瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

ビートたけし『たけしくん、ハイ!』(38)

 長々とやっているけれども、たまたま『シナリオ』正続2冊を図書館のリサイクル本コーナーで入手したことと、この年末年始のNHKの地上波放送と云う切っ掛けがあったので始めたまでである。始めてしまうと長くなってしまうと云うまでで、記事の長さが思い入れの強さに比例している訳ではない。かつ、予定外にこれを始めてしまったことで、図書館から借りている他の分野の本が片付かなくなってしまった。途中で一旦そちらを片付けてしまおうかと思ったのだが、一旦途切れると中々再開出来なくなってしまうので、やはりしばらく続けることにする。この年末年始から、新たな課題に取り組み始めるつもりだったのだけれども、こっちを始めてしまったために、もう昨年末や年明けに借りて揃えていた本を返却してしまった。「たけしくんハイ!」について記事を上げる一方で、別の課題についても準備出来たら良いのだが、なかなかそうも行かないのである。そんな訳で、来月か再来月に借り直してから、始めることにするしかない。
 ちなみに云う。私は昭和が良かったと思っている訳ではない。ただ、最後の1/4だけれども子供時代を過ごしたので、何となく今よりも世の中が分かり易くて居心地が良かったような気がするだけなのだ。
銀河テレビ小説続たけしくんハイ!」出演(3)
 「続」は当初、予定されていなかった。前回触れた『シナリオ続』の「制作スタッフ覚え書き」、チーフプロデューサーの和田智允「素晴らしいアンサンブルのドラマ」の冒頭、197頁3~8行め、

 昨年(60年)夏に銀河テレビ小説枠で放送したテレビドラマ『たけしくん、ハイ』は大好評/でした。夜の9時40分からという遅い時間帯の放送にもかかわらず、連続15回の平均が約/18%、最終週は連日20数%という高い視聴率を記録しました。再放送希望と続編の放送希/望が殺到し、担当者としてはその応対に嬉しい悲鳴をあげるほどでした。銀河テレビ小説/をよく見てくださるのは女性とご老人が多いと言われているのですが、今回は小中学生や/高校生、そして一番テレビを見ない中年男性からも数多くの投書が寄せられました。‥‥


 私も当時中学2年生で、銀河テレビ小説は風呂から出てから見ていたのではないかと思う。当時の中学生は今の小学生よりも早寝をしていたのではないかと思うのだが、このくらいの夜更かしは認めてもらいやすかったものか、他にも幾つか見た記憶がある。いや、それら見た覚えのあるものは、放映時期が1学期末から夏休みの初めだった「たけしくんハイ!」と同様に、夏休みや春休みだったから通して見ることが出来たのかも知れない。
 それはともかく、198頁14~17行め、

 そしてこの予想を上まわる大ヒットのおかげで、私たちは急きょ続編を制作することに/なったのです。忙しい出演者の皆さんはあわててスケジュールを調整し、幸いにも全員/が一年後の再会を約束してくれました。布勢さんもスケジュールを確保してくれま/した。

とあって、放送直後に「続たけしくんハイ!」制作が決まったようだ。
 ここで注意されるのは「幸いにも全員が」とあることである。――主要キャストの、西野家の6人、松原組の棟梁夫妻、義太夫の弟子の三上、山口先生は変わっていない。しかし、2月2日付(36)に示したように、松原組の見習い2人のうち1名(安夫)が交替しているらしいし、2月3日付(37)に見たように、同級生のうち健一と敏夫が交替し、女子の同級生で名前があったのはよし江と京子の2人だが、京子が登場しなくなって代わりに無名だった幸子が昇格(?)している。
 この交替については、「続」の制作はその撮影開始の9ヶ月ほど前に決まっている訳で、このクラスの子役に、そんな先まで仕事の予定が入っていたとも思えないから、何か事情があったのであろう。或いは、たけし(小磯勝弥)について制作陣が抱いていた、杞憂に終わった懸念と同じ理由で、健一(浅野雅博)と敏夫(堀越太郎)は降板したのかも知れない。
 登場しなくなった同級生と云えば、松本正彦(後根宣将)が出て来ない。金持ちの家の子供としては代わりに保之が登場する。この交替の意味については『シナリオ続』の保之の描写を見ながら、確認するつもりである。
 そして、同級ではないが宮森圭子(岡崎由喜枝)も登場しない。これも松本正彦の役割を別の人物が担うことになったのと同様の、いや、それ以上の交替劇なのだけれども、――もし、岡崎氏が主要キャストとして、当初声の掛かった「全員」に入っていたとしたら、結局「続」への出演がなくなり、しかも初めから自分がいなかったような設定にされてしまったことをどう思ったであろうか。と、そんなことを考えてしまうのである。(以下続稿)