瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

図書館派の生活(10)

 今日はA区立図書館の返却期限なので、4月5日付「花粉サイクリング(4)」に述べた4月3日以来、3ヶ月半ぶりにA区立K図書館に出掛けた。4月にK図書館で借りた本は、6月17日付「阿知波五郎「墓」(19)」の前置きに述べたように、6月17日に別の図書館に返却した。今日はそこで借りた本を返しに行ったのである。
 距離は、6月に行ったA図書館の方が(若干だが)近く、都心からも離れているのだが、梅雨が明けないので電車で行くことも考えて、K駅が利用出来るK図書館に予約を入れて置いた。しかしあんまり予約を入れても使い切れないので2冊に止める。もちろん都心を回った方が早くて安いのだが、そんな度胸はないので都心を迂回して行くのである。それだとA図書館は片道200円くらい高くなってしまう。本当は通い慣れたH図書館に行って、ついでに近所の博物館も覗いて来たいのだけれども。
 ところが、月曜の出勤前に、少し余裕があったので朝食で使った食器を洗って置こうと思って、腰を痛めてしまった。私の家は45年前に隠居所として建てられた(らしい)一戸建てで、流しが低いのである。ここ数日、ちょっと腰が危ないかな、と、たまに気付かないでもなかったのだが、決定的にどうかしなかったのでうっかりしていた。低い流しに手を伸ばして、兆候があったからだろう、無意識に、普段のほど前のめりにならずに洗おうとしたときに、ぐりんと腰の蝶番が外れたのである。ゴムバンドを腰に巻いて出勤して、普段の電車に余裕で乗れるはずが、やはり1本遅い電車になってしまったが、そんなに混んでいなかった。しかし、この電車だと車輌側面のドア4つの間にある窓のうち、真ん中の窓が初めから開かない作りで、前後の窓も閉まっていることがある。嫌だが仕方がない。
 以前、整形外科に行ったり整体に行ったりしたこともあるのだが、結局対症療法で、大人しくしていても大して違いはないので、近頃はゴムバンドで済ませている。
 それで、今日、どうしようかと思ったのだが、自転車に乗っている方が家にじっとしているよりも楽だし、10冊の本を乗換えの度に担いで階段を上り下りする方が大変である。いや、昨日だったら自転車になど乗っていられそうになかったが、今日は少しマシになったので、往復35kmくらい何とかなりそうである。
 心配なのは天気だが、昨夜の予報では、崩れるのは昼過ぎかららしいから、それまでに帰って来れば良いと思って、今朝、目が覚めたら雨が降っている。これは自転車は無理だな、しかし電車で行くのは辛そうなので、返却期限を過ぎてしまうが週末には腰もマシになっているだろうから自転車で、週末も天気が悪かったら電車でも仕方がないと考えて、ゆっくり起きたのだが、しかし小中学生が登校する頃には止んでいた。手間取るのでパソコンは立ち上げずにTVのデータ放送で天気を見るに、昼もしくは夕方まで曇りらしい。
 それならやっぱり行って来ようと9時過ぎだったか、9時半にはなっていなかったと思うが、返却する本を大きなビニール袋に包んで、鞄に入れて出掛けた。4月と6月は飲食物を持って出掛けたのだが、結局、帰るまで、ほぼ飲まず、そして全く喰わずに済ませてしまったので、今日は持って行かない。
 往路は途中まで、4月と6月と同じルートだから、もう慣れたものである。歩道を走ると段差の度に腰に響くが、幸い、最近自転車は車道を走るよう言われているので助かる。裏通りを選べるほど地理を把握していないのでほぼ幹線道路を行く。ルートは Google Map で徒歩ルートを検索し、混雑レーダーを参考に駅前など混みそうな場所を避けて決めてある。
 途中で、4月のルートから離れて、用水に沿った細い道に入る。しかし、途中で自転車が通りにくいくらい細い道になってしまい、少々困った。しかも、霧雨が降り始めて眼鏡に一面、水滴が付く。徒歩ルートを検索しているから往々にしてこういうことになる。仕方なく用水から離れて、しばらく行って用水を渡って4月のルートに戻る。この辺り、私が三浦半島の付け根辺りを週末ごとに自転車でうろうろしていた昭和末年の農村のような風情であった。涼しいことは涼しいが、このまま降り続けたら困る。と思っていたら、止んで道路も乾いている。一時的に霧雨の中に入り込んでしまったようだ。
 電車を跨ぐのに跨線橋を上り下りしたくないので、ルートから外れて住宅街に入る。2つの大学の前を通り掛かる。1つは緑濃きキャンパスで、もう1つは塀もなく開け広げである。そして、どちらも私が過去に非常勤講師として勤めた高校に風情が似ていて、何となく懐かしくなる。この辺り、駅に近い住宅地には戦前の風情を止めたお屋敷もあって、久しくこんなところを歩いていなかったなぁと、懐かしくなる。しかし、2つめの大学の辺りからまた雨が降り始め、やや本降りになって来た。
 念のため折畳み傘を持って来ていたが、とてもでないが片手でバランスを取って傘差し運転など出来る状態ではない。いや、傘差し運転など違法と知って以来久しくしていないが、それでも持って来てしまったのは本を濡らすのは避けたいと思ったからであった。しかし、全くおかしな発想であった。連日マスクのし通しで上せてしまったに違いない。
 走っている間は良いのだが、信号で止まって漕ぎ出すときが少々怖い。それから、歩道を煉瓦にしている通りがあって、曲がろうとしたら滑りそうになった。
 何とかK図書館に辿り着いて、まづアルコール消毒液を手に刷り込み、トイレで用を足して、また消毒する。
 ちょっと屁っ放り腰で、髪を短くしていたから良かったが、長かったら濡れた上に変な癖が付いて本当に怪しい奴になっていたところだった。若干濡れても見た目が変わらないような服だったことも幸いした。
 館内は老人で使用出来る席の6割方が埋まっていた。4月は窓口だけで中まで入れなかったから、久し振りに館内を一巡して、以前借りていた本を手に取って、借りようかと思ったのだが、借りても結局使わないと思って何冊かを書棚に戻す。しかし、予約で取り寄せてもらった本とともに借りたのは10冊近かった。後は帰心矢の如し。雨も止んだ。途中、随分明るくなって蟬も鳴き、暑くなる。行きも走っている間は涼しかったが、信号で止まる度に汗を掻いていたが、いよいよ堪え難くなってきたが、地元に戻って来てほっとしたせいか、気にならなくなる。蕎麦屋の前を通ったら満員だったので驚いた。コンビニエンスストアのATMで明日の回数券代を下ろし、残高照会したら特別定額給付金が入っていた。
 小学生がぞろぞろ帰って来る。分散下校なのだろうか。給食までで下校なのか。給食なしで下校ではなさそうだ。
 今年は都内に職場を変えることを検討していたので、今の職場は勤務を午前に固めてもらった。1つには、当時既にこうなることを予測していた、と少々予言者めいたことも言って置く。そのおかげで昼は少々遅くなっても家に帰って食べている。思えば2月くらいから外食していない。会食の予定がなかった訳ではないが、3月以降全て流れて、幸い、緊急事態宣言解除後に飲み会の話も出なかった。この分では夏もやらないだろう。もし今後やると言われても、もう断っても良いだろう。
 GoToキャンペーンを前倒しにした4連休って、オリンピックの開会式だったはずの日か。延期にしなければ違約金も払わずに中止になって、今頃すっきりしていたはずだのに余計なことをしたものだ。どうせ来年も出来っこないのに向こう1年、やるのやらぬので余計な支出と報道に煩わされることになる。何故何もしていないに等しい知事を再選させた。しかし、余計なタイミングで延期決定とか選挙とかがあるな。サン=ピエールにならないことを祈るばかりである。(以下続稿)