瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

奥野健男『北杜夫の文学世界』(1)

①単行本(昭和53年1月30日印刷・昭和53年2月10日発行・定価680円・中央公論社・173頁・四六判上製本

②中公文庫(昭和五十七年 三 月二十五日印刷・昭和五十七年 四 月 十 日発行・定価 三二〇円・中央公論社・207頁)
北杜夫の文学世界 (中公文庫 M 177)

北杜夫の文学世界 (中公文庫 M 177)

 両者の関係については、②の最後、207頁「文庫版へのあとがき」に、2~7行目、

北杜夫の文学世界』が刊行されたのは、昭和五十三年であった。今度、中公文庫の一冊になる/にあたって、その後に書いた北杜夫に関する文章の中から、重要と思えるものを付け加えた。/「月と10セント」「どくとるマンボウ追想記」などである。『輝ける碧き空の下で』は作者北杜夫/の最新の素晴しい作品である。是非これも加えたいと従来の方式によって、作品論と対談という/かたちで収録した。「北杜夫との交友」に、その後の北杜夫躁状態の一日を付け加え、鬱状態の/一日とのバランスをはかった。それらを加えたため、より今日的の北杜夫論になったと考える。

とあって、かなりの増補がなされている。細かくは次回確認することとしよう。半行分空けて2字下げで小さく8行め「昭和五十七年三月十一日」、下寄せでやはり小さく9行め「奥 野 健 男  」とある。
 今回はカバーについて見て置く。①は裏表紙も同じような柄で、最下部左にゴシック体で「¥680  0095―001187―4622」。背表紙は上半分に明朝体で標題、中央やや下にやや小さく著者名、その姓まではクリーム色の地色で名から下がやはりこの木々のような柄、最下部に横並びでごく小さく版元名。表紙折返し(7.0cm)及び裏表紙折返し(6.7cm)はそれぞれ少し表紙の柄が入り込み(1.2cm)、残りは白地。
 ②の背表紙は肌色地で上部に明朝体で標題、中央やや下にやや小さく著者名、下部に長方形の枠に[お 28 1]1字分空けて表紙と同じ癖のある明朝体で「中公文庫 M177 330」M177は横並び、330も同様で下に太い下線。裏表紙は白地で右上に明朝体で紹介文、

清冽な抒情とユーモア。近代日本文/学の系譜には収まりきれない北文学/の原風景を四十余年にわたる親しい/友である筆者が、鮮やかに映し出す


 下部にOCR-Bで「ISBN4-12-200919-7 C0195 P330E 定価330円」ゴシック体の定価の下に明朝体で「(本体320円)」と添える。すなわち、刊行から丁度7年後に導入された消費税に対応したカバーが掛かっているのである。
 カバー折返しは白地、表紙折返し、右上に顔写真(3.2×2.5cm)、その下に縦組みで「著者紹介」1行分空けてやや大きく「奥 野 健 男」ルビ「おく の たけ お」。その下に明朝体縦組みで小さく、

大正十五(一九二六)、東京に生まれる。麻布中/学時代から理科に興味を抱き、昭和二十八年/東京工大を卒業、東京芝浦電機に入社、高分/子化学者として研究所にあって大河内技術賞/ほかを受賞した。在学中、文芸部誌に画期的/な太宰治論を発表し、のち「現代文学」「現代/批評」などに参加、三十六年褪色して文筆生/活に入り、以後、多彩な評論活動を続けてい/る。『太宰治論』『現代作家論』『文学におけ/る原風景』『坂口安吾』等多くの著書がある。/多摩美術大学教授。


 カバー裏表紙折返し、左下に明朝体縦組みで「カバー画・黒川淳子」。(以下続稿)