瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

いまに語りつぐ『日本民話集』伝説・現代民話(15)

・「現代民話」の出典⑧~内輪の資料(2)
 昨日の続きで、今回は⑫と⑬について見て置く。数が多いので年代・報告者50音順・追記の有無で並び替えた。
⑫『乗物とメディアの怪』編集:渡辺節子(細目:7月14日付(04)
・一九九三年高津美保子が記録
⑫八十五
・一九九七年大島広志による学生へのアンケート
⑫九十
・一九九七年大島広志による学生へのアンケート 話者は一九九一年頃中学の時の先生から聞く
⑫二十九
・一九九七年樋口淳による学生へのアンケート
⑫十六
・一九九八年大島広志による学生へのアンケート
⑫二十二・⑫七十八・⑫七十九・⑫九十一・⑫九十二
・一九九九年大島広志による学生へのアンケート
⑫五十五・⑫六十一・⑫九十四・⑫九十五㈠
・一九九九年大島広志による学生へのアンケート 一九八九年と一九八〇年代に聞く
⑫九十五㈡
・二〇〇〇年渡辺節子が記録
⑫八十八
・二〇〇二・二・一〇 渡辺節子記録*1
⑫十
・二〇〇二・八・三〇 渡辺節子が記録*2
⑫十一
・話者がアルバイト先の上司から聞いた話を高津美保子が記録
⑫六十九
 次回確認する⑮に「高津美保子が記録」した話が多く収録されているが、高津氏は、どうも、話を聞いた日時を記録しない癖があるらしい。
⑬『家族と食べ物にまつわる民話』編集:大島広志(細目:7月17日付(05)
・大島広志へ提出の高校生のレポート。
⑬七十五
・大島広志へ提出の専門学校生のレポート。
⑬二十五
・大島広志へ提出の大学生のレポート。
⑬十一・⑬二十二・⑬二十四・⑬七十六・⑬七十九・⑬八十・⑬八十一・⑬八十二・⑬八十三・⑬八十四・⑬八十五・⑬八十八・⑬九十・⑬九十三・⑬九十五
・大島広志へ提出のレポート
⑬三十・⑬三十一
・渡辺節子の原稿
⑬十四・⑬八十七
 大島氏は、⑫及び次回確認する⑮から察せられるように、レポートの提出年を記録しているはずなのだが、自分の担当した⑬の「話名および出典一覧」には、年を入れていないのである。その代わりなのか本文の方に、他の巻よりも詳しく、話の出処などの情報を注記している。しかしこれが、正直、余り役に立たないのである。
 ⑬八十「ニャンバーガー」の本文の後(201頁6行め)に小さく「(三年前の秋、友人の妹に聞かされた話)。」とあるが、提出年が分からないからこれでは役に立たない。⑬八十一「ミミズバーガー」の本文の後(201頁7~8行め)にも小さく「(中学二年の夏、友人T・Nと某所のマクドナルドで私はハンバーガーを、彼はフィレオフィッシュを/食べてる時に聞かされた話)。」とあるが、やはりこれも、報告者の男子大学生がいつ中学二年生だったのか、分からない。⑬八十二「ねずみ丼」は冒頭の段落(204頁2~3行め)に、

 この話は一九九五年、予備校に行っているときに古文担当の講師か/ら聞いた話である。*3

とある。これはレポートの本文そのままなのだろうけれども、⑬八十・⑬八十一も本文に組み込めそうに思うのだがどうなのだろう。⑬八十三「猫チャーシュー」も本文の後(206頁5行め)に小さく「(小学校五年生の時の担任の先生がしてくれた話)。*4」と、これも報告者の年齢(学年)が分からないから、役に立たない。⑬九十「コンビニのおでん」は、冒頭(218頁2行め)の「おととし」に( )に割注で「一九九/五年 」とあって、レポート提出年が1997年であることが判明する。しかし⑬八十以下のレポートも同年のものなのか、それらしく思われるけれどもはっきりしないから、どうも、使用に際して処理に困るのである。
 ⑬二十四「膝のフジツボ」の冒頭の段落(64頁2~3行め)に、

 友人(神奈川県茅ヶ崎市在住二十八歳女性)から聞いた噂話でこんな/ものがありました。*5

とあるのも、やはり基準となる年が示されないと28歳女性と云う情報を活用出来ない。――この上に⑫渡辺氏や⑮高津氏のように提出年を示してもらえたら、色々な考察に役に立ったことと思うのだけれども。
 なお、⑬三十「日焼けサロン」⑬三十一「死体洗いのバイト」は、ともに本文末に(東京都 女子大学生)とある。ならばこれらも「大島広志へ提出の大学生のレポート。」に含めるべきであろう。(以下続稿)

*1:漢数字は半角。

*2:漢数字は半角。

*3:ルビ「[よびこう]・[こうし]」。

*4:ルビ「[たんにん]」。

*5:ルビ「[うわさばなし]」。