017年9月2日付「浅沼良次編『八丈島の民話』(7)」に見たように、5種類の版が出ている。本書もこれに倣って、整理して置くこととする。
上製本(初版)206頁・A5判上製本

・一九五七年  六 月三〇日 第 一 刷発行・一九六八年 一一月二〇日 第二〇刷発行・定価 四五〇円
 私の見た本はカバーが外されている。本体の表紙は布目を摺出した灰色の紙で包まれている。表紙の左肩に墨書風の金文字で標題、文字はカバーや扉のものとは異なる、下部右寄りに橙色の長方形(0.9×4.5cm)に窪ませて「日本の民話」を地色のまま浮き出させている。さらに右に橙色で「1」と添える。但し地色と重なっているので暗い橙色である。背表紙は上部に表紙の金文字の標題を縮小したらしい標題、下寄りに橙色の長方形(3.0×0.7cm)に「日本の民話」と浮き出させ、下に橙色で「1」と添える。最下部は分類票貼付のため文字の有無不明。
 奥付の裏、1頁分が目録「日本の民話(全五〇巻)」と題しながら「45 武 田   明編 阿 波 の 民 話㈡  四五〇円」まで、別に「日本の民話・別巻」4点。
・一九五七年 六 月三〇日 第 一 刷発行・一九七七年 三 月一五日 第三五刷発行・定価九五〇円
 奥付裏の見開きが目録、「日本の民話」は「61 稲 田 和 子編 鳥 取 の 民 話」まで、「日本の民話・別巻」4点。
・一九五七年 六 月三〇日 第 一 刷発行・一九七八年 七 月三一日 第三六刷発行・定価 一二〇〇円*1
 奥付裏の見開きが目録、「日本の民話」は「68 大 庭 良 美編 石 見 の 民 話(二)」まで、「日本の民話・別巻」4点。
並製本(新装・オンデマンド版)2006年7月20日 発行・定価4200円・206頁・A5判並製本
 覆刻されているのは次の本。
・一九五七年 六 月三〇日 第 一 刷発行・一九六四年一二月一五日 第一五刷発行
 奥付に定価がないが、削ったのか元からなかったのか不明。
 ④第一五刷と①第二〇刷を比較して見た。見返しの用紙が黄緑色であるところは同じ。扉、④第一五刷は白い厚紙、①第二〇刷はクリーム色の厚紙で、中央に赤で縦組みの編者名と標題は同じ、左上に緑褐色の長方形(0.9×4.5cm)に明朝体白抜きの「日本の民話」右に「1」と添え、右下に同じく緑褐色の長方形に明朝体白抜きで④第一五刷「未 来 社 刊」(0.8×4.5cm)と①第二〇刷「未 来 社 版」(0.8×4.2cm)とあるのは、④第一五刷は文字が太く、①第二〇刷はごく細い。④第一五刷は後年のものから採っているように見える。
 1~206頁は(恐らく)一致。奥付はほぼ同じ、異同は発行日の2行、発行者と発行所の間の縦線が④第一五刷(4.8cm)は細く、①第二〇刷(4.5cm)は太いこと、発行所の左(下寄せ)、④第一五刷は小さく「振替 東京八七三八五」と添えるのみだったのが①第二〇刷は「電話(八一四)五五二一=代表/振 替・東 京 八七三八五」と電話番号(括弧内の漢数字のみ半角)が入ること、最後の行の括弧に組版・印刷・製本所を示すが、④第一五刷は全角の中黒点で区切るのに対し①第二〇刷は「(三正社整版・萩原印刷・橋本製本)」と半角になっている。
 ①第二〇刷は奥付の裏が最後の頁で目録があるが、④第一五刷は下部中央に2017年9月2日付「浅沼良次編『八丈島の民話』(7)」に引用した《オンデマンド出版にあたって》があり、次の頁にオンデマンド版の奥付、その裏は白紙。
 なお、編者は「「信濃の民話」編集委員会」となっていたが、⑤新版で「瀬川拓男・松谷みよ子 編」と実態に合わせた表示に改められている。
信濃の民話 ([新版]日本の民話 1)

信濃の民話 ([新版]日本の民話 1)

  • 発売日: 2015/04/22
  • メディア: 単行本
 新版との比較は長くなるので別に果たすこととしたい。(以下続稿)

*1:2021年3月10日追加。