瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

東京新聞社社会部編『名人〈町の伝統に生きる人たち〉』(1)

ハヤカワ・ライブラリ『名人 〈町の伝統に生きる人たち〉1963年 4 月15日発行・¥ 250・早川書房・230頁・新書判並製本

 4月12日付「杉村恒『明治を伝えた手』(1)」に関連して検索して見るに、その6年前に似たような本が出ていたことが分かったので借りてみた。――貼付した書影には反射して見づらいところがある。
 カバー表紙の上部(3.0cm)は白地で、横組みでゴシック体で大きく標題「名    人」その上にゴシック体でやや小さく左寄せ「町の伝統に生きる人たち」の副題、その下に右寄せで「東京新聞社社会部編」。右上に灰汁色の長方形(1.0×1.2cm)に黒で七面鳥らしきマーク。中央(9.1cm)は灰汁色地で、下部に白抜きで「hayakawa library | ※」※にしたところは横長の白線の六角形(0.8×1.3cm)の中に、白抜きで「TOKYOHAYAKAWABOOKS」とある。下部(6.3cm)にカラー写真。
 カバー背表紙は全面灰汁色地で、最上部に七面鳥らしき黒のマーク、上部に「名    人 」その下の〈 〉に割書で「 町の伝統に/生きる人たち」以上横長のゴシック体。中央やや下に明朝体で「東京新聞社社会部編」、最下部に横長のゴシック体白抜きで版元名。
 カバー裏表紙は左側(1.6cm)がカバー表紙・背表紙から連続する灰汁色地、残りは白地で上部左寄りに毛筆の「名人」人字の2画目の払い脇に明朝体縦組みで極小さく「篠田桃紅筆」とある。その下、白地部分の大半は横長の明朝体横組みの紹介文。

ここに登場する名人は、いわゆる囲碁、将棋あるいは/剣法の名人といった人たちではない。われわれの生活/になじみの深い――ある人はちょうちん屋の主人であ/り、ある人はツゲの櫛を削る職人である。家代々の家/業をついだ人もあれば、子供のときに徒弟修業に入っ/た人たちなど、それぞれ数十年、その道ひとすじに打/ち込んできた〈街の名人〉たちである。
「音作りは一生でござんすね。急所となりますと、ひ/とカンナで音が変わってしまいます」こう語るのは琴/作り50年の柿沢新平さんである。谷中墓地と背中合/わせのむな割り長屋がその仕事場。琴作りといっても/絃*1を張るのはべつの職人の仕事。それでも「作った琴/は自分がひかなくっても大丈夫でござんすよ」と自信/をもっていう。出てくる音はチャンと頭の中に刻み込/まれているのである。あの先生にはこんな音、あの師/匠はこんな音が好きといったぐあいだ。削ってはなで/目をつぶっては頭の中で注文した人の好みの音を考え/る。削り直す――すべては経験とカンの世界である。/江戸から東京へ、明治・大正/昭和へと何代にもわた/って庶民のなかに生き、庶民のなかに育ってきた日本/固有の職業――日本でただ一人というものもあれば、/後継者のないままに消えてゆこうとするものもある―/―を守りつづける人たち45人が、その重い口で語る/修業のきびしさは、そのまま人間修業の珠玉の記録で/あるとともに、古き良き時代への郷愁をかりたてるた/のしい読物でもある!


 柿沢氏は112~116頁、22人めに紹介されている。
 その下に太線(8.0cm)が合って、その下、左寄せで「ハヤカワ・ライブラリ」右寄せで横長「¥250」。
 カバー表紙折返しは白地で、横組みで上部から中央に掛けて、中央揃えで「《ハヤカワ・ライブラリ》」とあって、3行分空けてゴシック体「近 刊」1行分空けて大きく「駅 弁 日 本 一 周」次の行に「読売新聞社くらしの案内編」。

 1行分空けて、以下の紹介文。

日本人くらい汽車のなかでよくもの/を食べる国民はないといわれるが、/列車の窓に移りかわる眺めを楽しみ/つつ、その行く先々の名物をとり入/れた駅弁を味わうのは、旅の喜びの/一つである。北海道から九州まで気/候/風土に大きな変化が見られるよ/うに、駅弁にもバラエティに富んだ/味わいがある。日本全国110ヵ所/の駅弁と風物を紹介し一周するこの/本は、旅を愛し、食物を愛すあなた/に贈る絶好のハンドブックである!


 1行分空けて「予価250円」。この本の元になった連載については読売新聞「ヨミダス」のコラム「虫めがね」2019.2.27 UP「昭和37年(1962年)1月4日~12月25日付「[駅弁日本一周](連載)」」に簡単な紹介がある。
 下部に、

カバー写真
モデル 木村文俊さん
撮 影 宇 都 宮 雍 博
     東京新聞社写真部)

とある。木村氏は9~13頁、1人めに紹介されている。
 カバー裏表紙折返しは白地、私の見た本では切除されており僅かに明朝体の金偏が読み取れるのみ。(以下続稿)

*1:最後の一画「ヽ」のない字体。