・「不思議な世界を考える会会報」(5)
それでは、前置きが長くなりましたが本文の比較をして行きましょう。
①「不思議な世界を考える会会報」20号は未見。この号が出典であることは以下の②③④に明示されているのですが、実は少々厄介な問題があるのです。詳しくは本文を見た後に取り上げることとします。
②『夢で田中にふりむくな』第4章 死んだあとでも(57~82頁)20話中14番め「壁の爪あと(1) 」
題は70頁3行め、右にある縦線(12.3cm)の下寄せで、斜体の明朝体太字で入っています。前を1行分、後を1行分弱空けていて、4行めから本文、72頁4行めまで。71頁(頁付なし)は暗い背景の中央から右及び下方に掛けて、手形を多数(100近く?)描いたイラスト。
③ 日本の現代伝説『走るお婆さん』Ⅰ 新たな恐怖(11~54頁)15節40話中、5節め「壁の傷あと」(24~28頁11行め)には、例話「壁の傷あと」に添えて類話が2つ、合計3話が紹介されているが、24頁14行め「〔類話1〕壁の爪あと」と題して26頁3行めまで。
④ いまに語りつぐ 日本民話集 伝説・現代民話⑪『学校の怪談』6章に合計100話収録、3章め「怪談はいたるところに」には「四十一」から「五十五」までの15話。121~122頁「五十五 壁の爪あと*1」。
【A】前置き
②70頁4行め
これはある高校の写真部で先輩から後輩へと語り伝えられている話だ。
③24頁15行め~25頁1行め・④121頁2~3行め
7月4日付(22)・7月5日付(23)に注意したように、③と④は出典の表記をほぼそのまま受け継いでいるはずで、本文に異同は殆どないはずです。そこで本文は纏めて、③の本文に④との異同を註記する形で示すこととしました。改行箇所は③「/」④「|」で示し、③にあって④にない文字を灰色太字で、逆に④にあって③にない文字を黒の太字で示しました。
出典を検討する際に詳細に及びますが、原資料が短期大学生のレポートなので、③④はそのような書き出しになっております。一方、②は2017年2月12日付「『夢で田中にふりむくな』(3)」に引用した「あとがき」に断ってあった通り、読物として提供すべく、このような個人的な事情を省いている訳です。(以下続稿)