瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

中学時代のノート(24)

・昭和56年頃に聞いた怪談ノート(21)後篇⑪ 怪談(その十四)平荘湖

 1行空けて29頁7~17行め、「先生」は■本先生で5年生のときのこと。

 先生がこわい話をしたのは一回きりだった。加古川(市、兵庫県)の○○池の近くに学宿にいったとき、その宿の人か/ら次の話をきいた。
 
 ○○池はため池で、その西(東?)半分に村があったが、/水没した。村には墓があって、人魂が出る(自分*1も見た)
 
という話を、友達二、三人と共に聞いた。(前篇に入れる/べきである)その時山(高さ一二四メーター)に登って、先生が、/こわいはなしをすることになったのだが、予定がおくれて/中止になってしまった。


 話の次の空白(13行め)には鉛筆の書き入れ、12行め「には」の左に「」、「あって」の左に「しずんでて」、同じく「が出」の間に「」で「池の上(又は池)に」と書き入れている。
 残りの2行は余白。

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29頁

 校訂案。誤字を修正し書き入れを活かした。

 先生がこわい話をしたのは一回きりだった。加古川(市、兵庫県)の平荘湖の近くに合宿に行ったとき、その宿の人から次の話を聞いた。
 
 平荘湖は溜め池で、その東半分に村があったが、水没した。村の墓が沈んでて、人魂が池の上に出る(自分も見た)。
 
という話を、友達二、三人と共に聞いた(前篇に入れるべきである)。
 その時山(高さ一二四m)に登って、先生が、こわい話をすることになっ〔てい〕たのだが、予定が遅れて中止になってしまった。


 池の名前が「へーそーこ」であったことは、地図を検索しているうちに気が付いた。
 平荘湖(兵庫県加古川市平荘町・加古川市東神吉町)は昭和41年(1966)に工業用水の供給を目的として建設されたダム湖で、現在北から半島のように突き出している70mの小山の東麓には「又平新田」と云う集落があった。私たち5年生が合宿に行ったのは平荘湖の北西畔にある加古川市立少年自然の家兵庫県加古川市東神吉町天下原)で「山」はその西に聳える黒岩山(132m)であろう。
 時期は(その五)寄宿舎の足音の怪談を聞いた後だから2学期。私たちは■本先生のこわい話を楽しみにしていたのだが、予定がズレ込んでその余裕がなくなり、代わりに■本先生に厳しく叱られたのである。そして結局、■本先生の怪談を聞く機会は1度きりになってしまったのであった。(以下続稿)

*1:振仮名「(話 者)」。