瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

奥野健男『北杜夫の文学世界』(2)

 昨日の続きで①単行本と②文庫版の比較。
 ①の見返し(遊紙)は緑色、同じ厚みのベージュ色の扉、上部にカバー表紙と同じ明朝体横組みの標題と著者名が、縮小されてやや下に入っている。最下部中央の版元名は同じ大きさ・位置。やはりカバー表紙と同じ柄が黄土色で印刷されているが、上半分には掛かっておらず、下部も地から 2.8cm のところですっぱり切れて、カバー表紙のように版元名に掛かっていない。
 ②は1頁(頁付なし)は中公文庫の扉、2頁(頁付なし)は左下に明朝体縦組みで小さく「表紙・扉 白井晟一」とある。もちろんカバー表紙は前回見たように黒川淳子の装画なので、この「表紙」は本体の表紙である。
 ①の1頁(頁付なし)は「目  次」の扉で2~3頁(頁付なし)に細目。②の3~4頁(頁付なし)「目 次」で扉はない。1頁めの最後が「「楡家の人びと」」であるのは同じだが、②3頁に1篇、4頁に3篇の増補がある。そして最後、①3頁10行めに下寄せで「装幀・中野佳子」とあったのが②4頁13行め「文庫版へのあとがき」になっている。頁は各題目の下、余白を挟んで①はオールドスタイル数字で、②はライニング数字で、同じ高さに揃えて頁が入っている。①4頁は白紙。
 ①②5頁(頁付なし)は中扉で上部中央に明朝体縦組みで標題、裏は白紙。①②7頁から本文、1頁17行、1行43字は同じ。頁付は①は本文の下左のオールドスタイル数字、②は本文の上左に明朝体数字。①は上左に横組みの柱に題目、②は頁付と2字分の空白があって柱。
 以下の細目は①171頁「掲載書誌紙一覧」及び②203頁「□掲載書誌紙一覧(*は本文庫版で付加したもの)」と対照させながら見て置こう。題は仮に太字で示し、②での追加には頭に「*」を打った。
原っぱの文学」①②7~26頁
 題は5行取り2字下げでやや大きく入る。さらに2行分空けて本文、17頁3行めまで。4行弱空けて2段組の奥野氏と北氏の対談(17頁は12行)。これは1段20行、1行22字、26頁上段10行めまで。「掲載書誌紙一覧」①171頁2行め「『国文学』(学燈社)昭和四八年二月号/対談=新稿(上段の題は省略、以下同じ)」②203頁2行めは数字が算用数字になっている(以下同じ)。「目次」には①3頁6行め「〈対談〉北杜夫奥野健男       17 29 59 85 106 117 126 133 145 149」②4頁9行め「〈対談〉北 杜夫/奥野健男  17 29 66 92 113 124 133 140 160 164 176」と対談の収録位置が示されており、前回抜いた②207頁「文庫版へのあとがき」にあったように1つ増えている。
昆虫の王国」①②27~39頁
 29頁10行めまで、3行弱空けて対談(29頁は5行)39頁下段19行めまで。「掲載書誌紙一覧」①171頁3行め「『サンケイ新聞』昭和四九年五月七日朝刊(原題=作家の表象・北杜夫)/対談=新稿」②203頁3行め。
*「「どくとるマンボウ追想記」」②40~46頁
 46頁12行めまで。「掲載書誌紙一覧」②203頁4行め「「どくとるマンボウ追想記」*    『どくとるマンボウ追想記』(中公文庫)「解説」昭和54年4月」とある。
初期作品の魅力」①40~68頁②47~75頁
 ①59頁②66頁の4行めまで、3行弱空けて対談(①59頁②66頁は12行)①68頁②75頁の下段10行めまで。「掲載書誌紙一覧」①171頁4~5行め「『現代作家・作品論』瀬沼茂樹古希記会論文集刊行会編(河出書房新社)昭和四九年五|月\(原題=北杜夫初期作品)/対談=新稿」②203頁5~6行め*1
笑いの質」①69~76頁②76~83頁
 ①76頁②83頁の12行めまで。「掲載書誌紙一覧」①171頁6行め「『どくとるマンボウ小辞典』(中公文庫)「解説」の一部、昭和四九年二月(原題なし)」②203頁7行め。
 「目次」では、①2頁5行めには4字下げ、②3頁7行めには2字下げで「*」を打ってここで一区切り付けているが本文の方には特に何もしていない。
「幽 霊」」①77~88頁②84~95頁
 ①84頁②91頁の15行めまで。①85頁②92頁の頭から対談、①88頁②95頁の下段17行めまで。「掲載書誌紙一覧」①171頁7~8行め「『幽霊』(新潮文庫)「解説」昭和四〇年一〇月/対談=『別冊新評』「北杜夫の世界」|の一部、\昭和五〇年四月、及び新稿」②203頁8~9行め*2
短篇について」①89~109頁②96~95頁
 本文は次の3節に分かれており、①106頁②113頁の頭から対談、①109頁②116頁の下段6行めまで。
 「「岩尾根にて」「夜と霧の隅で」他」①89頁②96頁2行め~①96頁②103頁5行め
 見出し2行取り5字下げ(以下同じ)。「掲載書誌紙一覧」①171頁10行め「『日本文学全集』(新潮社)第42巻「解説」の一部、昭和四六年七月」②203頁11行め。
 「短篇集『羽蟻のいる丘』」①96頁②103頁6行め~①97頁②104頁11行め
 前後1行ずつ空白。「掲載書誌紙一覧」①171頁11行め「『日本読書新聞』昭和三八年一〇月一七日」②203頁12行め。
 「短篇集『遙かな国 遠い国』」①97頁②104頁12行め~①105頁②112頁16行め
 「掲載書誌紙一覧」①171頁12~13行め「『遙かな国 遠い国』(新潮文庫)「解説」昭和四六年九月/対談=『別冊新評』(前掲)|の一部」②203頁13行め。
「どくとるマンボウ航海記」」①110~119頁②117~126頁
 ①117頁②124頁の5行めまで、4行弱空けて対談(①117頁②124頁は10行)①119頁②126頁の下段18行めまで。「掲載書誌紙一覧」①171頁14行め「『どくとるマンボウ航海記』(角川文庫)「解説」昭和四〇年一月/対談=新稿」②203頁14行め。
「楡家の人びと」」①120~132頁②127~139頁
 ①126頁②133頁の12行めまで、4行弱空けて対談(①126頁②133頁は2行)①132頁②139頁の下段19行めまで。「掲載書誌紙一覧」①171頁15行め「『ミセス』昭和四九年三月号/対談=新稿」②203頁15行め。
「さびしい王様」」①133~140頁②140~147頁
 対談のみ、①140頁②147頁の下段3行めまで。「掲載書誌紙一覧」①171頁16行め「対談=『新刊ニュース』(東京出版販売株式社)昭和四四年八月号」②203頁16行め*3
*「「月と10セント」」②148~155頁
 155頁2行めまで本文、少し空けて3行め、下詰めでやや小さく「(昭和五十三年四月) 」とある。「掲載書誌紙一覧」②203頁17行め「『月と10セント』(新潮文庫)「解説」昭和53年5月」。
酔いどれ船」①141~146頁②156~161頁
 ①145頁②160頁の10行めまで、3行弱空けて対談(①145頁②160頁は5行)①146頁②161頁の上段14行めまで。「掲載書誌紙一覧」①171頁17行め「『海』昭和四七年七月号/対談=新稿」②203頁18行め。
「木 精」」①147~156頁②162~171頁
 ①148頁②163頁の14行めまで。①149頁②164頁の頭から対談、①156頁②171頁の下段14行めまで。「掲載書誌紙一覧」①171頁18~19行め「『実業の日本』昭和五〇年七月一五日号の一部/対談=『新刊ニュース』(東京出版販|売株式会\社)昭和五〇年七月号」②203頁19~20行め。
*「「輝ける碧き空の下で」」②172~184頁
 175頁13行めまで。176頁の頭から対談、184頁の下段5行めまで。「掲載書誌紙一覧」②203頁21~22行め「『朝日ジャーナル』昭和57年4月/対談 =『波』(新潮社)昭和57年1月号(原題=日本人\移民の夢と挫折)」。
 「目次」では、①3頁3行め②4頁6行めにも「*」を打って一区切り付けているが、やはり本文の方には特に何もしていない。
北杜夫との交友」①157~166頁=「鬱の一日」②185~194頁
 ①166頁②194頁の11行めまで。「掲載書誌紙一覧」①171頁20行め「『旅にでようよ』(毎日新聞社)昭和五〇年一一月号の一部と新稿」②203頁23~24行めは続けて「(本書初刊本での原題=北杜\夫との交友)」とある。
 ①の「掲載書誌紙一覧」はここまで。
*「躁の一日」②195~198頁2行め
 「掲載書誌紙一覧」②203頁21行め「『いんなあとりっぷ』昭和56年8月号(原題=二・一六事件)」。
 「目次」では、ここに先に引いた「〈対談〉北杜夫奥野健男」を纏めて示している。
 ②の「掲載書誌紙一覧」は1行分空けて最後、22行めに「『北杜夫の文学世界』      昭和53年2月 中央公論社刊」とある。
 「あとがき」①167~170頁②199~202頁
 ①170頁②202頁、少し空けて12行め3字下げでやや小さく「一九七七年師走」13行め下寄せで「奥 野 健 男  」。
  「掲載書誌紙一覧」①171頁②203頁
  「北杜夫初刊本年譜」①172~173頁②204~206頁
 題の下に小さく「   *対談・翻訳・全集・特装本は除く」と添える。①は37点めまで、1行に3段、上段に「マンボウ響躁曲 旅行記」標題とジャンル、中段に「五二年一一月」刊年月で1点めのみ「昭和」あり、下段「文藝春秋」と下揃えの版元名。②は47点で37点めが3頁め(206頁)の1行め、表示法は同じだが標題の仮名が明朝体の太字になっている。47点めは「輝ける碧き空の下で 長篇小説」「五七年 一月」「新潮社」。
 「文庫版へのあとがき」②207頁
 「目次」4頁13行めは「206」と誤る。(以下続稿)

*1:「記会」を②は「記念」に訂正。改行位置①「|」②「\」6行め頭括弧開き半角。

*2:改行位置①「|」②「\」。

*3:「株式社」を②「株式会社」と訂正。