瑣事加減

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小松左京『やぶれかぶれ青春記』(3)

小松左京全集完全版34『恋愛博物館/人間博物館/やぶれかぶれ青春記』2009年5月31日第一刷発行・城西国際大学出版会・431頁・A5判仮フランス装
 1頁(頁付なし)中扉、3~7頁「目次」3頁(頁付なし)扉、4~7頁は2段組(1段24行)で4~5頁上段8行め「恋愛博物館」5頁上段9行め~6頁下段7行め「人間博物館」6頁下段8行め~7頁上段3行め「やぶれかぶれ青春記」、1行分空けて「本全集の基本的編集方針………………408/初出一覧………………409/解説(國弘正雄)………………410/解説(高島忠夫)………………427/小松左京完全版・全巻の構成………………434」この7頁にのみ頁付がある。
 9頁(頁付なし)「恋愛博物館」の扉、11頁から本文、156頁まで。2段組で1段24行、1行26字。
 157頁(頁付なし)「人間博物館 「性と食」の民族学*1」の扉、159頁(頁付なし)は下段に「[共同討論者]」として小松左京米山俊直石毛直道の3人の、本文中の変名と当時の肩書を示す。161~311頁本文、312~315頁「あとがきにかえて(一九八六年三月刊文春文庫版のための座談)」末尾に(昭和六十年十二月)。
 そして317頁(頁付なし)「やぶれかぶれ青春記」の扉、319~407頁本文。章の見出しは「まえがき」も含め、1字下げ3行取りの明朝体太字でやや大きく、上に横線が引いてある。
 408頁「本全集の基本的編集方針」は6項目(段組なし下寄せ)、「一、本全集は小松左京が発表した」著述を「ジャンル別に分類し、ゆるやかな編年体で編集し収録したものである。」そして「三、」は全部抜いて置こう。

底本には、原則として初収録単行本を使っているが、最新版と照らし合わせ、あらためて著者が/校閲している。雑誌、新聞等に掲載のものについては可能な限り初出誌を確認、巻末に掲出した。/尚、雑誌、新聞等に掲載された後、単行本に収録されたものについても、刊行日は掲載した。


 そうすると「本全集」は著者による確認を経た決定版と云うことになる。尤も、著者本人であるとしても40年前の著述について、当時の意図通りに読むことが出来るのか、と云う問題があるけれども。――なお「二、」には「全体の構成」について述べ、「第二十七巻~第四十六巻がノンフィクション(評論・随筆・ルポルタージュ)」までは決まっていて、更に「これに追加するかたちで単行本未収録のものを、ジャンル分けした後、数巻に収録することとなる。」としている。奥付裏の見開き「■小松左京全集完全版・全巻の構成■」として各巻の収録作品(単行本の標題)を、「第四六巻 威風堂々うかれ昭和史/「出合い」のいい話」*2まで示し、最後に「(以下続巻・未収録作品は約九巻程度)」とある。この全集は「A5版仮フランス装・箱入・四〇〇頁前後」なので、3500頁くらい未収録作品が蒐集出来ていたはずで、だからこそ「完全版」を謳っていたはずなのだが、結局、第49巻「「小松左京マガジン」編集長インタビュー」と第50巻「小松左京自伝」の2巻が追加されて完結と云うことになり、未収録作品の続巻は刊行されなかった。
 409頁「初出一覧」は上段のみで下段余白、9~11行め、

『やぶれかぶれ青春記』
「月刊蛍雪時代」(旺文社)一九六九年四月号~一一月号
一九七五年二月 旺文社文庫


 続いて解説(段組なし)が2篇収録されているが、410~426頁、國弘 正雄「――若い読者諸君に」と427~431頁、高島 忠夫「神戸一中時代の小松左京と私」は、共に末尾に下寄せで「〈75年2月『やぶれかぶれ青春記』(旺文社文庫)解説〉」とあって、3月29日付(1)に見た①旺文社文庫版に附されていた「解説」のうち、作家となって以後の友人・田辺聖子の文章を省いた、「やぶれかぶれ青春記」の補足資料としての収録である。(以下続稿)

*1:ルビ「エスノロジー」。

*2:第48巻として刊行されている。――第39巻に予定に入っていなかった「男の人類学」が入り、第四三巻に配当されていた作品が第44巻と第45巻の2巻に収録されたことで、2つズレたのである。